日本の原風景にふれる。八塔寺ふるさと村と観光スポット

かって山岳仏教のメッカとして栄えた備前の高峰、八塔寺山のふもと。今では日本の原風景を体験できる施設がオープンし、歴史と自然がうまく調和した「八塔寺ふるさと村」となっています。癒やしが欲しい人、春休みのレジャースポットを探している人にオススメ!
掲載日:2018年03月16日
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茅葺屋根の家と、田園が織りなす日本の原風景

吉永駅から北へ約20km。つづらおりの坂道を車でぐんぐん登り、山頂付近にまで差し掛かると、突然視界が開けて茅葺屋根の家々が立ち並ぶ景色が広がります。ここが、「八塔寺ふるさと村」です。標高は400m。弓削道鏡と呼ばれるお坊さんが開いたといわれ、一時期は72もの寺院や僧坊があったと伝えられている聖地なのです。

①民俗資料館

苔むした茅葺屋根が歴史を感じさせる「民俗資料館」。この地方の典型的な農家のつくりをしていて、実際に使われてきた農具や家具、使い込まれたかまどから、昔の営みが偲ばれます。
今や大変貴重となったかまど、そして奥には囲炉裏が見えます。田舎の山村で、人々がどんな生活をしてきたのかイメージできますね。イメージだけでなく、実際に住んでみたい…という人は、次の施設へ!

②八塔寺国際交流ヴィラ

ひときわ美しい茅葺きをもつこの建物は、茅葺屋根の農家を移築・改造した別荘「国際交流ヴィラ」。五右衛門風呂や囲炉裏が設備されていて、実際に田舎暮らしを体験できます。
国際交流の名の通り、特別な体験を求める外国からの観光客の利用も多いんだとか。もちろん、日本人の利用もOK。
江戸時代の面影を残す築130年以上の古民家は滞在の価値アリです。
その昔、古代の製鉄技術者集団が活躍したこの地は「八頭霊(はっとうち)」と呼ばれており、それが転じて「八塔寺(はっとうじ)」の名で呼ばれるように。そして728年、聖武天皇の勅願により、鑑真和上or弓削道鏡によって開基された、というワケ。
この「八塔寺」は1832年、十一面観世音菩薩の霊像を祀る、天台宗「照鏡山八塔寺」として改号した寺院だそう。
境内にある立派な鐘。これは、岡山藩三代目藩主である池田光政公から寄進されたもの。幾多の戦火に焼かれて衰退した仏教都市を江戸時代に入って再復興したのが光政公だったそうです。

⑤恵日山 高顕寺

こちらは、八塔寺と同じく1832年に改号された真言宗の「高顕寺」。古くから多くの高野聖が集い、「西の荒野」とまで呼ばれたこの地にふさわしく、境内には高野山のゆるキャラ「こうやくん」のパネルもあります。

⑥八塔寺ふるさと館

そば職人のご主人が提供する手打ちそばと、そば打ち体験ができる食事処。日曜日には併設の産直市場がオープンし、新鮮な野菜を手に入れることができます。また、コテージが併設されているので、あたたかい時期は食材を持ち込んでバーベキューなんてのもいいですね。

⑦【オマケ】田倉牛神社

八塔寺ふるさと村からはかなり離れてしまいますが、吉永エリアで私がめちゃくちゃオススメしたいのが、この神社!牛をご神体としてお祀りしている世にも珍しい「田倉牛神社」さんです。
祈願する際、備前焼製の子牛ちゃん(参道脇で売られています)をお供えし、すでに供えられている牛を1体持帰り、大願成就のあかつきにはさらに一体を供えてお返ししお礼をする…というサイクルで今や20万体ものお牛さまが集まっているとか。圧巻です。
所在地:岡山県備前市吉永町福満989-2

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