あっちに古墳、こっちに遺跡!赤磐市の必見オモシロ史跡3選

謎の石積みピラミッド、うっそうと木が生い茂った前方後円墳…。赤磐市には、あちらこちらに史跡がごろごろ。中でも重要文化財に指定されている3つの史跡はとびきりユニークで一見の価値あり。車で現場の近くまで行けるので、NO装備でも気軽に行けますよ。子連れでも、ベビーカーがあればギリギリ行けるはず!
掲載日:2018年04月27日
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①謎に包まれた日本のピラミッド!?「熊山遺跡」

岡山県南部で最高峰の「熊山」。古くから霊山として信仰されてきたこの山のてっぺんには、石積みの異様な遺跡がいかめしい表情をしながら待ち構えています。
その他に例を見ない形から「日本のピラミッド」とも呼ばれており、ハイキングに来た人たちの目を楽しませています。
もちろん、車でも簡単にアクセスでき、広々とした駐車場があるので安心。国史跡に指定されています。
ピラミッドの2段目には、龕(がん)と呼ばれる横穴が開いており、建物の中央にある竪穴から、写真のような高さ1.6mもの筒型容器が発見されたんですって!
他にも小壷などが発見されたとのことですが、現在は所在不明。しかしこういった造りと他府県にある類似した建物との共通点から、奈良時代前期に建造された仏塔だったと推定されているそう。
熊山は大きな宗教都市だったのかも…?
何より、ここからの景色が最高なんです!
遺跡のすぐそばに展望デッキが設備されているのですが、そこからは悠々とした吉井川の流れが、はるか向こう瀬戸内海まで続いているのがハッキリ分かります。なんと美しい…。
歴史のロマンと自然のロマン、同時に感じられる絶景スポットです。

②こんなところに前方後円墳!?「両宮山古墳」

もこもこと木々が密集した、小さな島。近くで見るとそうとしか見えないこの場所こそが、国史跡に指定されている「両宮山(りょうぐうざん)古墳」なのです。
全長206mの前方後円墳で、造山古墳などと並ぶ、吉備の三大巨墳のひとつ。5世紀後半に作られた、吉備の大首長の墓だと考えられています。
周囲には二重もの濠がめぐらされていて、一部が埋没して田んぼになっているものの、水をたたえた周濠(しゅうごう)が今もこうして残っているのは大変貴重。また、民家の間を通り抜ければ、中も自由に見学できるようになっているんですよ。
写真は、中に立てられているお社。この両宮山古墳にある最大の謎は、この時代に必須とされている墳丘の葺石が敷かれておらず、埴輪も見当たらないという点。何らかの理由があって、結局お墓として使われなかったのかも…誰か解明して〜!

③聖武天皇の命で作られた!!「備前国分寺跡」

山陽自動車道のすぐそばにある原っぱ。ここは今から1300年ほど前の天平13年、聖武天皇の命令で全国に60あまり建てられた寺院の跡地なのです。朝廷では貴族の対立が激し、民衆は災害や疫病に苦しんでいた時代。国分寺を建立し、危機を仏教の力で鎮めようとしたんですって。
南東に建てられた塔は、写真のように基壇が復元されています。鎌倉時代後期に作られたと思われる石造七重層塔がそびえたち、これを囲む当時の建物をイメージさせてくれます。
意識しなければ本当にただの野原ですが、あちこちに写真のような解説板が。しかもフリーでパンフレットも設置されてる親切さです。
ここは歴男歴女の皆様が大変得意とされる想像力=イマジネーションを存分に使い、金堂、南門・中門、講堂…ここにどんな建物があったのか、僧侶たちがどんな暮らしをしていたのかを想像して存分に楽しみましょう。
写真は、講堂の礎壇を復元したもの。黒ずんだ礎石は、なんと地中に落とし込まれていた実物なんですって!これはじっくり見ておかねば。丁寧な発掘現場と出土した遺物は、設置されているパンフレットにも詳しく書かれていますから、ぜひ手にとってください。

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