大原美術館・倉敷考古館 同時開催 企画展「1925」
カテゴリ
100年前の「今」にアートと考古を通してアクセス
1930年、日本で初めて西洋美術を常設展示する美術館として誕生した大原美術館。そして、約20,000年にわたる歴史の遺物とともに吉備地方の歴史の魅力を伝える場として1950年に開館した倉敷考古館。これらふたつのミュージアムがそれぞれの個性を活かし交差させた、初めてのダブル展示による企画展が開催されます。
同展は「1925」をキーワードに1世紀前の「今」にアートと考古を通してアクセスすることを試みるもので、ふたつのセクションから構成されます。
大原美術館会場の「1925:ピカソ・フジタ・ヤクシジ ― むすび100年前」は、1925年にパリで開催された現代産業装飾芸術国際博覧会(アール・デコ博覧会)と同時期に創造された芸術を、大原芸術財団のコレクションを軸に国内に所蔵される貴重な作品・資料とともに展覧されます。中心には、パブロ・ピカソ(1881-1973)と藤田嗣治(1886-1968)が1925年に各々が制作した作品を置き、さらに建築家の薬師寺主計(1884-1965)が手がけた大原美術館 本館などの建築物や大原家旧別邸 有隣荘の家具調度品を紹介します。薬師寺は、日本の建築やインテリアにアール・デコ様式を取り入れた先駆者でもありました。ピカソ、藤田、そして薬師寺―これら三人の表現者を点として100年前を結んでいきます。
倉敷考古館会場の「1925:百年前の考古學 ― 好古から考古へ」は、約1世紀前にコレクションされた考古遺物や当時の記録から郷土史家や芸術家の目を通して、彼らの文化財への関わりと学史を紹介されるものです。1925年、倉敷市の西を流れる高梁川に東西用水が完成しました。大原美術館の創設に尽力した画家 児島虎次郎(1881-1929)のアトリエからは工事の様子が見えたことでしょう。おりしも、今年、高梁川では再度の河川工事のため発掘調査が行われているのです。100年前の人々も、何らかの出土品を目にしたかもしれません。
日本では江戸時代より文人趣味の一環として、古い文物を蒐集することが流行していました。「好古家」などと呼ばれたコレクターは、埋蔵文化財保護の先駆けとも見ることができるでしょう。明治維新以降、西洋人の学者や技術者により考古学の概念が持ち込まれ、「好古」は「考古学」という学問として飛躍的に発展しました。100年前、考古学的な文化財にはどのような眼差しが向けられていたのか―考古遺物と資料、そして現在進行形の発掘調査の紹介によって当時の目線を紐解いていきます。
基本情報
- 開催期間
2025年10月2日(木)~12月21日(日)
※倉敷考古館は10月3日(金)から開始
- 開催時間
大原美術館:9:00~17:00 ※12月2日(火)~21日(日)は9:00~15:00
倉敷考古館:10:00~16:00 ※12月5日(金)~21日(日)は10:00~15:00
※最終入館は閉館の30分前- 開催場所
大原美術館、倉敷考古館
- 所在地
- 〒710-0046 岡山県倉敷市中央1-1-15、1-3-13
- 電話番号
- 086-422-0005(大原美術館)
- 休業日
大原美術館:月曜日
倉敷考古館:月~木曜日
※ただし、10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)、24日(月・振)は開館- 料金
【大原美術館】
一般 2,000円、小・中・高校生(18歳未満) 500円、小学生未満 無料
【倉敷考古館】
一般 500円、高・大学生 400円、小・中学生 300円、小学生未満 無料- 車でのアクセス
山陽自動車道倉敷ICまたは、瀬戸中央自動車道早島ICから約20分
- 公共交通機関でのアクセス
JR倉敷駅から徒歩約15分
- 駐車場
なし(周辺の有料駐車場を利用)
- ウェブサイト
- 関連資料
- 備考
倉敷考古館 電話番号:086-422-1542
※営業時間や定休日、料金など変更されている場合がありますので、お出かけの際は問い合わせ先にご確認ください。