岡山県北の城下町・勝山!素敵な歴史散歩道

近年、岡山県北の城下町として注目されている真庭市勝山町。昔のたたずまいを残す出雲往来筋には勝山のシンボルともなっておる暖簾をさげた建物が並んで残っておる。
今回は岡山戦国武将隊の角南友行、戸川秀安とサポーターの作州忍者鶴山隊のともちピンクが、そんな素敵な町並みを散策し、おいしい料理に舌鼓を打ち、楽しい体験をしてきた様子をご紹介してまいろう。
掲載日:2023年09月13日
  • ライター:岡山戦国武将隊
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今、注目の県北の城下町・勝山

真庭市勝山。ここは戦国時代、三浦氏によって高田城が築かれ開かれた。その後江戸時代には、偶然か、別の三浦氏によって高田城を勝山城と改め、勝山藩23,000石の城下町として美作西部の中心地として、また 旭川を行き交う高瀬舟の最上流部の港でもあり、物資の集散地として栄えておったのじゃ。
現在でも当時の町並みがよく残っており、岡山県初の町並み保存地区に指定されており、高瀬舟の船着き場や多くの寺院なども残っておる。
町並み保存地区には古民家、蔵などを活用した工房、ギャラリー、カフェなどが多くあり、今注目の県北の人気スポットになっておる。

三浦氏所縁の寺社エリア

勝山城南麓には三浦氏所縁の寺院街がある。まずはそちらに行ってみた。ここには化生寺に、有名な殺生石と伝説の伝わる玉雲宮がまつられておる。 並んで妙円寺、勝山藩主三浦氏の菩提寺、安養寺には三浦氏代々の墓所も現存しておる。 高田神社など寺社の集まったエリアで勝山歴史さんぽ道と呼ばれておる、緑多き素敵な道であった。

草木染め体験が出来る工房「ひのき草木染め染織工房」

町並み保存地区に並ぶ家々には暖簾がたくさん飾られておる。今では勝山のシンボルにもなっておるその暖簾を染めているのが草木染め。この草木染めを体験できる工房があるんじゃ。
町並み保存地区の中程に勝山の暖簾のルーツともいえる「ひのき草木染め染織工房」がある。東京の美大で染色を学んだ加納容子さんがご実家の古い酒屋の建物で工房とギャラリーを営んでおられる。ここで本格的な草木染を体験できるのじゃ。
角南殿とともちピンクちゃんがその草木染めに挑戦してみた。思ったよりも簡単に、そして染めた本人もビックリするほどの出来あがりじゃった。
では、体験の様子を見てみよう。
体験はハンカチと手ぬぐい2種類がある。我々は 手ぬぐいを染める体験をした。 
まずは デザインを自分で 決めていくのじゃが、曲線や円、直線lラインなど考えながらビー玉や輪ゴムなどを使いたこ糸で縛っていく。
工房のスタッフの方が親切丁寧に教えてくれるので初めての方でも大丈夫じゃ。
絞り終えると次に染料につけ込んでいく。
つけ込む時の抑える強さや時間で色合いが決まってくるそうじゃ。ここも大事なところ故ちゃんと教えてくれるので大丈夫じゃ。
染め終えると先ほど縛った糸を切ってほどいていく。そしていよいよ 手ぬぐいを広げると見事自分のデザインした草木染の手ぬぐいの完成じゃ。 アイロンをかけ乾燥させると染料が定着するそうじゃ。 
時間も30分程。難しいと思ったがとても簡単な作業だった。そして何よりも出来栄えは思ったよりも素晴らしく美しい物が出来上がったので驚いた。
この時染めた手ぬぐいは お2人とも今でも大切に使っているらしい。
とても楽しい草木染め体験じゃった。

【ひのき草木染織工房&ギャラリー】
所在地:真庭市勝山193
営業時間:10:00〜17:00
定休日:水曜日

全ての酒を雄町米で醸す日本唯一の蔵元「御前酒蔵元 辻本店」

創業、文化元年1804創業、約200年以上の御前酒蔵元「辻本店」。
美作勝山藩御用達の献上酒として御膳酒の銘を受け、現在御前酒蔵元として岡山県初の女性杜氏・辻麻衣子さんが酒造りを行っておるんじゃ。
麻衣子さんにお話しをお聞きすると、父の時から岡山の有名な酒造り専用の雄町米を使った酒造りを目指し、現在ではすべての酒を雄町米で醸す日本唯一の蔵元になったという。岡山の蔵なので、大吟醸からのパック酒まで全ての酒に、岡山の有名な酒造り専用の雄町米を使って酒造りすることにこだわっておられるそうじゃ。
酒造りの苦労は?とお聞きすると、毎年とれるお米は同じ雄町米でも気候などによって違うので、毎年試行錯誤しながら苦労して作ってますが、そこが楽しみでもあります。というお返事でした。
日本酒好きの方々はぜひ訪れてみたい所じゃ。
尚、ここのお酒は街道を挟んで向かいにある辻本店直営の売店で購入することができる。

【御前酒蔵元 辻本店】
所在地:真庭市勝山116
TEL:0867-44-3155
営業時間:11:00〜17:00
定休日:なし

酒蔵レストランで「お食事処 西蔵」でランチ

先ほどお邪魔した御前酒辻本店直営の施設の2階にある「お食事処 西蔵」でランチ。
角南殿はオープン以来の人気メニューの「銀鱈の粕漬け定食」、ピンクちゃんは酒造りの使う麹パワーと豚肉油の相性がピッタリの「豚肉の麹漬け定食」、戸川秀安は「西蔵ステーキ丼」を予約しておいた。添えてある漬物も酒蔵ならではの酒漬けだそう。
酒粕や麹を使った蔵元ならではの料理で醤油麹や塩麹など、調味料も自家製にこだわっておるという。酒蔵を改装した店内の雰囲気もとても趣がある。味ももちろん格別のおいしさじゃった。
あと、お酒作るにも何をするにもまず水が大事ということで酒造りの仕込み水と同じ水を使った料理で、もちろんお米もこの水を使って炊いておりまことにうまい。
ここの1階には「蔵元直営ショップSUMIYA」があり、蔵元限定や季節限定のお酒や発酵調味料、各種お酒グッズなどが購入できるようになっておる。

【お食事処 西蔵】
所在地:真庭市勝山116
TEL:0867-44-5300
営業時間:11:00〜14:30、蔵元直営ショップSUMIYAは11:00〜17:00
定休日:木曜日

暖簾の掛かる街並みを散策

暖簾の掛かる町並みで人気の勝山じゃが、きっかけは、我々が先ほど草木染めを体験した「ひのき草木染織工房」殿が店先に暖簾を掛けたところから始まったということじゃ。それがだんだんと増えてきて、今では町を挙げてこのきれいな景観維持に取り組んでいる。
実際に街並みを歩いていても、一つとして同じ暖簾はなく、次から次へと現れる個性的な暖簾に飽きることがない。お店に掛けられているものはその店の特徴を表しているものもあり、暖簾を見て何屋さん当てながら散策するのもとても楽しい。中には首をひねるのもあったがの(笑)。

勝山文化往来館ひしお

ここは元醤油蔵を改修して勝山の文化発信の場として整備された施設じゃそうじゃ。ホール・ギャラリー・中庭などがあり、我々が行ったときには、子供たちがワークショップで作ったカラフルなTシャツアートがたくさん展示されておった。この施設では、年に8回程度定期的にアート展も開かれており、その他にも講座やオカリナ教室など様々な文化活動を行っているということじゃ。ピアノも加わり、これからコンサートなども期待できそうじゃな。展示会開催時は1階にカフェもオープンする。
2階の展望スペースからは、町並み保存地区が一望できる。良い景色じゃ。

【勝山文化往来館ひしお】
所在地:真庭市勝山162
TEL:0867-44-5880
開館時間:10:00〜18:00(11月~3月は10:00〜17:00)
定館日:水曜日
 

当時のままで残る武家屋敷館

町並み保存地区のほど近くにある武家屋敷館。ここは200年以上の歴史を持つ三浦氏に仕えた上級武士の屋敷なんじゃ。別名を渡邉邸という。長屋門、母屋、土蔵、井戸など
当時のままを残す 唯一の上級武士の家屋である 。
母屋の中は多くの部屋があり、台所や女中部屋、トイレなどの興味深い部屋も見ることができ、当時の武士の生活も想像することができるのじゃ。質素な生活であったようじゃの。

【勝山武家屋敷館】
所在地:真庭市勝山651
TEL:0867-44-3909
開館時間:9:30〜16:30
休館日:12月29日~1月3日

勝山城(高田城址)

町並み保存地区を見おろす位置にある背後の山が高田城址じゃ。戦国時代初期に三浦氏により築城されたと思われる。尼子との戦いではいったん落城するがその都度のち奪還しておる。その後の毛利との戦いでも落城しては取り返すという戦が続いた城なんじゃ。その後は毛利、宇喜多、小早川、森氏の所領と続き、江戸時代の明和元年(1764)別の三浦氏が23,000石で入り高田城を修築し後ほど勝山城となり、譜代の城として明治まで続いた。
遺構は、曲輪や堀切、二ノ丸(現城山グランド)に櫓台石垣、三の丸には発掘された井戸,石積み、屋敷跡などが整備されておる。

このように勝山の街を散策してまいったが、ゆったりと歴史を感じ、暖簾が静かに揺れ動く街並みに癒され、楽しい体験をしたあとは、美味しい食事・酒・カフェめぐりとアートな文化にも触れることのできる素敵な街であった。そして、無料の駐車場が多いのも旅人にとっては誠にありがたい。

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