人と人が出会う!農家がつくる交流空間「スカウト7」の7つの魅力(高梁市)

岡山県の真ん中より少し北、高梁市有漢町(うかんちょう)に農家がオーナーの「スカウト7(セブン)」という交流空間があるのをご存知ですか?
ここは情報の発信地であり、人と人が出会い語り繋がる場所でもあり、遊び場でもあり、癒しの場所でもあります。大人の好奇心や遊び心に応えてくれる、まるで「おもちゃ箱」のような交流空間、「スカウト7」の魅力を7つの視点でご紹介します。
掲載日:2025年04月09日
  • ライター:イマオカ マコト
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魅力①人と人が自然につながる「自由空間」

「観光名所を巡る」、「知る人ぞ知る場所を訪ねる」、「地元の人と話したい」等々、旅や遊びの目的・スタイルは様々で、それは自分の思いに抗わず素直でありたいですね。
元々「スカウト7」は、「集まる場所が何もないなら作ってしまえ」と移住者であるオーナーが空き家の古民家をリノベーションした“拠点”です。一見、シェアスペースのような、イベントスペースのような場所ですが、定義のない自由な場所で、現在では「人と人が自然につながる」空間となっています。
「スカウト7」というネーミングは、「スカウト(scout)」の本意である「情報収集・ボーイスカウト」の考え方と、楽しい仲間を「スカウトする」という意味を込め、さらにオーナーの農園の名前「七草農園」の「7」の字を冠しています。

魅力②オーナーはネクタイ姿で畑に立つ「ナイスガイ」な農家

「スカウト7」のオーナー、石橋千賀良(ちから)さん。
有漢で農家という生き方を実践する石橋さんは関東の都市部で育ち、大学でバイオマスや再生可能エネルギーを学びつつ、中学生時代からの自身のテーマ「お金に頼らず生きていく方法ってないのか?」の答えとして自給自足の暮らしを実践して好調に歩んでいる最中に、ご両親の移住に合わせて岡山県に居を移しました。
石橋さんが畑に出る時のスタイルは独特で、ネクタイを締めてジャケットを羽織ります。その理由は「ネクタイは襟をしっかりと締めてくれるので、実は作業に向いている」「作物と真摯に向き合うため」とのこと。その姿は往年のあのスターを彷彿とさせるナイスガイですね(NHKの30分番組でまるまる特集されたこともあるんですよ)。

魅力③好奇心がいっぱい詰まった「おもちゃ箱」

「スカウト7」には、地元に暮らす人、移住者、旅人、農家、さらには料理人やバリスタ、演奏家、クリエイターなど、職業も年齢も様々な人たちの情報やアイデアが自然と集まり、ミーティングやワークショップなどの会場にもなるだけでなく、遊び場にもなります。何があるのか、何が出てくるのかわからない空間です。
毎年12月に行われる「その辺のものでクリスマスリースづくり&暖かく甘い時間」では、材料に決まりがない、まさにその辺にあるものでオリジナルのリースを作り、スタッフ手づくりのお菓子を楽しんでいます。
あれ?よくよく見ると、併設されている野菜出荷の作業場や農機ガレージには、トラクターと一緒にラジコンカーやエアガンもたくさん!既成概念にとらわれない、好奇心がいっぱい詰まった「おもちゃ箱」のような場所です。

魅力④昔やってみたかった「ごっこ遊び」や「庭」「畑」で気兼ねなく楽しむ

ここでは童心に帰っておとなの「ごっこ遊び」や、石橋さんの畑で行うイベントが楽しめます。
例えば、
・子どもの頃、スイカ割りなどで遊びたかった人たちの「夏休みごっこ」
・ちょっと本格派なお店屋さんがやってみたかった人の「和懐石ごっこ」
開放感抜群、星空の下で
・「屋外ディスコビアガーデン」
石橋さんの畑で行う
・湯原温泉の料理旅館とコラボした「落花生掘り上げ釜茹で遠足会」(年1回)
・作物を収穫してその場で調理する「季節の畑を食べる会」(不定期)など。
タイトルを聞いただけでもワクワクするようなイベントを行なっています。思いついたアイデアを気兼ねなくカタチにできるのも「スカウト7」の魅力です。

魅力⑤街の喧騒から離れて「ただ静かに過ごす」幸せ

「スカウト7」は、賑やかに過ごすためだけの場所ではないんです。
電車や車の音がほぼ聞こえない山間(やまあい)、庭先やウッドデッキでコーヒーを飲みながら、何もしない贅沢な時間を手に入れることができます。意味がないような時間にも意味があること、自分に抗うことなく思いのまま「ただ静かに過ごす」幸せも教えてくれます。
ふらっと現れる、まさに神出鬼没のバリスタやアコースティックの音楽家に遭遇できるかも知れませんよ。

魅力⑥七草農園の野菜も「自然に抗わない」

農家である石橋さんのこだわりは、「自然の流れに抗わないこと」。土を改良するのではなく、その土地が持つ性格に、自分の農業スタイルを“寄せていく”というアプローチです。関東と有漢では土が全然違うけど、その土と向き合うことが農業の面白さのひとつだと教えてくださいました。

作物について、たとえば「かぶ」は寒くなるにつれて甘みを増し、春の気配とともに味が落ちていく—。その移ろいすら「野菜の表現」として届けるのが七草農園流。石橋さんの思いは、あえて“旬を過ぎた”野菜の「味の変化を感じてほしい」。「効率」や「コスパ」で語れない農と食。土の香り、季節の移ろいや種のたくましさなどを“ひとつの命”として捉え、野菜を育て、料理人と対話し、食卓へとつなげていく。七草農園の野菜は、味だけでなくストーリーまでもぎゅっと詰まっています。「農業って、もっと自由でいい」という石橋さんのスタイルは、「スカウト7」のあり方と通ずるものがありますね。

魅力⑦「スカウト7」はいつでもウェルカム

整備された街並みや庭園、名物の食べ物なども魅力ですが、人との出会いや山間の原風景とその景色に沈みゆく夕陽をただ眺めるのも魅力的ではありませんか。
岡山旅の目的のひとつとして、「スカウト7」を訪ねてみてはいかがでしょう。ここは季節を問わずいつでもウェルカムの空間です。

但し石橋さんは農家のため、いつでもいるワケではありませんので、訪問の際は事前連絡をお忘れなく!
また、イベントをやりたい、イベントに参加したいなど、イベントスケジュールなどもお問い合わせください。

七草農園の野菜はどこで食べられる?

「七草農園」は、土地に寄り添って少量多品目の野菜を無農薬・無化学肥料で育成しています。自然とセッションしながら育てている野菜は、愛情たっぷりで野菜の味がしっかりとあります。
普段なかなか名前を聞かないような珍しい野菜もいろいろ作っています。
そんな石橋さんの野菜を使った食事を楽しめるお店が岡山県内にもあります。

<七草農園の野菜が食べられるお店>
倉敷市「atelier&salonはしまや」→公式Instagram
高梁市「Vent Vert(ヴァンベール)」→公式Instagram
総社市「Osteria La Luminescenza(ルミネセンツァ)」→公式Instagram
などで提供されています。
※予約が必要なお店もありますので、事前に各店の公式Instagramや電話などで確認をおすすめします。

目印は「石の風ぐるま(かざぐるま)」うかん常山公園

「スカウト7」と「七草農園」は、岡山自動車道の有漢ICから5分ほどの場所にあります。
近くには「石の風ぐるま」のオブジェがシンボルの「うかん常山公園」があり、天気の良い日は芝生広場で遊んだり、のんびり過ごしたりするのもおすすめですよ。
高速道路を利用しない場合は、こちらの公園を目印にお越しください。この風ぐるま、飾りのように見えますがなんと!風を受けて回るんですよ!

スカウト7で「何して遊ぶ?」

「スカウト7」に訪問の際は「何して遊ぶ?」の気持ちをお忘れなく。
遊び心あふれる石橋さん。農家としては斬新な、野菜が一切入らず季節を販売する「農家の季節便」にも取り組んでいます。興味のある方はお問い合わせください。

【スカウト7(七草農園)】
所在地:岡山県高梁市有漢町上有漢8830
TEL:090-0845-1541
※農作業中など電話に出られない場合もありますのでご理解をお願いいたします。
七草農園→公式Instagram

(イベント画像提供:スカウト7、七草農園)
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