備前焼小町アイドル、藤原肇ちゃんの気配を感じながら伊部の街を歩いてみた

2021年10月、ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」内の岡山県出身アイドル、藤原肇さんが備前焼小町に就任されました。本当に本当に…おめでとうございます…。それに伴い、岡山県備前焼陶友会と備前商工会議所が連携し、備前市で数々の企画が実施されました。推しの活躍、現地で応援できるのが出身地地元民の強み、ということで、どっかに彼女の姿を捜しながら街歩きをしてきました。
掲載日:2021年11月29日
  • ライター:藤田恵
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藤原肇さんを知っていますか?

絹糸のように艷やかな黒髪、穏やかながらも芯の強さを感じさせる瞳、清楚にして凛とした立ち姿。
眩しい笑顔で見る人の心を癒やす彼女は、藤原肇(ふじわらはじめ)さん。
10年以上続く人気ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」に登場するアイドルの1人です。

岡山県で陶芸家の孫として生まれた彼女は、祖父の作陶を手伝いながら自分自身も多数の作品を作ってきました。
しかし、様々な経験をして表現の幅を広げるため、憧れのアイドルの世界へ。今はトップアイドル目指して活動しています。
そんな彼女の個性を発揮してほしいと、備前焼や備前市のPRを行う「備前焼小町」に任命されたとのこと。
それをきっかけに、聖地巡礼として長年備前市を訪れてきた肇さんのファンの方々(以下、「プロデューサー」と呼ぶ)が、再び備前の街を訪れ、備前焼を愛で、備前の名所や名産を楽しむなど大きな影響を与えています。すごいんですよ!肇ちゃん、そしてアイドルマスターのプロデューサーさんたちの愛が!!!

備前焼小町藤原肇さんの企画を楽しんできます!

当然ながら、筆者も肇さんのプロデューサーの1人。彼女に新しいカードや衣装が提供される時に備え、日々こつこつ楽しくゲームをプレイしております。
というわけで、備前市民プロデューサーという地の利を活かし、今回は協同組合岡山県備前焼陶友会さんの公式サイト(https://touyuukai.jp/)のトップバナーからダウンロードできる「備前焼小町就任記念!窯元・作家ご案内MAP」をタブレットに保存し、そちらをお供に伊部の街を散策してみました。紙に印刷すればより軽くなって便利ですね。
なんと、肇さんのみならず、岡山県出身のアイドル仲間の赤西瑛梨華さん、乙倉悠貴さんも加わった賑やかな仕様です。
もしかしたら、この3人が歩いたかもしれない備前焼の街…想像しただけで楽しくなってきました。

※特別マップの公開は2021年12月20日(月)17:30までなので、お早めに

JR伊部駅からスタート、備前観光情報センターへ

JRの駅から歩いて回れるコンパクトさが伊部のまちの良さのひとつ。
まずは、駅に降りたと仮定して観光情報を集めるために備前観光情報センターへ…。すでにもう、肇の旅は始まっているのです。
なんと2021年1月に発表された「藤原肇×備前焼 竹湯呑」の展示とともに、備前焼小町藤原肇さんのポスターが!
素晴らしい景色を見せるコラボ竹湯呑を鑑賞し、記念に写真撮影をするのがプロデューサー流。ああ、本当に小町になったんだなぁと感慨にふけりましょう…。

※ポスターの掲出期限は2022年3月末まで。それまでに見に来てくださいね
ちなみに、こちらの備前観光情報センターは備前観光協会が運営となり2021年4月にリニューアルしたばかり。明るく開放的で、レンタサイクルやデジタルサイネージ、VR体験と最近の観光に欠かせない設備もばっちり。
また、名所のイラストが焼印されたお菓子をはじめ、地元の隠れた名物もそろっており、お土産選びをするのにぴったりな場所です。
休憩スペースが広くとられていますので、かばんの中や荷物整理に使うのにも気兼ねせず便利。
火曜が定休日なので、お出かけの際はご注意を。

伊部駅2階には、備前焼がずらり「備前焼伝統産業会館」

「こんなにたくさんの器が一同に見られる施設、他の窯産地にもなかなかない!」と驚かれるのが、備前焼伝統産業会館。岡山県備前焼陶友会の会員である約150の作家・窯元のブースがあり、それぞれの作品が展示されています。
備前玉や箸置きなど、気軽に手に取れるお手頃なもの、コーヒーカップや湯呑など毎日使える食器、そして各自の作風が生き生きと表現された個性的な器など、ここに来れば推し作家が見つかる!?と思わせてくれる充実のラインナップです。気になる作家さんがいたら、ぜひ連絡のとり方をスタッフさんに聞いてみてください。
荷物が増えるのが気になる方には、作品の発送も受け付けてくれますよ。

そしてもちろんこちらにも、壁や窓に肇さんのポスターが。

歴史や作り方を学ぶなら、「備前焼ミュージアム」へ

駅のすぐ隣に美術館があるのも嬉しいポイントです。備前焼は、発祥からの歴史が約1000年間と非常に長いので年表で確認した方が分かりやすいのと、制作工程が土作りから磨きまでとにかく作業が多いので、写真とともに説明されたパネルがあることでぐっと理解が早くなります。
さらに、貴重な古備前や大甕だけでなく、歴代人間国宝の作品が一同に会したフロアもあったりで、「最初は備前焼ミュージアムに行けば間違いない!」品がいっぱい鑑賞できます。
全4階にわたる広さなので、少なくとも1時間以上はかかると予定して訪問すると安心かもしれません。
腕利きの学芸員さんたちが仕掛ける企画展も毎回めちゃくちゃ面白いので注目です。

あっ、なんと建物の外のポスター掲示ボックスに肇さんポスターが!?うっかり休館日の月曜に来てしまってもポスターは拝める親切仕様…感謝…。

軽食喫茶UDOでちょっと休憩

まだ駅から200mも離れてないのに…見どころが…多い…。ゆえに、ちょっと疲れる…!
そんな時は、一旦駅に戻ってカフェでお茶orランチでもどうでしょうか。
伊部駅の1階にある「軽食喫茶UDO(ウド)」は、土日祝には行列ができるほどの人気店。
瀬戸内産の食材を中心に使用し、一つひとつ丁寧に作られる食事やスイーツ、そして淹れ方を選べるスペシャリティコーヒーなど、じっくり味わいたくなる美味しさを堪能できます。スタッフさんがこだわりについて丁寧に説明してくれるから、さらに沁みるんです。
メニューは備前焼の器で提供されるのも嬉しいところ。観光客はもちろん、地元民からも愛される理由がいっぱい詰まっています。
10:00〜11:00はモーニング、11:00〜14:00はランチ、14:00〜17:00はケーキの時間なので、タイミングに合わせて来店を。

窯跡何ヶ所回れる?焼き物の産地ならではのトライアル①「伊部南大窯跡」

のんびり街を散策、とは言ったものの、朝5時からジョギングをしている肇さんのファンの方々にとっては、運動量がもの足りないのでは…?
ということでここからが本番です。
山がちな地形を生かして、備前焼を焼成するための多数の窯を築いてきた備前焼の陶工たち。その大がかりな作業や迫力が感じられるかつての「窯跡」を巡ってみましょう。
まずは伊部駅を南口から抜けて向かう、「伊部南大窯跡」へ。
室町時代から江戸時代にかけて使用されていた共同窯で、東側窯跡は全長53.8mにもなる半地下式の登り窯。単房の窯としては国内で最大規模とされています。
斜面をびっしりと覆う膨大な数の陶片を見ると、焼成していた作品の数、そしてそれに関わった人の多さなどが想像できるはずです。

窯跡トライアル②「伊部西大窯跡」

南大窯跡から約1kmと、徒歩でも、伊部駅でレンタサイクルを借りてもOKな距離感にある窯跡。のどかな田園風景の山間に静かに佇む…ここが「伊部西大窯跡」です。
こちらも、
室町時代から江戸時代にかけて複数人の陶工たちが共同で使用した窯の一つ。南大窯跡ほどはっきりと場所が分かるようにはなっていませんので、記念碑と立て看板を目印にのんびり探してみてください。

窯跡トライアル③「伊部北大窯跡」

実は、伊部の山には、石碑も看板も立てられていない「名もなき窯跡」たちが数多く存在します。そういった窯跡を確認するため、古い文献を読み漁っては山へ分け入り、自分の足で歩いて確認しに行く備前焼作家さんたちもおられます。
私もその、名もなき窯跡を確認しては後世に伝える名目の行事に参加したことがあるのですが、あまりの道の悪さ…と言いますか、道なぞ皆無な木の生い茂る山の斜面を平然と進む一行に驚き、備前焼作家さんの健脚さと豪胆さに感銘を受けました。

それに比べれば北大窯は実にイージーです。難易度でいうとDEBUTです。
西大窯跡から約1km。窯元や作家の店が立ち並ぶ通りを抜け、途中、備前市指定文化財になっている「天保窯」にも立ち寄りながら山の上へ。
大きな窪みのようにも見えますが、ここが窯跡。道が舗装されているのでアクセスしやすいですね。

伊部を一望!気持ちの良い展望台

肇Pの間で密かなブームとなっているのが、この展望台から伊部の街を眺めながら、お手持ちの端末で彼女のソロ曲「あらかねの器」を聴くこと。
北大窯跡から展望台までの上り階段で心地よい疲労感を覚えた体と、豊かな自然や煙突の立ち並ぶ街並みに和む心に染み渡るのです。山を越えて空を越えて届いた、肇さんの歌声が。

肇さんのさらなる活躍を祈願し、天津神社へ

ガチャ、ライブチケット、総選挙…プロデューサーという職は、とかく祈ることの多い仕事です。
自分にやれることは全てやった、後は天に祈り捧げるのみ。
そんな極地に至ったプロデューサーが自らが推しているアイドルのためにできることの一つが、神社を参拝し、神々に気持ちをお伝えすること。

天津神社は宮司さんも備前焼作家さんという珍しい神社。境内には備前焼の干支や器があちこちに置かれ、参道には備前焼のタイル、そして門の屋根瓦まで備前焼と備前焼尽くしなのです。
備前焼関係者である肇さんの活躍を祈願するのにぴったり、と多数のプロデューサーさんが訪れては、絵馬にも想いを書き綴っておられるとか。

肇さんポスターも条件付きで掲出されていますので、一度訪れてみてください。

伊部での一日の終わりに…「常盤旅館」であたたかい夜を

伊部の街は、見所がたくさん。この記事のコースに加えて備前焼の店を回れば、あっという間に夕方になっていることでしょう。
そして思うはずです。「一日では足りない」と。
分かりますその気持ち。だから泊まりましょう、伊部に。

「常盤旅館」は伊部の街で約150年続くお宿。数々の備前焼作家さんも宴会を行ってきた、この街の変わらない魅力と移ろいを見守ってきた場所です。
まるで田舎の故郷に帰ってきたかのような雰囲気と、あたたかい女将さんと若女将さんの真心こもった接客で、心が安らぐ…という人続出。
一度泊まってしまうと、ついついリピートしたくなる居心地の良さなんです。
特に、女将さんたちが自ら買付に行く、瀬戸内の海の幸や地元の食材をふんだんに使った食事は絶品。
惜しみなく備前焼の器を使い、お膳いっぱいに並んだ料理の数々に思わず歓声が上がり、季節を感じられる華やかな彩りに心が踊ります。
素材の持つ旨味を存分に引き出した上品な味付けでありながら、ボリュームも満点。もう絶対、朝夕食事付きの一択。当方、常盤旅館さんのおいしいご飯が食べたくて、女将さんたちに会いたくて、何度も何度も宴会お願いしてきてるんですって。間違いないから。信じて。
「岡山のどこかで一泊を」と計画中なら、ぜひ常盤旅館さんで静かであたたかな伊部の夜を感じてください。

1人のアイドルが、人を変える、街が変わる

私が肇さんに出会ったのはtwitterでした。「備前焼」と検索したら、肇さんをきっかけに器を愛でている方や、備前市に来られている方の投稿を見て驚き、「この藤原肇ちゃんって、すごい人気のアイドルなんやね!一体どんな子なんかな?」と、ご近所の窯元の奥さんと一緒に盛り上がったことを今も鮮明に覚えています。

あれから約3年。今や新しい備前焼と出会い楽しまれる投稿が毎日のように流れ、岡山県の東の端っこである備前市をわざわざ訪れてくれるプロデューサーさんたちが驚くほど増えました。その大きな変化を知った備前市の方々が、肇さんに備前焼小町への依頼し、全国テレビや新聞などメディアで取り上げられるとさらに大勢の人が訪れー。こんな楽しい円環が、地元に生まれるなんて!

陶芸を愛する1人のアイドル、藤原肇さん。
彼女がファンの心を変え、それを知った街が変わりました。

あまりに鮮やかな奇跡を目の当たりにし、時折、地元民プロデューサーとしてたまらない気持ちになります…。
ううっ、肇ちゃ…本当にありがとう…良きみ尊み…マイ女神…。これからもどうぞ、末永く宜しくお願いいたします…生涯推して参ります…。アイドルマスター シンデレラガールズ、10周年本当におめでとうございます…。
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