美しすぎる公立学校!旧閑谷学校のスゴさに迫る

今も残る世界最古の庶民のための公立学校「旧閑谷学校」。その歴史もさることながら、建物と庭園の美しさには目を見張るものがあります。紅葉の時期のライトアップなどイベントも目白押し。ぜひこの記事を読んでから観に行ってみてください。
掲載日:2017年10月30日
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旧閑谷学校って?

岡山県が誇る国の特別史跡、旧閑谷学校。江戸時代に岡山藩主の池田光政に創建された、現存する世界最古の庶民のための公立学校です。ご覧の通り立派な講堂(なんと国宝!)をはじめ、細部まで整えられた敷地内のあちこちに見どころ満載。観光客の絶えない「美しすぎる」学校なのです。

こんな山奥に学校ができたワケ

他の用事で、閑谷をたまたま通りかかった池田光政。静かで自然豊かで…勉強するのにぴったりだ、と思い、身分制度の厳しい当時にもかかわらず、武士だけでなく庶民の子どもたちが学べる施設を作ることを決定。岡山後楽園を手掛けた家臣の津田永忠に命じ、こんな立派な施設を完成させました。
ここから5kmのところまで学校の領地として、閑谷学校が長く続くよう取り計らったりもしたそう。

スゴさ①校門ってレベルを越えた正門

入場券売り場へとテクテク歩くと、まずは正門が目に入ります。シャチホコがどどんと乗った備前焼の瓦葺きの屋根。門の開け閉めの時に出る音が鶴の鳴き声に似ていることから「鶴鳴門(かくめいもん)」とも呼ばれます。

スゴさ②わざわざ中国から来た2本の楷の木

樹齢100年を超える楷(かい)の木が2本、広々とした敷地内に生えているのが目を引きます。中国山東省から種を持ち帰って、苗から育てられたんですよ。紅葉の時期には赤とオレンジにそれはそれは美しく色づいて、見る人をうっとりさせてくれます。10月下旬〜11月上旬のライトアップも見ものです!

スゴさ③金ピカの孔子像を祀った聖廟

儒教を学ぶ閑谷学校で最も重要な施設として、一番高い位置にあるのが孔子像を安置した聖廟です。中には金色に輝く孔子像があるのですが、毎年1月4日の「読初の儀」、10月第4土曜日の「釈菜」など年に数日のみの特別公開。と聞くと、より一層見に行きたくなりますね。

スゴさ④池田光政を祀った神社もある

閑谷学校の創始者である池田光政が神格化。孔子の聖廟の右隣の「閑谷神社」に祀られています。といっても立場は孔子よりも下と考えていたのでしょう。その証拠に、孔子廟よりも一段低い位置に作られています。
こちらは瓦に、池田家の家紋である美しい揚羽蝶の紋があしらわれているのもポイントです。

スゴさ⑤300年以上も同じ姿を留める”美魔女”な講堂

後世まで廃れさせないようにーとの池田公の願いを受けて、津田さん頑張りました。当時の技術の粋を尽くして、頑丈で壮厳な建物を完成させたのです。入母屋造り、しころ葺きの大屋根、丸く太い柱はヒノキ、木材は腐敗を防ぐため漆が塗られています。今なお磨き込まれている床は、鏡のように外の光を反射させ、その神聖な空気にため息が出るほど。

スゴさ⑥瓦はぜーんぶ備前焼(しかも10万枚以上)

遠目からも鮮やかさが際立つ閑谷学校の屋根瓦。実はこれ、ぜーんぶ備前焼なんです。その数なんと10万枚以上。創建当時は茅葺きでしたが、改築後は撥水性・耐久性の高い備前焼にチェンジ。それ以降、今も伊部の備前焼作家さんが必要な際に焼き足しているんです。
備前焼はかなり重いので、それを支えるだけの頑丈な構造もスゴイところ。

スゴさ⑦排水設備もばっちりな屋根

軒下をよーく見てください。細い筒が飛び出ているのが分かりますか?これ、瓦で防ぎきれなかった雨水を集めて排水したり、空気を通すことで屋根を乾きやすくする役目があるんですって。こういう細かい仕事があるから、当時の姿を残すことができるんですね。
ちなみに、瓦の文様は「六葉紋」といって、火災を防ぐ、防火のおまじないの意味があるとか。

スゴさ⑧ごく控えめな藩主用の休憩所

重厚な講堂とのギャップがすごい。藩主といえど、控室はこんなに質素なんです。あくまで主役は学生たち、と考えていそうな奥ゆかしい池田公のお人柄が見えてステキ…!

スゴさ⑨全長765mの整いまくった石塀

ノミを使い、すべて手加工で仕上げられた、全国的にも非常に珍しいかまぼこ型の石塀。このカーブを表現するのは、今の技術でも難しいのだそうですよ。
しかも内部には洗ったぐり石が敷き詰められており、石の継ぎ目から一切の草木も生えてこない徹底ぶり。それが765mって…長すぎません!?圧倒的な職人の技に脱帽です。

スゴさ⑩マジ火災怖い。よし、山、作ろ。

写真右手にある、こんもりと高い山。これ実は人工なんです。木造建築にとって、火災が何よりも脅威とされてきた江戸時代初期。津田永忠は何とかそれを防ごうと防火山を設けました。おかげで、2回ほど実際に火災を防げたとのこと。念には念を入れる。これが後々効いてくるわけですね…。

スゴさ⑪論語みくじに胸をえぐられる

閑谷学校らしいグッズが多数販売されているのを見るのも楽しみの一つ。こちらは「論語みくじ」といって、1回100円で、論語の名言を引くことができます。私が引いたのは「匹夫も志を奪うべからず」。誰にも志は奪うことはできない…というアツい言葉。正直、胸にグッときますので大変オススメ。

”スゴい!”の詰まった閑谷学校へGO

教育は優れた人材を育成するために必要不可欠。そこに早くから目をつけ、学校作りに注力した池田光政と、その思いを建築で実現した津田永忠。2人の大きな「志」が、子どもたちのさらなる志を生んできたのでしょう。
旧閑谷学校を訪れると、そんなことが想像されます。
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