会場は瀬戸内海の島々だけでなく、岡山県(本州)側の玄関口である宇野港エリアにも多数の個性的なアート作品が展開されています。記事ではフェリーの待ち時間や、島からの帰りにふらっと立ち寄れる宇野港エリアのアートスポットを紹介します。新作情報も満載!
【瀬戸内国際芸術祭2025 開催期間】
春:4月18日(金)~5月25日(日)
夏:8月1日(金)~8月31日(日)
秋:10月3日(金)~11月9日(日)
- 宇野港エリアについて
- JR宇野駅もアート作品に! 〜 JR宇野みなと線アートプロジェクト
- アート作品はレンタサイクル 〜 終点の先へ
- 元銭湯が没入アート作品に 〜 潮返
- 塩で描かれる物語の世界 〜 命の塩
- 世界的な建築家がデザインしたモコモコベンチ 〜 しまSHIMA
- 地元高校生による力作 〜 Heart
- 海水が封じ込まれた彫刻作品 〜 海の記憶
- 港に突き出した緑地 〜 宇野港第一突堤緑地
- 宇野港のシンボルといえばこの2匹! 〜 宇野のチヌ/宇野コチヌ
- 廃材が語る町の記憶 〜 船底の記憶
- 海をバックにしたトリックアート 〜 tower(UNO)
- かつての宇高連絡船のバースにも新作登場! 〜 The Home
- すこし足をのばして郊外へ
- 競輪場の廃材をアートに再生! ~ S.F. (Seaside Friction)
- 近未来の蓄電池工場へ 〜 Model of Something
- 見る位置によって変化する作品 〜 Hard Boiled Daydream(Miyama Park)
- おわりに
- 紹介したアート作品の場所(地図)
宇野港エリアについて
徒歩圏内に点在するアート作品のほか、今回(2025年)の瀬戸芸では郊外の「日の出公園」、「Power Base」、「深山公園」にも作品が展開されています。郊外にある各作品は自家用車のほか、後述する芸術祭シャトルバスで周遊することもできます。
un05 JR宇野みなと線アートプロジェクト(JR宇野駅) / エステル・ストッカー
また、JR宇野みなと線沿線の各駅(備前田井駅、八浜駅、常山駅)でも同作家による装飾を見ることができます。
un03 終点の先へ / 小沢敦志
ちなみに自転車のカラーは、かつて宇野港と高松港をむすんでいた「宇高連絡船」の塗装色より着想を得られました。
un17 潮返 / マフマドマフ
約40年前に廃業した銭湯跡を用いたインスタレーション(空間芸術)作品で、タイル張りの浴室内にミストと音が広がり、不思議な世界観を演出しています。
un16 命の塩 / SILT
春会期にて作品のモチーフとされたのは日本神話です。
また夏会期、秋会期とそれぞれ異なる作品を発表し、ひとつの物語がつながるようになるそうです。
【番外編】しまSHIMA / 妹島和世・西沢立衛
こちらをデザインしたのは、あなぶきアリーナ香川をはじめ瀬戸芸にも深く関わっている建築家、妹島和世・西沢立衛(SANAA)の両氏。
モコモコした独特の形は、瀬戸内の島々をイメージしています。
【番外編】Heart / 玉野市立玉野商工高等学校 機械科
手がけたのは市内にある玉野商工高等学校 機械科のみなさん。
2本の鉄を曲げて交差させることでハートの形にしています。
un08 海の記憶 / 内田晴之
御影石の台座の上に乗った三日月状のオブジェは、船のようにみえますね。こちらの内部には海水が封じ込まれていて、作品自らに「海の記憶」を宿しています。
自家用車にて来場の際は、隣接する玉野市役所の駐車場に駐車してください。
【番外編】宇野港第一突堤緑地
緑地内には瀬戸芸のアート作品が点在するほか、「UNO」のモニュメントも(こちらは瀬戸芸作品ではありませんが、周辺アート作品として紹介します)。
ベンチも点在しているので、海を眺めながらの休憩にも最適です。
※2025年は5月17日(土)、18日(日)の2日間開催されます。
un04 宇野のチヌ/宇野コチヌ /淀川テクニック
ちなみに現在、チヌの消費量を増やす取り組みが官民あげて展開されていて、宇野港周辺の飲食店でもチヌを使った料理を頂くことができます。
un02 船底の記憶 / 小沢敦志
un14-4 tower(UNO)/ 金氏徹平
後述する金氏徹平氏の作品群を含め、瀬戸内国際芸術祭公式サイトの特集ページ「金氏徹平作品で巡る宇野港エリア」に詳しくまとめられているので、鑑賞の際の参考にしてみてください。
un15 The Home/プ・ジヒョン
すこし足をのばして郊外へ
芸術祭期間中、郊外の各アートスポットを巡る無料の周遊バスが運行されています(時刻表はこちら)。
予約不要、夏会期以降も運行予定ですので、気軽に使ってみてくださいね。
un14-1 S.F. (Seaside Friction) / 金氏徹平
リュウゼツランは約50年に一度開花するといわれており、花が咲くのはとても珍しいです。同じ場所で2年連続で花が咲くとは、まるで瀬戸芸の開催を祝福しているようにも感じました。
un14-2 Model of Something / 金氏徹平
工場建屋の前に設置された作品は、金氏徹平氏によるもので2025年5月から新たに公開が始まりました。
写真手前:デンキビダンゴ(660円)、 両隣:デンキビネード(880円)
こちらの工場(Power Base)のほかにも、玉野市内の船舶部品や塩を作っている工場などでも作品が展開される予定です。
詳しくは瀬戸内産業芸術祭の公式サイトをご確認ください。
un14-3 Hard Boiled Daydream(Miyama Park) / 金氏徹平
こちらは三方それぞれに全く異なるデザインとなっていて、見る位置によって異なる印象を与えてくれます。
自家用車の駐車場も完備されているのはもちろん、シャトルバスで来られても、豊富な施設で待ち時間を持て余さずに楽しめるかと思います。
おわりに
なお、宇野港エリアの有料作品は瀬戸芸期間中は19時まで開館していて、島からの帰りにも気軽に立ち寄れます。素通りするにはもったいない作品の数々、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
撮影協力/モデル:YURI