【晴れの国おかやまは、天文県!】備前市八塔寺の星空・日本の原風景を歩く

岡山県備前市吉永町にある標高400mの八塔寺(はっとうじ)周辺は、周辺都市からの光害が少なく、気流が安定していることから、星空観望や天体観測に適しています。「レストラン&キャンプ場 望ヶ丘」・望ヶ丘天文台・「八塔寺 星を観る会」定期観望会・八塔寺ふるさと村の茅葺屋根の古民家風景などをご案内します。
併せて、【速報】「2018年5月26日(土)京都大学岡山天文台3.8m望遠鏡 一般公開」をご案内します。

写真は、ライターお気に入りの水車小屋です。
掲載日:2018年05月16日
  • ライター:  
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1.八塔寺国際交流ヴィラ

八塔寺国際交流ヴィラの室内風景です。自炊設備・洗濯機なども用意されていますので、和風コンドミニアムとして、大家族でも滞在できます。
大自然の中にある茅葺(かやぶき)の古民家で、昔ながらの生活を体験してみませんか?
晴れた夜には、街灯の光を避けて、美しい星空を眺めてみましょう。

2.八塔寺 壽光庵(じゅこうあん)

こだわりの新鮮なそば粉を使い、そば粉8割で打ち上げた蕎麦の香りとのどごしの良いお蕎麦です。カツオ・椎茸・昆布のだしを使い、地元老舗の鷹取醤油をベースに仕上げた麺つゆで、最後のそば湯まで楽しめます。また、野菜天ぷらは、地元で採れた新鮮な素材を使用されています。
ふるさと村の奥深いところにあり、タイムスリップしたような茅葺の民家と心温まるのどかな風景は心に癒しを与えてくれます。ゆったりとした自然の中で、ぜひ打ち立てそばをごゆっくりご賞味ください。
営業時間:土曜日、日曜日 11時~14時(4月〜11月)※12月〜3月は冬期休業です。

3.レストラン&キャンプ場 望ヶ丘(のぞみがおか)①入口

レストラン・喫茶とキャンプ場などが併設されています。右側の建物がレストラン・喫茶です。
キャンプ場には、左側のゲートを進みます。望ヶ丘天文台や「八塔寺星を観る会」の定期観望場所も左側の奥にあります。右手後方には、約30台の車を駐車できる駐車場があります。

②レストラン店内風景

レストラン店内風景です。たくさんの木製テーブル・椅子があり、居心地の良い空間です。
「鴨鍋」・「鴨のねぎ焼き」がおすすめメニューで、その他のメニューも豊富です。
キャンプ場などの施設の利用受付もこちらになります。
営業時間:10時~17時(ラストオーダー16時30分)
定休日:毎週火曜日・第4水曜日(火曜日が祝祭日の場合は営業し、翌日が休日)

③レストラン店内風景

オーナーのご趣味であるウェスタンのグッズなどが展示されています。
開放された窓からは、うぐいすなどの鳥の大きな声が聞えて、自然の豊富さを感じます。

④レストラン店内風景

「八塔寺 星を観る会」の皆さんが撮影された星雲や銀河の天体写真・星のある風景写真・オリジナルカレンダーなどが展示されています。この日も店内で、「八塔寺 星を観る会」の理事会が開催されていました。

「八塔寺 星を観る会」のホームページは、下記のリンクからご覧ください。

4.望ヶ丘天文台 ①第一建屋・第二建屋の外観

左側が望ヶ丘天文台の望遠鏡が格納されている第一建屋です。建屋が左側に移動すると望遠鏡が出てきます。
この天文台、水谷正則先生の個人所有です。八塔寺(望ヶ丘)の空の良さと地元の皆さんの良さに惹かれて、ここに建設を決意されたそうです。

中央にも望遠鏡(白神憲一さん個人所有)が格納されている第二建屋があります。
PENTAX MS-5 赤道儀が据付けられており、メインはクリミア製15cmフローライト屈折望遠鏡で、天然鉱石を使った高精度レンズを使用しており、高コントラストの素晴らしい星像を見せてくれます。また、30cmニュートン反射望遠鏡もあり、撮影対象や観測対象に応じて使い分けています。

2つの建屋建設は、「八塔寺 星を観る会」のメンバーの力を結集して行われました。

②望ヶ丘天文台(第一建屋)望遠鏡

写真提供:水谷正則先生(八塔寺 星を観る会)
望遠鏡・赤道儀と水谷先生が操作されている写真です。この望遠鏡で、ディープスカイ(深宇宙)の写真撮影や超新星爆発の観測などを行われています。
NAOHはNozomigaoka Astronomy Observatory Hattojiの略で、鳥のマークはカモです。
「八塔寺 星を観る会」の定期観望会では、この望遠鏡も含めて、月・惑星・星雲などを観望できます。
スマートフォンなどで、接眼レンズにカメラを向けてうまく撮影すると、素晴らしい天体写真が撮れます。

③望ヶ丘天文台望遠鏡で撮影した「M51子持ち銀河」

写真・撮影データ提供:水谷正則先生(八塔寺 星を観る会)
大小2つの銀河がつながっており、子持ち銀河という名前が付けられた有名な天体です。写真ではM51の綺麗な渦巻きの1本の腕の先に、小型の銀河(NGC 5195)がぶら下がっています。りょうけん座にあり、距離は 2,100万光年です。(光の速さ:30万km/秒で、2,100万年かかる距離)
【鏡筒】GSO 40cmRC (fl.2440mm, F8.0)、【赤道儀】ユーハン工業 U-5000、【カメラ】Moravian G2-8300、【ガイド】Roadstar による Off-axisガイド、【冷却温度】 -10.0度、【露出時間】計 4時間

5.「八塔寺 星を観る会」の定期観望会 ①中村哲也さんの機材

毎月1回開催される「八塔寺 星を観る会」の定期観望会の会場にお邪魔すると、早くから中村哲也さんが観測準備をされていました。古くからの八塔寺ファンで、最近は望ヶ丘で撮影されています。中村さんが撮影された写真は月刊天文誌でよく見かけます。中村さんにお話を伺うと、気が遠くなるような遠くの天体を撮影するには、素晴らしい機材・撮影技術・画像処理技術が必要なことを痛切に感じます。

②中村哲也さんが撮影された「かみのけ座 NGC4565銀河」

写真・撮影データ提供:中村哲也さん(八塔寺 星を観る会)かみのけ座の渦巻銀河で、地球から約3,000万から5,000万光年離れています。光の速さで、少なくとも3,000万年かかる遠くの光です。つまり、3,000万年以前の光を見ていることになります。【露出開始】2018年03月10日 22:11:49、【鏡筒】Celestron C11 (fl.2800mm, F10.0)、【補正レンズ】Starizona製 レデューサー (fl.2000mm, F7.2)、【赤道儀】Takahashi EM400、【カメラ】QSI社 690-wsg、【ガイド】SX-Ultrastar による Off-axisガイド、【その他】SXV-AO 使用、【冷却温度】 -25.0度、【露出時間】計 4時間

③天体写真家 吉田隆行さんの撮影風景

写真提供:吉田隆行さん(八塔寺 星を観る会)2018年4月19日午前3時40分撮影
吉田隆行さんは、月刊天文誌の執筆などで多方面で活躍されている著名な天体写真家さんです。
望ヶ丘の空が素晴らしいので、ここに来られることが多く、先日も3晩連続で撮影されたと伺いました。
この写真では、手前に吉田さんの機材が見えて、空には天の川の中心部・さそり座・木星・土星・火星などの星が見えています。望ヶ丘では、3月~8月の新月期には、素晴らしい天の川を見ることが出来ます。

吉田隆行さんのホームページ「天体写真の世界」は下記のリンクからご覧ください。

④「八塔寺 星を観る会」の定期観望会風景

皆さんにお話を伺っている内に定期観望会が始まりました。あちらこちらに、天体望遠鏡が設置されて、持ち主の方がおすすめの天体を見せてくれて、解説していただけます。
この日は明るいお月様がいましたが、とても良い空でした。半月近いお月様を天体望遠鏡で見ることもできました。当日、キャンプをされていた方々やたくさんのお客様がお見えになり、歓声が上がっていました。

「八塔寺 星を観る会」の北浦敏行会長さんをはじめ、メンバーの活動状況を下記のリンクから動画でご覧いただけます。

⑤「八塔寺 星を観る会」の定期観望会風景

「八塔寺 星を観る会」の白神憲一さんが、LEDライトを使用されて、見えている星の解説をされていました。
この写真では、LEDライトで第一建屋の上に見えている北極星を示してくれています。
たくさんの星があっても分かりやすいです。

「八塔寺星まつり2018」が今年も開催されます。2018年8月11日(土)17:00~22:00
各種情報は、下記のfacebookページでご覧ください。

6.水車小屋と星空

トップ写真の水車小屋で、星景写真を撮影しました。街灯の光・霧が少しありましたが、水車小屋の上にはたくさんの星が見えておりました。

下記のおか旅記事「日本の原風景にふれる。八塔寺ふるさと村と観光スポット」(ライター:藤田 恵さん)も併せてご覧ください。

【速報】2018年5月26日(土)京都大学岡山天文台3.8m望遠鏡 一般公開

岡山天文博物館リニューアル記念イベント情報です。
※京都大学岡山天文台3.8m望遠鏡(せいめい望遠鏡)が初めて一般公開されます。(望遠鏡による観望は出来ません。)
新しくなったプラネタリウムはじめ、天体・星座ビンゴゲーム、工作など楽しいイベント盛りだくさん。
二つの大望遠鏡、国立天文台188㎝反射望遠鏡&せいめい望遠鏡(京都大学3.8m望遠鏡)も大公開! 駐車場ではステージイベントやふわふわ体験ブース、そして美味しい宇宙カレーや浅口の麺、宇宙ソフトも販売します!
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