雨の日も晴れの日も美しい!ベンガラの町・吹屋のNEWスポット巡り

2022年春、高梁市吹屋にNEWスポットが続々と登場しました!
明治時代後期に建築された木造校舎が再現され話題となっている「旧吹屋小学校」、吹屋ふるさと村で店舗がオープンして間もない佐藤紅商店、ネパール人シェフのきいろい台所を、高梁市・新見市・吉備中央町を放送エリアとする「キビケーブルテレビ」の川崎里菜リポーターと一緒に巡りました!
道中でベンガラの街ならではの食べ歩きメニューも発見。これから梅雨ですが、雨の日でもベンガラの町・吹屋は濡れた石州瓦がしっとりと輝いて絵になります。
掲載日:2022年06月06日
  • ライター:m.k
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吹屋ふるさと村について

岡山県高梁市の山間部にある吹屋は、かつて赤色の顔料である「ベンガラ」の日本一の生産地として栄えました。
今でもベンガラ色の外観で統一された街並みが特徴的です。赤茶色の石州瓦、ベンガラ格子に赤い壁。街全体が調和した、素晴らしい景観が広がります。重要伝統的建造物群保存地区であり、令和2年には日本遺産に認定されました。
立ち止まって何枚も写真を撮ってしまうことでしょう。絵になる風景であふれています。
自由に弾ける「ストリートオルガン」が置いてある休憩所もできていますよ。

旧吹屋小学校

まずは、2022年4月21日に、観光交流施設としてリニューアルオープンした旧吹屋小学校へ足を運びました。歴史が刻まれた美しい建物は圧巻!
明治時代後期に建築されて以降、吹屋が吉岡銅山やベンガラの生産で繁栄し、大正7年には最大369名の生徒が在籍していたそうです。平成24年3月末まで国内最古の木造校舎として活躍しましたが、児童数減少により閉校となりました。閉校後は貴重な文化財建造物として後世に伝えていくため、校舎を解体してまた戻すという工程で、なんと7年もかけて保存修理工事が行われました。
設計は真庭市の「旧遷喬尋常小学校校舎」や岡山市の「旧旭東幼稚園園舎」を設計した江川三郎八氏。明治時代後期を代表する擬洋風の学校建築として評価され、岡山県の重要文化財(建造物)に指定されています。
当時の面影が存分に感じられます。プールは池のある公園に変身! イベント時にはライトアップされる予定とのことです。
校舎の中に入ると、まるで部屋のような広い空間がひろがっていました。なんとここは「三間廊下」と呼ばれる広い廊下なのです。
2階の講堂などを支える三角形のトラス構造の骨組みが観察できます。
どんな教室が並んでいるのか、見学していきましょう。
今回はXR(クロスリアリティ)といって、現実世界と仮想世界を融合させた映像技術とともに楽しみます。その名も、「ハイカラ眼鏡」!
看板に従って、見学していくと、ところどころにパネルがあります。ハイカラ眼鏡でパネルを読み取ると、立体的な映像が出てきますよ。
映像と音で小学校のあゆみや、吹屋の歴史・産業が学べます。3次元映像なので、イメージを膨らませながら見学することができました。
豪華な二重折り上げ棹縁天井が立派な2階の講堂には、明治33年に購入された「100年オルガン」が今も展示されています。
「100年オルガン」は触れることができませんが、その近くのパネルを読み取ると、3次元映像でピアノの鍵盤が浮かび上がり・・・
鍵盤を指で押すと、音楽を奏でることができました。そのときに聞こえる音は、実際に100年オルガンを弾いて録音したものなのだそうです。
そのほか、平成24年の閉校時の教室を再現している教室(写真 上)や、明治時代の復元教室(写真 下)もあります。明治時代の復元教室では、机の仕組みが今となっては斬新!
まるでタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。卒業生も多く訪れ「懐かしい」とおっしゃるそう。
懐かしいけれど新しい観光交流施設となった旧吹屋小学校。今後、いろいろなイベントが開催されていくということで、期待が膨らみます。
入場料は大人500円、小中学生250円。XR体験は一台1,000円(税込)で楽しめます。

佐藤紅商店

続いては、吹屋ふるさと村に、2022年春にオープンした「佐藤紅商店」へ。
店主の佐藤拓也さんは、平成24年に大阪から高梁市へ移住。特産品で地域を盛り上げようと、手作り調味料を開発しました。
中でも代表的な調味料が、「新しい吹屋の赤」をテーマに、吹屋産の唐辛子と柚子を使った「吹屋の紅だるま」です。オンラインショップや県内外のお土産屋などで購入することができます。
「お客様と生産者の触れ合える場をつくりたい」と、この春、吹屋に実店舗がオープンしました。「吹屋の紅だるま」にちなみ、店内にはだるまがたくさん並んでいました。
店舗には「吹屋の紅だるま」のほか、「吹屋の紅てんぐ」、「自家製にんにくみそ」、「赤しそシロップ」なども並んでいます。
そして、吹屋でしか購入できない、「吹屋の紅だるま 粗挽き」も! より素材の存在感が楽しめますよ。
また、「来て買ってもらうだけじゃなくて、交流もしたい。楽しんでもらいたい」という思いから、実店舗ならではの取り組みとして、一味づくりの体験(100円)ができます。
吹屋産のとうがらしを、昔ながらの石臼にセットし、挽いていきます。
ベンガラならぬ「紅辛(ベニガラ)」と書かれた袋に入れてもらい、持ち運びができる一味唐辛子に!
佐藤さんのおすすめは、これを持って、吹屋の街並みを歩くこと。
うどんやソフトクリーム、団子などにも相性抜群ということで、実際に一味唐辛子を手に吹屋ふるさと村を歩いてみました。

【佐藤紅商店】
所在地:高梁市成羽町吹屋851-11
営業日:火・水・土曜日
営業時間: 9:30~17:00

Cafe松栄館

Cafe松栄館の店先でだんごを発見! 中でも、紫芋のだんごは、ベンガラの街並みの色に似ているから「べんがらだんご」と名付けられています。
味噌かみたらしを選べます。私はみたらしをチョイスしてみました。一味唐辛子をかけて食べてみましょう。
みたらしの甘さと、一味唐辛子がベストマッチ!
あとからじわじわと辛さがくるのでかけすぎ注意です。
川崎リポーターは、味噌をチョイス。おかずのような感覚で食べれたとのことですよ。
Cafe松栄館には「べんがらフロート」というメニューもあります。ざくろ味のシロップがさわやかな、ベンガラの街ならではのメニューです。
店内や店先のベンチで食べられるほか、食べ歩きにもぴったりではないでしょうか。

【Cafe松栄館】
所在地:高梁市成羽町吹屋300
営業時間:10:00~17:00
定休日:年中無休(冬季臨時休業あり)

ネパール人シェフのきいろい台所

最後に、2022年春に新しくオープンした「ネパール人シェフのきいろい台所」へ。
古民家を改装したカレー店です。これまでは岡山県内を黄色いキッチンカーで走る移動式の人気カレー店でした。
ネパール人シェフが作る本格的なネパールカレーが味わえます。
サラダや、チャパティという小麦粉を練って作る薄いパンのようなもの、ドリンクがついたお肉のカレーセット1,300円(税込)をいただきました。とても辛いのかと思いきや、お味はココナッツを感じるまろやかさが印象的。20種類ものスパイスが入っているのだとか。辛さはチャットニーという手作りの辛い調味料を混ぜながら調整することができます。
店先には、キャンプ場の案内の看板も。吹屋ふれあいの森の受付もされているそうなので、キャンプ好きの方も要チェックです。

【ネパール人シェフのきいろい台所】
所在地:高梁市成羽町吹屋285
営業日:金・土・日曜日
営業時間:11:30~17:00
7年かけて生まれ変わった旧吹屋小学校のリニューアルオープンや、新しくできたお店で盛り上がっている吹屋。雨の日も晴れの日も美しい街並みが広がっています。
懐かしくて新しい吹屋へ、足を延ばしてみませんか。
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