香り高いマスカットワイン!倉敷市にある「ふなおワイナリー」を工場見学

マスカット・オブ・アレキサンドリア、ピオーネ、オーロラブラック等の栽培面積が全国1位の岡山県(2020年)。今回は、岡山県産の高級ぶどうで造られたワインに注目していきたいと思います。2004年にオープンした倉敷市の「ふなおワイナリー」にお邪魔しました。ワインだけでなく、子どもも食べられるアイスクリームやスムージーなどもあり、家族で楽しめます。ソムリエ資格を持っている筆者が、岡山ワインの魅力をご紹介します。
掲載日:2023年12月19日
  • ライター:髙田美津子
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ふなおワイナリーとは

ふなおワイナリーは、年間約15,200L、約20,200本のワインを生産しています(2022年4月~2023年3月)。岡山市から車で約45分、倉敷美観地区からも約20分という距離にあります。ワイナリーがある船穂町はマスカットの産地で、ワイナリーに向か道中もぶどう畑を見ることができます。

ふなおワイナリーの特徴は、「マスカット・オブ・アレキサンドリア」という品種を使って、ワイン造りをしていることです。ワイナリーの目の前には、マスカット農園があり、ワインになるぶどうを丁寧に育てられています。また、高梁川流域で自生が確認されたシラガブドウ(絶滅危惧種)を交配した新しいぶどう品種も育てています。

マスカット・オブ・アレキサンドリアとは

「果物の女王」と呼ばれているマスカット・オブ・アレキサンドリア(通称アレキ)は、2,000年以上前の古代エジプトが原産地で、あのクレオパトラも愛したと言われています。岡山県では1886年に栽培がスタートし、今年で137年の実績があります。現在は95%を岡山県で生産し、風味豊かで芳醇な香りが特徴。岡山県民からも不動の人気です。ふなおワイナリーでは、糖度18度以上のアレキを使用しています。

ワイナリーを見学しよう

販売コーナーと併設されている建物では、ガラス越しに醸造施設を見学することができます。今年稼動した日は、ぶどうの収穫に合わせた14回(8月~10月)だったそうです。限られた回数なので、見ることができた方はすごくラッキーです。こちらのブースは出入り自由です。
左側の機械は除梗破砕機で、ぶどうの実と果梗(房の軸)を分離します。その際、果皮が破れる程度に軽くつぶれるので、その時に自然に流れ出す果汁を使って造られるのがフリーランというワインになります。雑みがなく、フルーティーで繊細な味わいを感じられます。
正面にある機械は搾汁機です。メンブランと呼ばれる風船のようなものを低圧で膨らませて、果汁を優しく搾っていきます。
こちらは、醸造室です。ワインを発酵中のステンレス製のタンクや、熟成させている樽も見ることができました。ワイナリーの奥には、この約2倍のタンクがあるそうです。

ワインの試飲や購入もできる

販売コーナーでは、ワイナリーで造られたワインの購入や試飲ができます。ワインとブランデーのほか、コルクで作られたオリジナルデザインのキーホルダーやコースターもお土産におすすめです。

2023年の新酒

2023年11月3日に「新酒まつり」が初めて開催されました。右のワインは、今年収穫されたマスカット・ベーリーAで造られた新酒のロゼです。左は2022年のもの。見比べてみると、同じ品種で同じ作り方をしていても、2023年の新酒のほうが鮮やかな色をしています。
こちらも岡山県で今年収穫されたピオーネを使用した新酒のロゼワインです。赤ワインの新酒は、まもなく販売を開始されるそうです。楽しみですね。

2023年8月新発売の特醸辛口

マスカット・オブ・アレキサンドリアを100%使用して造られた特醸辛口のワインです。こちらのワインで使用されるぶどうは、特に良い出来のものを選んでいるので、1,140本の限定販売です。芳醇な香りがふわっと広がりながらも、すっきりとしたキレのある味わいです。瀬戸内海に面する倉敷市は海産物も有名ですので、ぜひ地の物とのマリアージュを楽しんでみては。

やや辛口ワイン

こちらは2023年4月に開催されたG7倉敷労働雇用大臣会合で提供されたワインです。私もお土産に購入。華やかな香りと、上品な余韻が印象的なワインでした。750mlのボトルはすでに完売するほど、人気の商品です。

世界初!?のブランデー「クレシア」

マスカット・オブ・アレキサンドリア100%原酒のブランデーです。日本でも、世界でもここでしか作られていないそうです。すごく貴重なブランデーですね。冷凍庫でしっかり冷やすと、マスカットのフレッシュ感がより感じられるのでおすすめの飲み方です。写真のボトル(235ml)は、直営ショップ以外では販売されていないので、訪れた方は要チェックです。

ぶどうジュース

ジュースも3種類販売されていました。ワイナリーで販売されているぶどうのジュースはすごく魅力的です。
ワインのテイスティングも無料で楽しめます。私も特醸辛口とフリーランをいただきました。ワイナリーで飲むワインは格別です。
ワイン好きの夫(ドライバー)のために、家で飲む用にマスカット・オブ・アレキサンドリアやや辛口(375ml/1,980円税込)と、ぶどうジュース(190g/700円税込)を購入しました。「岡山の白桃を使った前菜と合いそうなテイスト」と美味しそうに味わっていました。

まるごと!マスカットソフト

こちらのマスカットソフト(500円/税込)は、ふなおワイナリーで収穫されたマスカット・オブ・アレキサンドリアで作られたジャムがふんだんにトッピングされていました。ごろっと果実の存在感があり、バニラアイスとの相性抜群。ここでしか購入できませんので、ぜひお試しください。

飲食スペースもあります

建物の前には、テーブルとベンチもあります。豊かな自然に囲まれているので、気持ちがいいです。ワイナリーは子どもと一緒に訪れることができ、マスカット農園の奥にもベンチがあるので、お散歩もできますよ。
社長おすすめの季節は春。桜がきれいに咲くそうです。自然に囲まれた空気のきれいな場所ですので、桜の季節にふなおワイナリーのことを思い出してみてください。
(アイスが狙われています)

倉敷美観地区には直営ショップも

倉敷市美観地区にあるアイビースクエア内に、ふなおワイナリーの直営ショップがあります。交通の手段がない方は、こちらでもワインを購入することができます。
(ふなおワイナリーより写真提供)

【直営ショップ(倉敷アイビースクエア内)】
所在地:倉敷市本町7-2
営業時間:9:00~16:00(12月~3月は10:00~16:00)
定休日:水曜日

【オンラインショップ】
今回ご紹介したワインやブランデー(150ml)、ぶどうジュースなどは、オンラインショップでも購入できます。化粧箱入りなど贈与品にも対応しています。

まとめ

今回は、マスカット・オブ・アレキサンドリアを100%使用した岡山ならではのワインをご紹介しました。岡山県ではほかの品種もたくさん栽培されています。主にフルーツとして生食でいただくことが多いぶどうですが、これらをワインにしていこうというワイナリーが、現在県内に10軒あります。また、ワイナリーを持たない県内ぶどう農家の方が、自分で育てたぶどうでワインが造れるように、ふなおワイナリーでは支援活動もしています。

より丁寧に、手間をかけて育てられる岡山のぶどうがワインになれば、今後の岡山県産ワインのポテンシャルは計り知れません。岡山、倉敷にお越しの際は、ふなおワイナリーまで足を運んでみてはいかがでしょうか。

【ふなおワイナリー】
所在地:倉敷市船穂町水江611-2
開催時間:9:00~17:00
定休日:毎週水曜日、年末年始(12月29日~1月3日)
電話番号:086-552-9789
駐車場:あり
ベビーカー:OK
おむつ替えスペース:あり(店舗奥、多目的トイレ)
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