1日鉄道ざんまい!津山まなびの鉄道館へ鉄道で行こう

岡山駅からJR津山線で北上して津山駅へ。「津山まなびの鉄道館」は津山駅から徒歩で行けて、日本に1台しかない機関車や扇形機関車庫などに出合える、まさに学びの宝庫! 貴重な車両、昔なつかしい硬券切符やヘッドマークなど鉄道好きにはたまらない展示も多く、鉄道に詳しくなくても、こどもも大人も楽しめる場所です。日々利用する鉄道のありがたみを感じる社会科見学の旅は、鉄道で行ってみるのがオススメです!
掲載日:2021年10月04日
  • ライター:小池香苗
  • 28160 ビュー
JR岡山駅から列車で約1時間半で行ける岡山県北部・JR津山駅の近くに、「鉄道遺産の聖地」といわれ、全国から訪れる人が絶えない「津山まなびの鉄道館」があります。

津山駅の南西部分に隣接し、津山駅構内でもあるこの場所は、待機する車両や車庫から津山駅に入っていく列車をフェンス越しに眺められる絶好のスポット。カーブした外観の珍しい形は、扇形の機関車庫がそのまま残されている貴重な建物です。ここから、鉄道を見て、さわって、楽しく学ぶ旅がはじまります。
「津山まなびの鉄道館」は、車両、転車台、蒸気機関車の動輪などを展示するダイナミックな「旧津山扇形機関車庫」のスペースと、岡山の鉄道の歴史がわかる部屋、鉄道のしくみを体験しながら学べる部屋、さらに、津山の街並みをジオラマ展示した部屋、休憩しながら線路が見える広場などで構成されています。

受付で支配人の高田さんが出迎えてくださいました。こちらでまずは案内図をもらいましょう。その日のイベント、期間限定キャンペーンなど様々な最新情報もここで。ライターが訪れた時は各施設の開館時間が変更になっていたので、回る順番をうまく組むことができました。

鉄道遺産の聖地

入館してまず圧倒されるのが「旧津山扇形機関車庫」。かつて津山駅を発着していた機関車の待機のために毎日使われていた車庫が、そのままの場所に今も保存されています。

「旧津山扇形機関車庫」は、京都鉄道博物館にある「梅小路蒸気機関車庫」に次ぐ、日本で2番目に大きな機関車庫です。この扇形に広がるパノラマビュー。圧巻のスケールを、実際に自分で歩いて体感できるって素敵です。

貴重な車体の数々を間近で

一帯に鎮座する貴重な車両の数々を、まずはぐるっと巡ります。目の前の大きな車体を眺めながら、傍に展示されたそれぞれの車輛の特徴や歴史を知ることができ、それぞれが担っていた役割などの理解が一層深まります。
こちらは、日本最大の2,000馬力の機関を搭載したDE50形ディーゼル機関車です。製造されたのは1両のみで、世界に1両だけのとても貴重な車両なのだそうです。

開放感ある広場で休憩

扇形機関車庫を見たあとは、広い敷地の奥へと進んでみましょう。
ちょっと疲れたら屋外の「いこいの広場」で休憩を。ここは飲食も可能なスペースです。目の前には線路が通り、現役の車両が出入りするのが間近に見えますよ。

学びをさらに深めます

さらに奥にある建物には2つのテーマの部屋があり、様々な体験をしながら鉄道についてさらに詳しく学ぶことができます。訪れた時はゴーヤや朝顔がすくすくと育って、建物の屋上まで届きそうなグリーンカーテンになっていました。職員さん達の愛情が感じられます。

あゆみルーム

手前の部屋は、岡山の歩んできた鉄道の歴史を学べる、その名も「あゆみルーム」。

岡山の鉄道の歴史にスポットを当てながら、日本の鉄道のはじまりから今にいたるまでを当時の出来事とともに紹介されています。年表に沿って時系列でみていくと、私たちの暮らしが変わっていく様子が家族の歩みとも重なり、各時代に思いを馳せるいい時間になりました。
 
懐かしい硬券切符、初代時刻表など、歴史的にも貴重なレガシーも多く展示されています。

しくみルーム

お隣は、鉄道について多方面から理解できる「しくみルーム」。

今も昔も安全かつ快適な鉄道であるため、いかにして正確な運行が行われているのか。私たちも実際に触れて体験できる設備とともに、鉄道の技術や工夫がわかりやすく紹介されています。

多岐に渡る鉄道の仕事、鉄道の構造はこうなっていたのか等、まさに、様々な仕組みがわかります。実際に操作できる体験コーナーもあり、男の子だけではなく、女の子もとても楽しんでいました。消毒も各所に設置されているので安心。

昔のレトロな駅名プレート、デザインがかわいいヘッドマークなど、女性目線でも心躍る要素がたくさんありました。

夢のジオラマを堪能

さぁ次はいよいよ、津山の街並みがジオラマで再現された「まちなみルーム」へ。

精巧な造りの大規模なジオラマが部屋中に広がり、子供も大人も、わあっと声を上げてしまうほど。津山城跡はもちろん、衆楽園(旧津山藩別邸庭園)、徳守神社など昔からある津山の名所も再現されています。

10:00~15:00までは1時間毎に約5分間、津山の一日がナレーションとともに体感できるジオラマショーが開催。これは必見です!朝から夜までの津山を5分間で楽しめるショーは、とても見応えがあります。快適な利用のため人数制限を設けているので、ぜひ行きたい方は入館したら受付横の「まなびルーム」で整理券をもらっておきましょう。

5分間で体験する津山の一日。小さな機関車が、夜になって最終運行のあと転車台を通って機関車庫に入っていく様子には、学びとともにとても感動しました。

実際の転車台と動輪を間近で

「旧津山扇形機関車庫」と「転車台」はともに、2009年には経済産業省の「近代産業遺産」に登録され、2018年には西日本旅客鉄道株式会社の「鉄道記念物」に指定され、産業・文化遺産として高い評価を受けています。

施設内の各部屋で鉄道の「あゆみ」「しくみ」「まちなみ」を学んだ上で見る転車台、とても感慨深いものがありました。そして、機関車の動輪の大きさ! 私の背丈よりも大きかったです。機関車ってすごいと、改めて思いました。

旅のお土産はここで

受付横の「まなびルーム」には、津山各地の観光パンフレットとともに、津山名物やここだけの鉄道関係のお土産もたくさん揃っています。

ハローキティ新幹線にドクターイエローをはじめ、WEST EXPRESS 銀河やSLやまぐち号などJR西日本を走る各地の名物列車グッズ、プラレール実演もあり、こどもたちで賑わっていました。

そして京都鉄道博物館との限定コラボグッズ、津山まなびの鉄道館オリジナルグッズも相互販売されています。地元の老舗写真館の協力で、昭和初期の津山の街並みや駅舎が載ったレトロな逸品もあり、とても素敵でした。

鉄道館へは鉄道で行こう!

「津山まなびの鉄道館」で鉄道を広く深く知ると、改めて鉄道のありがたみを感じました。ぜひ、鉄道館へは鉄道で行ってみることをおすすめします!

鉄道で行くと特典も♪ JR利用者優待サービス

JRで行くと、津山まなびの鉄道館の割引券が津山駅でもらえます。津山駅で列車を降りて、改札を出るまでの駅構内にあります。忘れずもらって、鉄道館へ向かいましょう♪

城下町津山のまちも楽しんで

B’zファンの聖地ともいわれ、城東地区の町並み、映画やテレビドラマのロケ地にも数多くなっている津山城跡など、風情ある町並みも多くのこる城下町・津山。新鮮で旨味が濃い焼肉、「津山ホルモンうどん」「津山ロール」など津山グルメも豊富です。魅力たっぷりの津山の町もぜひ巡ってみてください。

アクセス

鉄道でのアクセスは岡山駅から津山駅まで、JR津山線で1時間~1時間45分ほどです。乗車時間に開きがあるのは、快速(ことぶき)と普通があるため。時刻表をチェックして行きましょう。

【JR津山駅からのアクセス】
・徒歩約10分
・バス約3分:津山駅路線バス1番のりばから「ごんごバス」小循環線ですぐ次の停留所『津山まなびの鉄道館』下車 徒歩すぐ
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