真備町(まびちょう)の名前の由来は奈良時代に遣唐使・政治家・右大臣として活躍した「吉備真備(きびのまきび)」です。竹の町・古墳時代頃より栄えた地域・小説家「横溝正史」が名探偵金田一耕助を生んだ町、そんな歴史あふれる町を歩き、魅力を探ります。
現在、復興途上ですが、真備町にも元気なお店や観光場所があります。皆様に観光にお越しいただくことで、地域も元気になり、支援のひとつになると考えていますので、真備町・総社市・矢掛町に旅行に来てください!
上の写真は、2018年12月15日に再開された洋菓子店「ウォールウォーレン (Wohl Wollen)」さんです。
1.洋菓子店「ウォールウォーレン (Wohl Wollen)」
平成30年7月豪雨による災害で閉店されていた洋菓子店「ウォールウォーレン (Wohl Wollen)」さんが、約半年の時を経て2018年12月15日にオープンされました。
クリスマスの日(12月25日)にもたくさんのお客様が来られていました。地元のお客様からは、「待ち望んだお店が、やっと、オープンしました!」と喜びの声が聞こえました。
店内は明るく、照明などカワイイ感じで、おしゃれです。
私もケーキを買って帰り、美味しくいただきました。つぶ餡の「真備焼き」やレモンケーキなど日持ちのするお土産に適したお菓子もあります。
2.へんこつうどん
真備町内には、既にオープンされている「むらさき」さんや「かわはら」さん、今春に自宅を仮設店舗でオープン予定の「さるや」さんなど美味しいうどん屋さんがあります。
3.コーヒーハウス「ごじとま」
2018年12月19日にほぼ完成した「キッチンカー」の「移動販売車」で店舗のある駐車場前やお馴染みさんのお宅などで移動販売されているコーヒーハウス「ごじとま」さんです。
「移動販売車」での販売をされる前は、店舗のある駐車場前で机と椅子を出して営業されていました。
下記のツイッターアカウントから、営業日時をアナウンスされています。
撮影:2019年1月6日
取材時にお店の中を見せていただきましたが、店内はまだ整理されている途中でしたが、スピーカーも水没して駄目になり、特注スピーカーを注文されているとのお話をご主人から伺いました。
写真提供:田中昌子さん(お店の入り口付近 2018年春撮影)
4.たけのこ茶屋
撮影:2018年12月24日
写真提供:たけのこ茶屋(お店の前の「マービーちゃん」です。)
写真は竹製品の販売コーナーの一部です。 各種竹細工・若竹せんべい(先代マービーちゃんがデザインされています!)・竹布(たけふ)ハンカチ・竹炭・竹酢原液など各種のおみやげがあります。
先に、「たけのこ茶屋」さんは真備町の情報発信拠点と書きましたが、復興してオープンされたお店の情報などをツイッターで発信されています。
5.まきび記念館
また、吉備真備は真備町の出身であることから、真備町の名前の由来ともなっています。
こちらは、吉備真備の業績をたたえ、資料等を収集し写真やパネル等にして展示公開するとともに、地域文化の発展に寄与するために、まきび公園内に建設し、昭和63年11月3日に開館した記念館です。真備公の人物像や歴史を学ぶことができます。
建物は、四隅がぐんと反り上がった屋根を朱塗りの柱が支える構造で、中国情緒を漂わせており、館内には庭園の見えるユニークな休憩所もあります。
6.まきび公園
美しい中国風建物の中に一歩入れば、真備公と倉敷市真備町のことがきっともっとわかるはず!
紅葉の季節など、四季折々に美しい風景を見せてくれます。公園で、のんびり過ごすのも良いです。
撮影:2018年12月24日
ふと、なぜ、三頭の竜なのだろうか?という疑問がわいています。
撮影:2018年12月25日
7.吉備公廠
遣唐留学生、遣唐副使として二度にわたり入唐し、その知識を政治文化に反映させました。
「日本の留学生で唐で名をなした者は吉備真備と阿倍仲麻呂の二人のみである」とまで称された。(19年も唐に留め置かれたのは、玄宗皇帝がその才を惜しみ、帰国させなかったためといいます。)帰国後朝廷で異例の出世を果たし(右大臣)、国政の多方面にその才能を生かしました。温厚、実直、誠実、清廉、潔白、忍耐強く機略に富んで、人の信頼厚く、才能、人徳、天運を兼ね備えたスーパーマンのような人でした。
今は真備町箭田の「吉備様」に祀られ、地元の信仰厚く、特に進学、出世にご利益があるといわれています。真備町の町名は真備公にちなんでつけられています。
撮影日:2018年12月25日、「吉備様」の裏にあります。
8.箭田大塚(やたおおつか)古墳
明治34年の調査で、須恵器や土師器などとともに、権力の強大さを示す刀剣・馬具・金環・勾玉などが発見されました。
石室全長は19.1m、うち玄室の長さ8.4m、幅3m、高さ3.8m。従来は前方後円墳とか帆立貝式古墳などと言われてきましたが、昭和58年の確認調査で周溝が検出され、直径54m、高さ7mの円墳であることが判明しています。6世紀後半の築造と考えられています。
撮影:2018年12月24日
※途中に格子状の扉があり、扉の中には入れません。格子の間から、高感度撮影しています。
撮影:2018年12月24日
9.真備ふるさと歴史館
また、真備町に疎開されていた推理作家、横溝正史氏の遺品を展示する「横溝正史コーナー」も設けています。
取材の数日前に、岡山県出身の歴史家「磯田道史」先生が、ここを訪問され、古文書を寄贈されたそうです。磯田先生は会いたい人のおひとりです。NHKの「英雄たちの選択」など、分かりやすい解説で、多方面で活躍されています。
10.横溝正史疎開宅
当時、軍部の圧力で探偵小説を書くことが出来なかった氏は、岡田地区の人と交わり、畑でジャガイモつくりなどに精を出した。しかし、いつの日か本格的な長編作品を書きたいと考えた正史は、東京から運んだ蔵書を読み、地区の親しかった人たちから農村の因習、農漁民の生活などの話を聞き、作品の構想をあたためました。
戦後、氏が日本で初めて本格理論的な推理小説を拓いた「本陣殺人事件」「獄門島」「八つ墓村」など多く名作が、疎開宅で著述されました。
名探偵金田一耕助は、「本陣殺人事件」で磯川警部と共に初めて横溝正史作品に登場しました。氏の日記によると金田一耕助は、昭和21年4月24日この疎開宅で生まれたことになります。
ここも、横溝正史・金田一耕介ファンのメッカとして親しまれています。
撮影:2018年12月25日
11.マービーふれあいセンター
マービーふれあいセンター前の広い駐車場はがれき集積場所となり、たくさんのがれきが積まれていました。(私が取材した2018年12月下旬には、最後のがれきが撤去されるところでした。)
マービーふれあいセンターは移動席を備えた大小2つのホールのほか展示室等があり、演劇・コンサート・講演会等から絵画・写真等の展示まで多種多様なイベントに活用できます。 建物の外観は、真備町にゆかりのある吉備真備公が中国の唐へ渡る際に乗った一隻の巨大な遣唐使船をイメージして建てられています。
マービーふれあいセンター・西側に隣接する「倉敷市立真備図書館」(移動図書館が活躍中)・「たけのこ天文台」は水害のため、2019年1月末現在休館中です。
【あとがき】
今回ご紹介できなかった、再開が待たれる「マビ昭和館」・イベント時のみ出店されている「真備竹林麦酒醸造所」など、たくさんの魅力的なお店などがあります。機会がありましたらご紹介します。
箭田地区には、真備町のシンボルでもある竹が多く、この古墳の周囲にも美しい竹林が育っています。
※ ドローンでの空撮は許可をいただいて、安全に飛行しています。