赤磐市にも天空の城!?桜の名所、吉井城山公園は見ごたえ抜群の名城

町のあちこちに山城跡が多数残る赤磐市。中でも市の史跡になっている吉井城山公園は、山頂に城型の展望台や高瀬舟舟宿を移築し、大型竪穴遺構を推定復元して人びとに親しまれる公園になっています。その姿は赤磐市の天空の城…!抜群のお花見スポットでもあるので、4月の城山公園まつりはぜひ行ってみて。
掲載日:2019年04月03日
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山の上は城だらけ。岡山は山城の宝庫

お城といえば、積み上げられた高い石垣に、瓦葺きの立派な天守閣がある観光名所…だけではありません。
岡山県には山の地形を利用し、天然の要塞を築き上げた「山城(やまじろ)」が多数存在しました。天空の城とも呼ばれる、備中松山城が有名ですね。
その山城。赤磐市にも写真のようにこんなにたくさん跡が残っており、特に今回取り上げる「吉井城山公園」のある「茶臼山城跡」は、発掘調査から非常に珍しい造りだったことが判明。
公園として整備されたことで生まれた魅力の数々をご覧ください!

こんなん登れません…。「空堀」!

山城。それは山を削り、土を盛り上げ、固め、土塁や曲輪を作り上げた戦乱の世を生き抜くための術…。
ただでさえ急な山の斜面の下、さらに掘を作るなどして容易には攻め込めない造りになっています。茶臼山城跡もそう。
写真のように水のない空堀が100m以上にわたり続いており、鎖を伝いながら実際に歩いてみることができます。
が、階段などがあるわけがなく、本当に急でデコボコとして今にも滑り落ちそうな斜面が続いていますので、足腰に自信のある人だけがチャレンジしてみてください。

城っぽさMAXの門に戦国気分も高まるっ

吉井城山公園の良いところは、頂上すぐのところまで車で行けるところ。山城の中でもかなり気軽に訪問できるんです。
先程の空堀や畝状連続竪堀を右手に眺めつつ、サクッと城型展望台のある頂上へ。
木でできた門、のぼり旗がカッコいい!

音声アナウンスと五木ひろしの歌声に聞き入る

門をくぐると、すぐ右側に立っているのが看板と音声ガイド。
城山公園について丁寧に説明してくれるアナウンスと、五木ひろしさんが歌う吉井詩情の歌声を聞くことができます。
どちらもクリアな音質で、単独山城攻めを決行した歴史ファンの心を癒やしてくれますので、ぜひご視聴を。

各種資料も揃い踏み。城型展望台

約500年前、笹部勘斎が築城・入城したと考えられている茶臼山城。
浦上宗景の家臣だった勘斎は、1533年に居城し、1579年に岡山城の城主である宇喜多直家によって滅ぼされるまで46年間城を守り続けたとみられています。
1985年の発掘調査の結果、土器や鉄製品など多くの生活用品や武具が出土。新たに建てられた城型展望台の1階ではそれらの遺物を展示しています。

オール手書きの達筆年表におどろき

展望台に入ると壁にかけられている茶臼山城の年表や池田家との関わりについての家系図。どれも筆で直接書かれたもののようで驚かされます。しかも達筆…!
この城がいかに地域の人たちから愛され、研究され、そして現在のように整えられたのかが伝わります。

吉井川と吉野川の合流地点が眼下に

さすが、吉井川を天然の掘りに仕立てた茶臼山城。頂上からは吉井川と吉野川、ふたつの水流を一度に眺めることができます。
車で移動する時はともに走るばかりでしたが、こうやって高い場所から望む岡山三大河川は実に穏やかで雄大です。

風情ある休憩所、実は…

城型展望台を建築する際、一緒に移築されたのがこの建物。実際に吉井川流域で使われていた高瀬舟の舟宿を移築したものなんだとか。茅葺きの屋根が風情を感じさせます。
中は休憩所となっているので、当時に思いを馳せながら一休みを。

戦国時代の城郭に珍しいあの遺跡が

発掘調査で見つかったのは多数の出土品だけでなく、こちらの大型竪穴遺構。人が住むのに充分な大きさであるため、物品の貯蔵を兼ねた住居だったと見られています。
戦国時代の城郭にこのような遺構が発見されるのは珍しく、貴重な資料として見学が可能です。

毎年、春には桜のイベントも

毎年、桜の季節には「吉井城山公園さくらまつり」が開催されている城山公園。
また2019年から装いも新たに「城山つつじさくらまつり」として開催されることが決定。
2019年3月30日(土)~4月14日(日)の10:00~17:00。まつり期間中の土・日曜は21:00までライトアップされます。
また、4月14日(日)はさくらまつりとして盛大に開催されますのでお見逃しなく。
 

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