ベンガラ色の町並み「吹屋ふるさと村」

標高550mの山あいに、格子や堀などすべてがベンガラ色で統一された町家が軒を連ねる「ふるさと吹屋村」。江戸時代から明治にかけて鉱山の地として栄えた吹屋で古き時代へタイムスリップしてみませんか。

国の重要文化財「旧片山家住宅」

1759年の創業以来200年余にわたって吹屋弁柄の製造に携わった旧片山家住宅。その家屋は弁柄屋としての店構えを残す主屋とともに、弁柄製造にかかわる付属屋が立ち並ぶ「近世弁柄商家の典型」として、国の重要文化財にも指定されています。腰高格子になまこ壁で仕上げた外観、銘木をふんだんに用いた座敷、弁柄蔵など多くの見どころがあります。

吹屋の代表的な家屋が見られる「郷土館」

ベンガラ窯元・片山浅次郎家の総支配人片山嘉吉(当時吹屋戸長)が分家され、本家の材木倉より良材を運び、石州の宮大工、島田網吉の手により明治12年3月完成した家屋。妻入の入母屋型で、ベンガラ格子の吹屋の代表的な家屋です。

明治の頃の弁柄工場を復元「ベンガラ館」

江戸中期に全国ではじめて吹屋で生産されて以来、江戸末期、明治、大正と繁昌を続け、吹屋町並みの基礎をつくった​弁柄。「ベンガラ館」は、明治の頃の弁柄工場を当時の姿に復元したもので、当時の製造工程が紹介されています。

レトロな木造校舎「旧吹屋小学校」

平成24年(2012)まで、現役最古の木造校舎として使用されていた小学校です。貴重な文化財建造物として将来に継承するために、平成27年(2015)から令和4年(2022)にかけて建物を全解体して保存修理工事が行われ、令和4年(2022)4月21日の再公開後は、吹屋の歴史や文化、観光の情報発信をする拠点施設として活用されています。
取材レポート
日本遺産の高梁市吹屋にある擬洋風建築「旧吹屋小学校」

日本遺産の高梁市吹屋にある擬洋風建築「旧吹屋小学校」

日本遺産に認定された岡山県高梁市吹屋(ふきや)の町に2022年4月、新たな施設が開校! 現役最古の木造校舎といわれた吹屋小学校は閉校後、保存修理に7年の歳月をかけ「旧吹屋小学校」として一般公開されました。

映画のロケ地にもなった「広兼邸」

江戸時代後期に小泉銅山とローハ(硫酸鉄)の製造を営み、富を築きあげた大野呂の庄屋・広兼氏の楼門づくりの邸宅。城郭にも劣らない堂々たる石垣は、200年以上の時を経た今も変わらず当時の富豪ぶりをたたえています。映画「八つ墓村」のロケ地になったことでも有名です。

冒険心をそそる神秘的な銅山の坑道「笹畝坑道」

江戸時代から大正時代まで、吉岡(吹屋)は日本三大銅山と言われるほど黄銅鉱、硫化鉄鉱が採掘されていた銅産地。1978年に復元され、坑内を見学できるようになっています。坑道はアップダウンの変化も多く、ヘルメットを装着して進むので冒険心をそそります。年中15度前後と天然のエアコンが効いており、一部はアルコール飲料の長期熟成にも使用されています。

ベンガラ絵の具を使った「ベンガラ染め体験」

吹屋案内所・下町ふらっとでは、ベンガラ型染めや泥染め体験ができます。体験時間は15分からで、当日持ち帰りも可能なので、世界に一つだけのお土産が作れます。ベンガラ顔料を呉汁(柔らかくした大豆をすり潰したもの)で溶いて染色液を作り、布に染色液を揉み込ませて乾かすと、ほんのり朱く色づきます。
あの映画も吹屋で撮影!
司馬遼太郎原作の国民的ベストセラー「燃えよ剣」

司馬遼太郎原作の国民的ベストセラー「燃えよ剣」

大河俳優集結で完全映画化されたスペクタクル・エンタテインメント超大作、映画『燃えよ剣』は、吹屋ふるさと村の雰囲気ある通りをはじめ、旧片山家住宅、郷土館、広兼邸など高梁市吹屋の各所でロケが行われました。