なつかしさの宝石箱!ふるさと岡山の歴史を感じる資料館おすすめ5選

雄大でレトロな明治の講堂。たたら製鉄のアツい遺物。瀬戸内を行き交ったシブい千石船!おかやま各地の資料館には、深イイ魅力とわくわくがいっぱい!時間の旅に出かけよう!
掲載日:2019年11月29日
  • ライター:おもとまちこ
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① 倉敷市歴史民俗資料館(倉敷市)

いつまでも眺めていたくなるほどに美しい八弁花模様の天井の空間には、倉敷の「教育」に関する資料がずらりと揃っています。存在感のあるピアノは昭和初期に宮内庁へ献上されたものと同じモデルとか。廊下には、珍しい呼び名のウシンガ(牛が引く木製農具)や旧倉敷幼稚園で使用されていた明治末期のヤマハのオルガンなど、レトロな品々それぞれにドラマが感じられます。
「ハオリ」「ハカマ」など習う言葉ひとつとっても時代によって違うんだ!など、複写版の教科書のページをめくると面白い発見があります。中でも、倉敷生まれの漢・農民学者の犬飼松窓著「孫子活説」の版木は市の重要文化財。風格がにじむ桜の木の板ながめていると、犬養毅も門下生だったという松窓の私塾などについても深堀したくなってきます。
紅白の市松模様のガラス戸や窓のない廊下。花のようなシャンデリア。大正時代に建てられたとは思えない、教育に対する自由な発想が伝わってくるような斬新な建築様式も見どころの一つです。玄関前には、さくら幼稚園として親しまれたことにちなんだ2本の桜の木が植えられていて「満開の頃の眺めがおすすめですよ」とのことでした。

② 高梁市郷土資料館(高梁市)

最も格式が高いとされる二重折上の格天井、角のゆるやかなカーブ。目をみはるような勇壮な旧講堂は必見です!旧高梁尋常小学校として建てられた西洋建築の中には、お祭りのだんじりや高瀬舟などの大型資料から、農機具や生活用品までもが大集結。2フロアに渡って、見きれないほどの充実ぶりですよ!
壁一面に柱時計が並ぶ異空間。アバンギャルドすぎる看板広告ゾーン。レアな鉄道グッズなどまでもが一堂に会しており見ごたえ抜群です。精巧なつくりのカンザシ、ビクターのレコード、義士討入双六。懐かしい!ナゾすぎる!と、思わず興奮してしまうようなお宝にきっと出会えること間違いなしです。
ジブリ映画でおなじみのデルビル電話機です!人間が手動で電話交換をしていたってどういうこと!?などスマホ世代の家族との会話もはずみそう。他にも商家の帳場が再現されていたりと、とにかくテーマパークのように歩きながらレトロな世界をめぐれるスポットですよ。玄関前には高梁出身の儒学者・山田方谷像、お隣には山田方谷記念館。そのまま方谷先生めぐりへもどうぞ。

③ 玉島歴史民俗海洋資料室(倉敷市/玉島市民交流センター内)

海とともにあった玉島らしいブルーが印象的で、とっても見やすい展示室です。千石船の1/10サイズの模型はとにかく精巧なつくりで見入ってしましますよ。古墳時代から一帯で盛んに焼かれたという「亀山焼」は、備前焼のルーツとも言われる須恵器にとっても似ているんだとか。青灰色のなんだかとっても岡山らしい素朴さが魅力です。
船旅中の貴重品をしまう船箪笥や、麦わら素材の真田紐・麦稈真田(ばっかんさなだ)など、玉島の民俗史が実物をとおして感じられますよ。お隣には、地元ゆかりの画家・池田遙邨と坂田一男の世界観がいっぱいつまった記念室もあるのでお見逃しなく!近くの銀座商店街に立ち寄って、千石船の帆をかたどった地元のかわいい銘菓をおみやげにするのもおすすめです。

④ 奥津歴史資料館(鏡野町)

良質の砂鉄が採れることから栄えたタタラ製鉄のコーナーでは、炎と向き合い、鉄の塊をつくりだすことの重労働さが強く伝わってきます。数千年も昔からこの奥地で暮らしてきた先人たち。その知恵や工夫、昔ばなしや伝説なども、人形や音声で楽しみながら学べ、どんどん興味がひろがっていくような資料館です。奥津温泉街からおさんぽがてら立ち寄れますよ。

⑤ 勝山郷土資料館(真庭市)

草木染ののれんの建物は旧勝山電報電話局だったとか。縄文時代の出土品、勝山藩主の書、鎧兜など。パワフルで迫ってくるような展示が多く、城下町らしさ満載です。美作国絵図などもなるほど興味深く見入ってしまいますよ。文豪・谷崎潤一郎の疎開の地ならではの、直筆の手紙、勝山生活を感じさせるリアルな品々など貴重な資料もみごたえアリです!
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