県内6つの『地ビール』醸造所が、独自の味わいで勝負

三大河川を擁し、伏流水も豊富。ビール造りに適した岡山県

ビールの約9割を占める水は、その味や色に大きな影響を与えるといわれています。水量豊かで水質のよい三大河川が流れ、その伏流水(山地への降水や河川、湖の水が水源となった地下水)も豊富な岡山県は、ビール造りにもってこいの地なのです。さらに、米処でもあることから、古より盛んに酒が造られ、「万葉集」にそのおいしさを詠んだ歌が残るほど。脈々と受け継がれてきた「醸す文化」が、洋の東西の違いを超え、ビール造りの根底を支えているのです。

日本の地ビール草創期に着手。今も挑戦し続ける醸造所あり

日本の地ビールの歴史は、酒税法改正で最低製造数量が引き下げられ、小規模な醸造所でもビールを造れるようになった平成6(1994)年に始まります。翌年、中国地方では初、全国でも9番目となる地ビールが、ここ岡山県で誕生しました。それが、三大河川のひとつ・旭川の近くに建つ、大正4(1915)年創業の『宮下酒造』(岡山市)が造る伝統的なヨーロッパタイプの「独歩」です。「ビールはドイツの文化」とドイツに足を運び、現地の醸造所責任者と相談しながら、醸造機械をはじめとする設備、麦芽やポップなどの原料を選定。当初は、ドイツから招いたビール職人の指導の下で、開発・生産していました。今では、特産品である桃やマスカットといった果実、全国に名を馳せる幻の酒米・雄町米などを使い、岡山ならではの味わいに仕上げた地ビールも醸しています。

多くの醸造所がオリジナルの地ビールで味を競う

  • 宮下酒造

    宮下酒造

  • 吉備土手下麦酒

    吉備土手下麦酒

他の地域にくらべ、比較的多くの地ビール醸造所を擁する岡山は、全国的にみても地ビール造りが盛んな地といえるでしょう。草創期から地ビール業界をけん引し続ける『宮下酒造』(岡山市)や、麦芽、麦、ホップ、水だけで醸す、エールタイプ「御崎」を筆頭とする種類豊富な地発泡酒を造る『吉備土手下麦酒』(岡山市)など、各醸造所が腕を競い、多彩なビールを生みだしています。「豊かな水」と「醸す文化」が紡ぐ岡山の地ビール。その舌と喉でぜひご堪能ください。