アート自転車で巡る、アートのまち玉野市宇野周辺

今年で5回目となる「瀬戸内国際芸術祭2022」の春会期が、2022年4月14日(木)~5月18日(水)の35日間、瀬戸内海の島々で開催されます。
会場の一つ、岡山県玉野市宇野港周辺では、歴代のアート作品も含めて海沿いがアートで楽しめます。
せっかくなので、飾られているアート自転車と同じものをレンタルして、アート巡りを存分に楽しんできました。おすすめの隠れ屋的カフェ「belk街」もご紹介したいと思います。
掲載日:2022年02月28日
  • ライター:高杉郁子
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JR宇野みなと線/宇野駅

3年に1度、瀬戸内海の12の島と2つの港を舞台に開催される現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」が2022年4月14日(木)から開かれます。
瀬戸内海への玄関口でもあり、宇野港のシンボル的存在の宇野駅舎アート。JR宇野みなと線アートプロジェクトのエステル・ストッカーさんの代表的作品です。
真っ白な駅舎に黒の線アートが、青空によく映えます。まずはここからスタートです!

【瀬戸内国際芸術祭2022】
春会期:2022年4月14日(木)~5月18日(水)35日間
夏会期:2022年8月5日(金)~9月4日(日)31日間
秋会期:2022年9月」29日(木)~11月6日(日)39日間

「終点の先へ」

JR宇野駅を出て西側に、小沢敦志さんの作品「終点の先へ」が展示されています。
放置自転車をアート化するプロジェクトで、鉄を熱して叩いて溶接し、新たな自転車が生まれたまさにSDG’sな自転車です。この自転車と同じものがレンタルできるというので、さっそく借りてみました。
レンタル受付場所は、JR宇野駅内の玉野観光案内所です。

【玉野観光案内所】
所在地:岡山県玉野市築港1-1-1
TEL:0863-21-3546
営業時間:9:00~17:00
レンタル料金:1日500円~

今日の相棒は、アート自転車!!

玉野観光案内所で鍵をかりて、好きな色が選べたので赤にしました。
アートで可愛い自転車にテンションが上がりました。さっそく乗って見ることに。
マウンテンスタイルの自転車は、ママチャリしか乗ったことのない私には最初乗りにくかったですが、慣れるとなかなかいい感じに走れました 笑。
玉野観光案内所の方に、「廃材の鉄で作られていますから、多少汚れるかもしれません・・・」と言われましたが、大丈夫でした。でも、スカートは不向きです。アート自転車があれば、たくさんのアートスポットを効率よく巡れますよ。

「海からの贈り物」

JR宇野駅広場に設置されている、白井美穂さんの作品「海からの贈り物」。
中心のオブジェがゴールドメタリックにリニューアルされて華やかになりました。動物たちに、ロックスターやマジシャンンを思わせる衣装を着せ、華やかでユーモラスなオブジェになっています。風に揺れるフリンジやマントで、ブロンズ彫刻の重く固定的な印象に動きを与え、翼や花の形態といった自然界の別の生命体の要素とも合体させてあるそうです。

夕焼けの「海からの贈り物」

夕焼けをバックに見ると、昼間とは違うアートが見れました。まるで切り絵の世界のようできれいでした。

「船底の記憶(スクリュー)」

旧日本軍の軍艦のいかりやノルウェー船のスクリューを用いて、小沢敦志さんが作られた巨大立体作品「船底の記憶(スクリュー)」です。瀬戸内国際芸術祭2016期間中のワークショップで鉄のパーツを作り、立体作品に溶接したそうです。海底の遺物の付着物のように増殖し続けるそうです。

「宇野のチヌ」

©淀川テクニック
空き缶やペットボトルなどのゴミや、家庭からの不用品を集めて、淀川テクニックさんが作ったチヌ(クロダイ)のオブジェは、第1回目の瀬戸内芸術祭で設置されました。その後、お色直しが実施され、潮風で劣化したパーツを取り換え、新たに生まれ変わったそうです。

「宇野コチヌ」

「宇野のチヌ」に子供が誕生したのは、2016年10月30日、今度は滑り台でした。口の中から滑り降りることができます。玉野市内の家庭から出た不用品や、作家である淀川テクニックさんが、瀬戸内の島々で集めたゴミで作成されたそうです。

海沿いの広場

アート自転車で海岸線を走ると、とても気持ちよかったです。

「愛の女神像」

何とも言えない不思議なポーズの作品、ドルヴァ・ミストリーさんの「愛の女神像」。背後から見ると、さらに不思議でした。

「船底の記憶(いかり)」

前述の「船底の記憶(スクリュー)」と同様に、小沢敦志さんの作品です。

「海の記憶」

自転車で、少し離れた場所にある公園に着きました。軽やかなチタニウム素材の彫刻は、内田晴之さんの作品で、中に海水を秘めているそうです。フォルムは、人を導く船、生命を運ぶ種子、広大な海のひとしずくでもあるそうです。周囲の光景を外側の鏡に映しながら、ゆっくりと空を泳いでいるように見えます。

駅東倉庫

十数名の美術家・工芸家が広い倉庫の中で工房を構えて活動されています。
分野は、染色、ガラス、木工、陶芸、立体造形、絵画等の幅広い分野で、作品展示ブースや制作風景を見学することができます。(要予約)
広々とした、ひとつの場所で、あらゆるジャンルのアーティストがそれぞれに活動できる場所があるのは、全国的に見ても珍しいです。

【駅東倉庫】
所在地:岡山県玉野市築港5-4-1
TEL:0863-32-0081
見学のお問い合わせ:ekihigashi@unokotochi.jp

発泡スチロールアート

この日は、発泡スチロールアートの高嶋幸市さんがお仕事をされていました。この駅東倉庫の代表もされているとのことで、制作についてお話を伺いながら見学させて頂きました。舞台装飾や展示に使われていた本物そっくりな植物や昆虫が目の前にたくさんあり、見ているだけで楽しくなりました。高嶋さんが作る発泡スチロールの作品は、生命力が感じられて、まるで生きているように思えました。

belk街

玉野市王子ヶ丘の「belk」、「belk離れ」に続いて3店舗目の「belk街」に行ってきました。アート自転車で巡ること約3時間、お天気も良く、少しひと休みしたくなりました。JR宇野駅からほど近い場所の、隠れ屋的なカフェです。店内はナチュラルで、季節のお花が店内に馴染んでいて、とてもおしゃれな空間です。

【belk街】
所在地:岡山県玉野市築港2-1-11
営業時間:10:00~17:00
定休日:木曜日

癒しのカフェ

季節のパウンドケーキと自家製レモネードをオーダーしました。この日のパウンドケーキはリンゴのケーキで、とても美味しかったです。自家製レモネードも、爽やかで、自転車をこいで乾いたのどが潤いました。この空間でくつろぐカフェタイム、また訪れたくなりました。

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