公共交通で行く「吹屋ふるさと村」。ジャパンレッドのまちに新店舗も続々!(高梁市)

JR備中高梁駅からバスで約1時間、標高550mの高原地帯に位置する「吹屋ふるさと村」。1977年に重要伝統的建造物保存地区に指定された町並みは、統一感のある朱色に塗られた格子窓と、茶色の瓦が何とも言えぬ風情を感じさせてくれます。
今回は、JR備中高梁駅から「吹屋ふるさと村」までの公共交通機関(バス)でのアクセス方法と、近年続々と増えている新店舗を中心に、現地でのおすすめ立ち寄りスポットを紹介します。
掲載日:2025年08月27日
  • ライター:toru.
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JR備中高梁駅からバスで吹屋へアクセスするには

「吹屋ふるさと村」へは、JR備中高梁駅の1階にある「高梁バスセンター」より「吹屋行き」のバスに乗車します。片道運賃は大人800円、小学生は400円(大人の半額)です。
吹屋行きのバスの本数は大変少ないため、観光にて訪問される場合は滞在時間を確保することができる以下の便がおすすめです。

<往路>
10時55分 高梁バスセンター発→11時53分 吹屋着

<復路>
15時42分 吹屋発→16時40分 高梁バスセンター着
駅舎の2階には2017年にオープンして以来、高梁市の新たなランドマークとしても人気の「高梁市図書館」。こちらの正面入口を入って左手に「高梁市観光案内所」があります。
こちらでは吹屋をはじめ、「備中松山城」など高梁市内の観光情報を入手することができますので、バスの待ち時間での立ち寄りもおすすめです。
Photo:NACASA&PARTNERS
バスに揺られること約1時間で吹屋に到着。バス停は「吹屋ふるさと村」の中心部(吹屋ふるさと村郷土館前)にあり、降り立つとすぐに散策をはじめることができます。

ジャパンレッド・吹屋ふるさと村の紹介

「吹屋ふるさと村」は「ジャパンレッド」発祥の地として日本遺産の認定を受けています。

吹屋で生産された赤色顔料の弁柄は全国に流通し、社寺などの建築や九谷(くたに)焼・伊万里(いまり)焼や輪島(わじま)塗等、日本を代表する工芸品を鮮やかに彩り、日本のイメージカラーである「ジャパンレッド」を創出した。富を得た商人たちは赤い瓦と弁柄で彩色された格子(こうし)で家々を飾り、今も残る町並みは、独特の景観を醸し出し、訪れる多くの人々を魅了している。また周辺には、弁柄工場跡や銅山跡等も残り、「ジャパンレッド」を創出した往時の繁栄をしのばせている。
(日本遺産ポータルサイトより)
山中に忽然(こつぜん)と現れる朱色の町並みは、当地で採掘されたベンガラで着色された格子窓と、街道を伝って石見地方(島根県)から運ばれてきた茶色の「石州瓦」が統一感を持たせています。

グリーンスローモビリティ(グリスロ)の紹介

土・日曜日、祝日限定ではありますが、エリア内の移動手段として、電動カートを用いた「グリーンスローモビリティ(グリスロ)」が日中随時運行されていて、自由に乗降することができます(乗降無料)。
徒歩や自動車とは違った視点で町並みを楽しむことができるので、おすすめです。

旧吹屋小学校

2012年まで現役の小学校として使用されていたレトロな木造校舎が特徴的な「旧吹屋小学校」。
吹屋観光のランドマークともいえるこちらは、長年にわたる保存修理を終え2022年より資料館として館内が公開されています。
写真は2023年に開催されたイベント「mt project 吹屋」のようす。倉敷市に本拠を構えるマスキングテープの老舗「カモ井加工紙」によって、旧小学校がマスキングテープで彩られました。

【旧吹屋小学校】
所在地:岡山県高梁市成羽町吹屋1290-1
TEL:0866-21-0461(高梁市観光協会)
営業時間:10:00~16:00
入場料:大人500円、小中学生250円
駐車場:吹屋ふるさと村 下町駐車場を利用

店先に立ちこめる香ばしい香りに誘われて「スープカレーの店つくし」

「吹屋ふるさと村」のちょうど中心部付近にある、人気のスープカレーのお店。吹屋出身の店主ご夫妻と、息子さんご夫妻によって切り盛りされています。ちなみに店主は長年小学校の先生をされていて、定年退職後の2017年にこちらのお店を始められたそうです。
古民家を改装した店内は、どこか懐かしい雰囲気。黒板いっぱいに描かれたメニューも雰囲気があります。
筆者は「骨付きチキンスープカレー」(1,200円)をオーダー。しっかり煮込まれた鶏肉の旨みがたっぷりのスープカレーです。
ちなみに、子ども向けに辛さのない「お子さまスープカレー」(700円)もあります。小上がりの座敷もあるので、家族連れにもおすすめです。

【スープカレーの店つくし】
所在地:岡山県高梁市成羽町吹屋721
TEL:080-2940-9540
営業時間:11:00~売切れ次第終了
定休日:水曜日
予約:土・日曜日、祝日以外予約可(TELのみ)
駐車場:吹屋ふるさと村 下町駐車場を利用

不定期に営業しているコーヒースタンド「サカナカコーヒー」

黄金荘の軒先にて、不定期で営業しているコーヒースタンド。各地のマルシェなどにも出店されているそうです。
暑い日でしたので、練乳のたっぷり入ったアイスのベトナムコーヒー(450円)を注文。お土産にも最適なドリップバッグも販売しています。
営業時はお店の奥の休憩所が利用可能です。美味しいコーヒーとフードで一息入れてはいかがでしょうか。

【サカナカコーヒー】
所在地:岡山県高梁市成羽町吹屋294
定休日:不定休
駐車場:吹屋ふるさと村 下町駐車場を利用

吹屋の新たな名物が続々「佐藤紅商店」

今では岡山県内各地で販売されている「吹屋の紅だるま」をはじめ、吹屋で栽培される唐辛子やゆずを使用した各種商品を製造・販売する「佐藤紅商店」。
こちらの直営店では、すべての商品を買うことが出来ます。
こちらの人気商品「赤ゆずこしょう」は、吹屋の直営店にて限定販売の商品です。
店主の佐藤さんは、商品作りへの思いを以下のように語っていました。
「最近はゆずを使ったマーマレード(ゆずニャーニャレード)やサイダー(山サイダー、海サイダー)など、多様な商品を開発してきましたが、こちらの赤ゆずこしょうには唐辛子への原点回帰の思いも込めています」

【佐藤紅商店】
所在地:岡山県高梁市成羽町吹屋851
TEL:080-1487-6077
営業時間:9:30~16:30(火・水・金曜日) 10:00〜17:00(土・日曜日・祝日)
定休日:月・木曜日
駐車場:吹屋ふるさと村 下町駐車場を利用

選書に店主のセンスが光る書店「袖珍舎(しゅうちんしゃ)」

吹屋バス停近くに2025年、新たな本屋さんがオープンしました。
埼玉県から吹屋の地に移住してこられた店主の川鍋さんがセレクトする書籍の数々が、古民家をリノベーションされた素敵な空間に配置されています。
店内はすべての本が気軽に手にとれるほどよい広さで、思いがけない本との出会いがあるのはリアルの書店ならではですね。
小川洋子さんや重松清さんなど、岡山県ゆかりの作家さんなどの本を集めたコーナーもあります。旅の思い出にいかがでしょう。吹屋バス停からも近いので、バスの待ち時間に立ち寄るのもおすすめです。

【袖珍舎】
所在地:岡山県高梁市成羽町吹屋370-2
営業時間:12:00~16:00
定休日:不定休(営業日は公式Instagramを確認)
駐車場:吹屋ふるさと村 下町駐車場を利用

い草かごと正月飾りの職人さんが手がける「艸(くさ)」

2025年に新しくオープンした、い草のかごと、わら細工と道具屋さん。
倉敷市にてい草のかごを製造している須浪亨商店の職人の方が、工房兼店舗として営業してます。
店内には須浪亨商店の商品のほかにも、ジャパンレッドから想起された赤色の古道具たちも。年末にかけてはおしゃれな正月飾りも多数並べられるとのことです。

【艸】
所在地:岡山県高梁市成羽町吹屋169
営業時間:11:00~16:00
定休日:不定休(営業日は公式Instagramを確認)
駐車場:吹屋ふるさと村 下町駐車場を利用

おわりに

いかがだったでしょうか。吹屋地区も近年、紹介した以外にも新たなお店が増えています。公共交通機関(バス)で訪れると4時間弱の滞在時間がありますが、紹介したスポットなどを巡っていくと、あっという間に時間が経っているのではないかと思います。
また、吹屋では不定期開催ではありますが、高所作業車に乗って吹屋ふるさと村を空から眺めることのできるイベント「空から吹屋」など、新たな楽しみを創出するイベントも開催されています。
美しい日本の原風景が残る、ジャパンレッドのまち吹屋にて、しばしの間喧騒から離れてみてはいかがでしょうか。

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