愛刀家・ふなっしーのコレクションが岡山「備前長船刀剣博物館」に!前後期あわせて63振りを展示

YouTubeやバラエティー番組で活躍する千葉県船橋市の非公認キャラクター・ふなっしー殿は愛刀家としても知られておる。今回、岡山県瀬戸内市にある「備前長船刀剣博物館」とのコラボで、ふなっしー殿が所蔵する刀剣の中から厳選した63振りが前期・後期に分けて展示されておるのじゃ。この展示、入場料の10%が能登半島地震の被災者支援に寄付されることになっており、まさにタイトル通り「刀剣は人を救う」特別展。初日に太刀、大包平(おおかねひら)・蜻蛉切(とんぼきり)にとても縁のある岡山戦国武将隊の池田勝子(勝姫)と、戸川秀安が訪ねた様子をお伝えいたしまする。
掲載日:2025年08月04日
  • ライター:岡山戦国武将隊
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なぜ、ふなっしー殿の刀剣展が岡山で?

きっかけは3年前の2022年。ふなっしー殿が動画の撮影のため岡山県を訪れた時のことじゃ。刀好きにとっては「備前長船刀剣博物館」は外せぬ場所ゆえ来訪された時、「備前おさふね刀剣の里」の鍛冶場で作刀していた安藤宏康刀匠との出会いから始まったのじゃ。
(写真は特別展オープニングセレモニーの様子)
その後、2023年にふなっしー殿が安藤刀匠(写真)に注文打ちを依頼し、「備前おさふね刀剣の里」の鍛冶場・長船の地で作られた刀を展示発表してみないかという話になって、今回の特別展の運びとなった訳なんじゃ。

刀剣は人を救うとは?

今回入場料の10%が能登半島地震の被災者支援に寄付されるのじゃ。刀は戦の武器であり、人を傷つけるものというイメージが強い。しかし、現代では美術品として多くの人たちを魅了しておる。その刀達を見に来てもらうことで、困っているところへ寄付できるのではないかというふなっしー殿の強い想いが実現し、特別展の題名にもなっておるんじゃ。

貴重!個人蔵のコレクションが一堂に展示

今回の特別展は、ふなっしー殿が所蔵する刀のみが展示されておる。一個人が所有する刀が一堂に展示され、見ることができるということは滅多になく、とても珍しい展示会となっておるのじゃ。実は刀は誰でも購入して所有できるものなのじゃが、これを知らぬ方も多くいらっしゃる。現在流通している、誰でも買うことのできる刀が展示されておるということなのじゃ。現在の刀匠の方々が作刀された現代刀も数振りあり、これら現代刀も素晴らしいものなんじゃ。

主な展示刀①粟田口国吉

粟田口国吉(あわたぐち くによし)は、鎌倉時代中期に活躍した京都の粟田口派の刀工。特別重要刀剣。特別重要刀剣とは、国宝や重要文化財に次ぐ価値を持つとされ、美術品としての価値だけでなく、歴史的・資料的価値も高いものをいうのじゃ。

主な展示刀②脇指 宗光、勝光合作

宗光、勝光は室町末期の長船鍛冶。この一振りは坂本竜馬の愛刀、勝光宗光(個人蔵)と兄弟刀と思われ、拵えもみごとなものである。特別保存刀剣。

主な展示刀③脇指 村正

村正(むらまさ)という刀工の名は、日本刀に詳しくない人でも一度は名をきいたことがあるであろう。村正はふなっしー殿の刀剣の原点で、オークションで購入した(しかし鑑定の結果、この時購入したものは村正ではなく岩捲であった。刀の購入ひとつにも愛刀家としての憧れ、葛藤などドラマがあったのじゃな)のがきっかけということじゃ。展示されている千子村正(せんごむらまさ)は、特別保存刀剣の初代村正のもので、今回の特別展のために新たに購入されたものということじゃ。来てくれる皆さんにちゃんとした刀を見てもらいたいという、ふなっしー殿のサービス精神の表れじゃ。

主な展示刀④太刀 長船橋

長船橋(おさふねばし)は、今回の特別展のきっかけとなったふなっしー殿が安藤広康刀匠に注文打ちした刀。刀身彫刻が美しい、南北朝時代の長船の刀匠・兼光の福島兼光(東京国立博物館蔵)の写しである。号の「長船橋」とは、ふなっしー殿の地元・船橋と刀剣の里・長船が合体したものじゃ。まさに今回のコラボにふさわしい号となっておる。
その他にも特別保存刀剣や保存刀剣、現代刀など多くの刀が並んでおる。そして、その一振り一振りにふなっしー殿の言葉で解かりやすい解説文が添えられておったのにはびっくりしたのと同時に、ふなっしー殿のこの展示に対する想いが伝わってきたのじゃ。

ふなっしー殿に独占インタビュー

勝姫がふなっしー殿にお話を聞いてみました。

勝姫:「岡山の刀についてどのような想いがあるのかをお聞かせください」
ふなっしー殿:「備前長船は日本を代表する刀の産地で、現存する名刀といわれる約半数がここ長船で作られたものといわれており、やはり美しいんですね。映りの洗練さというか独特の優雅さというか、とても素晴らしい刀が多いと思っているなっしー♪ 好きな刀は『大包平』なっしー♪」
(これを聞いた池田家の勝姫様は感激!)

勝姫:「岡山に来られた感想をお聞かせ下さい」
ふなっしー殿:「岡山には何度かおじゃまさせていただきましたが、やはり晴れた日が多く、温暖な気候からか人も朗らかで明るい方が多いと感じてるなっしー♪ あと、果物のなかで一番好きなのは桃です。(梨だと思いきや、一同ビックリ)冷えた桃を皮をむいて、そのまま丸かぶりするのが一番美味しいなっしー♪」
勝姫:「最後に特別展に来てくださる皆様にひと言お願いいたします」
ふなっしー殿:「今回はふなっしーの刀剣展という刀がメインではございますが、周辺地域にはたくさんの良き観光スポットもあります。美味しい魚や果物など地元グルメも含めて楽しんでくださいなっしー♪」

勝姫:「今回の特別展は前期、後期合わせて4ヶ月間という長丁場になります。ふなっしー殿は後期にも来館されるとのこと。またバスツアーも予定されておるとお聞きしています。1人でも多くの方が備前長船刀剣博物館においでくださることを私たちも祈っております。今日はありがとうございました」
ふなっしー殿:「皆様、お待ちしているなっしー♪」

全国から来館されていた梨友さん

ふなっしーファンの方々は「梨友さん」と呼ばれておるんじゃが、特別展初日にも多くの梨友さんが全国より来館されておった。名古屋、大阪、広島からお越しの梨友さんにお話を聞いてみた。
お三方共ふなっしー殿が元気の源という筋金入りの梨友さんで、ふなっしー殿の影響で刀を知るきっかけになり、御一方は以前にも国宝「太刀無銘一文字(山鳥毛)」も長船に見に来られ、今回で3回目ということ。御一方は今回が初めてということじゃ。このような梨友さんが大勢おられるという。

コラボグッズのポップアップショップも常設

前期・後期の期間中、「ふなっしーLAND in 備前長船店」というポップアップショップが常設されておる。ふなっしー殿のオリジナルグッズや地元長船とのコラボ商品もたくさん並んでおった。順次、新グッズも追加されるということで、楽しみじゃ!初日は多くの梨友さんで大賑わいで、長船とのコラボ限定グッズも山のように購入されておった。

特別展概要

今回の特別展は前期に40振り、後期に20振りを入れ替えて合計60振りが展示される。また、安藤刀匠に注文打ちされた1振りも加わる。さらに同じく注文打ちされ、ふなっしー殿も製作に参加した2振りの短刀も後期に展示される。

「刀剣は人を救う~ふなっしーの刀剣展~」
【前期】2025年7月26日(土)~9月23日(火・祝)
【後期】2025年10月1日(水)~11月24日(月・祝)

おしまいに

今回の特別展、刀好きにとってはとても興味深いものであった。ふなっしーファンの方々にとっても刀とふなっしーの限定グッスは欲しくなってしまうのう。そして何よりも刀を見て楽しめば、能登復興のために寄付もできる。これが何よりも心地よいものであった。この刀剣展が刀をもっと身近に感じていただけるきっかけになればと願うておる。
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