色つやと歯切れのよさ、噛むほどに広がる甘さの『岡山のり』

豊富な栄養塩と寒風の中で地道な作業が育む明治以来の歴史を有する岡山の海苔

  • 浮き流し式の網

    浮き流し式の網

明治以来の長い歴史を持ち、高い評価を得ている岡山の海苔。その味の決め手は、瀬戸内海に流れ込む三大河川が運ぶ豊富な栄養塩と日々の地道な作業です。
深さのある海域で海苔を養殖する岡山で用いられているのは、海面に浮きと錨を付けたロープで囲いを作り、その中に網を張る「浮き流し式」。海水温が下がる10月、網に海苔の種(殻胞子)を付着させ、その網を10~20枚重ねて海面に張ります。
  • 本張り

    本張り

  • もぐり船で網の下へ

    もぐり船で網の下へ

海苔の芽が育ったところで(育苗)、1枚ずつ海面に張り直します(本張り)。強くて健康な海苔に育てるため、育苗期間には毎日数時間、網を海の上で干したり海水で洗ったりする作業(干出)を欠かしません。やがて11~3月の寒風の中、「もぐり船」で網の下にもぐり、生長した葉体を刈り取るのです。
冬の日光と瀬戸内海が育む岡山の海苔は色つやと歯切れがよく、噛むほどに甘さと旨みが口に広がる上質な海苔となるのです。

「玉野市胸上の海苔のおいしさを伝え、この浜を元気にしたい」若き漁師夫妻が丹精込めた海苔

「海苔は、天候や気温、湿度などの条件が少し違うだけでも味が変わります。それらを調整しながら、一定の品質を保つのが難しい」。そう話すのは、玉野市胸上地区で海苔を養殖する漁師の富永邦彦さんと、離乳食の頃から海苔を食べて育ったという妻の美保さん。海苔の養殖を始めた祖父と父が経験の中で培ってきた技とノウハウを引き継ぐ若き三代目夫妻です。
「胸上の海苔の美味しさを知ってほしい。それが先々、この浜の活性化につながれば…」。2人が作る胸上産・早摘み海苔100%の「焼き海苔」「味海苔」「塩海苔」は、分厚くパリっとした食感で格別の味わいです。

岡山の海苔の個性を活かし、 海の香りと豊富な栄養素を料理にプラス

岡山の海苔は従来、「瀬戸内産の海苔」として市場に供給されていました。しかし現在、岡山県漁連では、独自の基準を満たした上質な海苔のみを「岡山の海苔」として発信しています。そんな岡山の海苔は、風味の良さとしっかりとした厚みが特徴。おにぎりにはもちろん、焼きそばやパスタに刻んだ海苔を乗せたりもおすsめです。
海苔が持つ豊富な栄養素をプラスでき、ふわりと漂う海の香りも料理の美味しさをアップしてくれます。

取材協力:邦美丸(くにみまる)