農業体験をするなら津山へ!人も野菜もあたたかく育てる「やました農園」

岡山県津山市加茂町斉野谷(さいのたに)にある「やました農園」。自然豊かな加茂町で1991年から続く農園です。
代表を務める山下英男さんの人柄も魅力のひとつ!「美味しさ」にこだわり農業と向き合い続け、農業の楽しさを広めていきたいという思いで活動しています。
今回は、そんな「やました農園」で農業体験をしてきました!
掲載日:2023年06月01日
  • ライター:酒井悠
  • 2603 ビュー

植え付け体験/さつまいも・パプリカ

この道30年以上のベテラン山下さんの指導のもと、まずは「さつまいも」の植え付けを行いました。
畝に張られたマルチに大人の親指の爪程度の大きさの穴が空いており、そこに苗を植えていきます。

<用語の解説>
●畝(うね:直線状に土を盛り上げた箇所のこと。水捌けを良くする、植える野菜に合わせ水の管理をしやすくする、土の中の通気性が良くなり肥料も周りに流れにくいなどのメリットがある)

●マルチング(通称「マルチ」。土壌の乾燥や侵食の防止、地中温度の調節、雑草を生えにくくする、肥料が流れることを防ぐなど、マルチングをすることでより良い畑となる)
農業体験に来ていた少年たちが、山下さんに教わった通りにせっせと苗を植えていきます。とても真剣にそして上手な手捌きで作業を進めていきます。
さつまいもの植え方にはいくつかの方法があるそうなのですが、山下さんの農園で採用されているのは、地面に対して角度を付けて斜めに植える「斜め植え」という方法。

短い苗でも効率よく収穫することができるのが特徴だそうです。
土の感触を確かめながら、力強く苗を植えていきます。
そして、作業すること15分程度。
このように立派にさつまいもが植えられました!
続いて別の畑に移動です。
こちらは畑を見渡せる位置から撮った写真なのですが、うーん、景色がキレイ!
奥に見えるのはサムハラ神社でしょうか。
植えていくのは「パプリカ」です。
「赤、オレンジ、黄」というメモ書きは、成長した際の実の色のことでしょうか。
さつまいもの時と同じように畝にマルチを施してある畑に今度は大きめの穴(大人の拳の大きさぐらい)を開けていきます。
そして、植える前に肥料などを撒き、土の環境を整えていきます。
また、実になった時の色がわかるようパプリカのポットも色分けされていました!
スコップで土を一度掘り返し、パプリカの苗を植えて、先程の土を上から被せてキレイに整えていきます。
山下さんに教えていただいたやり方でパプリカを丁寧に植えていきます。

参加した方の声を聞くと「見た感じは、なんてことない作業に思えましたが、20本ほど植えると休みたくなるくらいしんどかったです。これを本業でされている方は大変な事がわかりました」とのことでした。
こちらが植え終わった後の様子です。
パプリカもみんなで協力して15分程度で植えることが出来ました。

収穫体験/玉ねぎ・キャベツ

待ちに待った収穫体験です!
今回は「玉ねぎ」と「キャベツ」を収穫しました。
玉ねぎの収穫のサインは「葉が横を向くように倒れている」ことだそうで、長ねぎのように伸びた葉の部分を掴み「えいや!」と引っこ抜いていきます。
作業していると、どうしても葉の部分がちぎれてしまうこともあり、その場合はこのように土を手で掻いて掘り出していきます。
地面にしっかりと根を張っている玉ねぎに対して少年たちふたりでトライ!
苦労の甲斐もあって、なんとか収穫に成功しました!
キャベツの収穫は山下さんが刃物を使い、根や余計な葉っぱを取り除いていきます。
山下さんの作業をじっと見つめる少年。
少年の顔のサイズと同じぐらいのキャベツにご満悦の様子でした。
玉ねぎはこの後にも作業があり、そちらもお手伝い。

「葉切り」という作業で根や葉の部分をハサミを使って切り落としていきます。
葉が長いままだと、栄養がそちらに取られてしまい食べる部分に反映されないそうなので、こうした作業を行うそうです。
キレイに整えられた玉ねぎは、サイズのチェックや傷みがないかを山下さんに見極めてもらい選別しました!

玉ねぎの保存方法について山下さんにお聞きすると「収穫してから少し乾燥して風通しの良いところに吊るしておくといいです」とのこと。

また「玉ねぎはどんな料理にも合うので使い方は自由。採れたての時はオニオンスライスで醤油、マヨネーズ、鰹節をかけて食べるのがオススメです」と一押しの食べ方についても教えていただきました。
この日の収穫はこちら!
新鮮な野菜を持って帰れるのも農業体験ならではの醍醐味ですよね!

山下さんが用意してくれた美味しい食事

一仕事を終えてのご飯は最高でした!
塩味の利いたシンプルなおにぎりがとても美味しかったです!
ポテトサラダや卵焼きなど、用意していただいた品数も多くて大満足!
田んぼを眺めながら、大自然を感じてののどかな休息は大事だなと感じました。
最後に、山下さんに農業体験を始められたキッカケをお聞きしました。

「以前、津山市の農家民宿体験で4回世話をさせていただき、農業の楽しさを知り農業の後継者を育てて行きたいと思って始めました。"明るく楽しく元気良く" が私の好きな言葉です。農作物は作る人の気持ちひとつで変わると思うので、辛いとか苦しい気持ちがあったら美味しくならないので、いつも明るく楽しく元気良くの気持ちを込めて作っています」

山下さんの笑顔が人にも野菜にも伝わっているような気がしました。

「農業は暇な時がないし、時期的に少し手が空いたとしても、冬場に何を植えるか考えたりと、色々と準備しておく必要がある」と仰っており、自然を相手にした仕事の大変さの一端が伺えました。
山下さんのもとで農業を学んでみたい、美味しい野菜やお米を味わってみたいと思った方は、ぜひ「やました農園」を訪れてみてください。

【やました農園】
所在地:津山市加茂町斉野谷30
料 金:宿泊・体験 お一人4,800円(食事代・別途料金)
    体験のみ お一人800円(昼食の希望があれば別途料金)
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