猫たちがお出迎え♪岡山・最南端の笠岡諸島「六島」へ癒しの島旅

岡山県の最南端に位置する笠岡諸島の「六島(むしま)」は、人口約40人の小さな島です。小高い山の上には島のシンボルでもある六島灯台が立ち、1~2月には約10万本の水仙が咲き誇る「灯台と水仙」の島として知られています。そんな癒しの風景がある六島で、港にいる猫たちと戯れたり、クラフトビールを楽しんだりして、癒しの島時間を過ごしてみませんか。
掲載日:2024年11月27日
  • ライター:おか旅編集部
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JR笠岡駅から徒歩5分、「住吉港」から出航!

六島行きの旅客船に乗るには、笠岡駅から徒歩で約5分の「住吉(すみよし)港」に向かいます。駅から「旅客船のりば」と書かれた看板を目印に歩いてくださいね。笠岡には他にフェリー乗り場「伏越(ふしごえ)港」もあるので、間違えないよう気を付けて。
住吉港に到着!三角屋根の白い建物が笠岡諸島交流センター「みなとこばなし」です。
1階が券売・待合所になっています。待合室では海を眺めながらゆったり過ごせますよ。
六島への旅客船は一日往復4便。途中、飛島(ひしま)を経由します。白い旅客船が港にやってきたら、いよいよ出発!
約1時間の船旅では、笠岡諸島をはじめ、ここでしか見られない瀬戸内海の島々の様子が楽しめます。

前浦港に到着!

六島の前浦港へ着きました。潮風に吹かれながら島へ上陸します。
六島には前浦港のほかに、もう一つ湛江港(たたえこう)という港があります。

島民手作りの猫ブイ

桟橋を渡ると、かわいらしい猫のブイがズラリ。これらのブイは、おもてなしの気持ちを込めて島民が手作りしたもの。ここ以外にも島のあちこちで見ることができます。また、奥に見える白い建物は笠岡市六島診療所(待合所)です。待合室にはパンフレットやトイレの設備も。

島猫たちの熱烈なお出迎え!

しばらくすると、本物の猫たちがどこからともなく現れてきました。どの猫も人に慣れており、カメラを向けても全く逃げません。しばし、猫と戯れるひとときを満喫。

六島発のクラフトビール醸造所

前浦港から徒歩5分程度で、最初の目的地に到着。
今回六島を案内してくださった島民の一人、井関竜平さんが営む「六島浜醸造所」です。井関さんは民家を改装したこちらの店舗で、クラフトビールの醸造を行っています。また、不定期でcafe&barも営業。お店の前には港にあったのと同じ猫のブイがいっぱい!
大阪府出身で、数年前までサラリーマンだった井関さん。
祖母が住む六島へ帰省した際、島民の温かさに触れ、島で事業を興すことを決心されたそうです。
移住したのは2016年。島民に話を聞く中で、かつて島で麦を作っていたことを知り、クラフトビールの製造を思いつき、2017年、吉備土手下麦酒に弟子入りし、最初のビール「六島麦のはじまり」が同年秋に完成。
六島を会場にビアフェスティバル「六島オクトーバーフェスト」も主催し、今では井関さんのもとに全国からビールファンが訪れるのだそう。

六島ビール

井関さんが手がける六島ビールです。
主要ラベルは、六島の麦畑からイメージを膨らませ初めて手がけた「六島麦のはじまり」のほか、島民たちが冬にドラム缶の火を囲んで語り合う"ドラム缶会議"をヒントに、六島名物・天然ひじきの旨味を生かした「六島ドラム缶会議」、北木島産・牡蠣のミネラルでまろやかに仕上げた「北木島オイスタースタウト」、笠岡市民が育てた西洋カボチャで仕込んだ「パンプキンエール ロロン」の4種類。国内ビールの品評会で受賞したラベルもあり、その味は折り紙付です。

【六島浜醸造所】
所在地:岡山県笠岡市六島6153
TEL:090-8377-2897
※店舗営業日は公式サイトでご確認ください。

猫と一緒に!六島灯台までハイキング

続いて、島のシンボル「六島灯台」へ。
醸造所のすぐ近くの小道から緩やかな坂道を登っていきます。
観光客が迷わないよう、随所に猫のブイで作られた道しるべが設置されています。
ジブリアニメのような、のどかな道を登っていると、背後に気配が…。
なんと、猫がついてきています!

「ある程度の高さまで島猫がついてきますよ」と井関さん。
時々、我々を抜かしてはこちらを振り返り、まるで案内してくれているようです。
道の途中には、楽しいスポットも。
ここは、地元の方に「トトロの道」と呼ばれている場所です。
大きな葦の下を猫と一緒にくぐります。

岡山県最古の「六島灯台」

六島灯台に到着しました!六島灯台は、大正11年(1922年)に建てられた岡山県初の灯台です。
島の南側が、多数の大型船が行き交う本線航路となっており、潮流が早く事故が多発していたため、周辺の海域の安全のために建てられたそうです。
灯台から島の南側を見たところ。遠くに愛媛県や四国山脈を見渡せます。
雄大な景色を眺めつつ、しばしまったり。
ここまで案内してくれた島猫もベンチの上でひと休みしています。

水仙の見頃は1月中旬~2月中旬

六島といえば、やはり「水仙」。
島民の方々の手で丁寧に植えられた水仙が、開花シーズンとなる1~2月に島のあちこちで一斉に咲き誇ります。近年はこの水仙を目当てにたくさんの観光客が島を訪れており、特に灯台周辺が一番きれいなスポットになっています。
井関さんによると、今年はイノシシ被害により、例年よりも少し花が少なくなるかもしれないとのこと。
訪問した日には、かわいい水仙の芽が顔をのぞかせていました。

※写真は過年度の水仙の開花時の様子です。

六島まちづくり協議会の三宅千歳さん

今回の島旅のもう一人の案内人、六島まちづくり協議会の三宅千歳さんです。
六島のことなら何でも知っている三宅さんに、島の見どころを教えてもらいました。

ゴリラ岩(赤石)

島周辺の海域は潮流が速いため、海岸沿いを歩くとゴツゴツした岩をたくさんみかけます。
写真中央右にあるのが、島民が「ゴリラ岩」と呼んでいる岩です。
よく見ると、ゴリラの後ろ頭にそっくり!また、赤みがかっていることから「赤石」とも呼ばれているそうです。前浦港から北東の海岸線沿いにあるので探してみてね。

旅の思い出にシーグラス

砂浜には、きれいなシーグラスが落ちています。少し探しただけで、3つも見つかりました。島の思い出として、持ち帰る観光客も多いそう。

「回し神輿」で知られる大鳥神社

島の氏神を祀る「大鳥(おおとり)神社」にも立ち寄りました。
鳥居は海側と本殿前に一つずつあり、10月中旬の秋祭りで、海の中で神輿を回すユニークな「回し神輿」が催されることで知られています。
三宅さんは、「最近は島民が減ってきて、祭りで神輿を担ぐ人手が足りなかったり、資金集めで苦労しているけど、来年は神社創設333年だからなんとか繋いでいきたい」と言われていました。

360度見渡せる湛江展望台

三宅さんイチオシがここ、湛江(たたえ)展望台。
島の周辺が360度見渡せます。夕陽がきれいなので、フォトスポットとしてもおすすめだそう。
瀬戸内海の島々を眼下に、深呼吸するひとときを。

六島近海で獲れた新鮮な魚に舌鼓!

歩き回るとお腹がすきました。
湛江展望台と大鳥神社の近くにある、「ゲストハウス島小屋」でお昼にすることに。
この日のメインは鯛の煮つけでした。新鮮で身がぷりぷり!
こんなに小鉢の料理がついて1,100円とリーズナブルなところも良いですね。

※食事は2~3日前までに要予約。定食の予算は1,100円~で予算に合わせて作ってくれます。
カレーや丼など簡単なメニューも対応可能。

島で唯一の宿泊施設「ゲストハウス島小屋」

「みんなが集まれる交流の場」をテーマに、2016年オープンしたカフェ兼宿泊施設。
六島まちづくり協議会が取り組む、大学生のインターンシップ事業の中で誕生しました。水仙が咲く頃には、お昼ごはんやカフェ利用のみのお客様も多いそう(要予約)。この日は、釣り客が宿泊予定とのことでした。

【ゲストハウス島小屋】
所在地:岡山県笠岡市六島7572
TEL:090-3377-6328
素泊まり4,200円~(要予約・自炊も可能)
食事のみ利用可(要予約)

六島で心癒される旅を

帰りは、六島のもう一つの港・湛江(たたえ)港から船に乗りました。
島猫の歓迎からはじまり、六島灯台や展望台から望む多島美や、のどかな島の風景に癒されたり、六島ビールや魚料理を楽しんだり、島での滞在はあっという間でした。島民の皆様の温かい人柄も魅力で、島民と仲良くなってたびたび島を訪れる方もいるのだそう。水仙の時期以外も六島へぜひ足を運んでみてください。
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