最上稲荷は車じゃないと行けないのか!?JR備中高松駅から歩いて検証してみた

毎年、年末年始の参拝者で賑わう最上稲荷。JR備中高松駅から歩いて行けないのか?とふと浮かんだ疑問を検証しに行ってみました。最短コースで3.2km。徒歩約40分。三代目のパン屋?水攻めまんじゅう!?高松城址など歴史の舞台にも寄り道しながら、果たしてたどりつけるのか!?
掲載日:2023年12月28日
  • ライター:おもとまちこ
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JR備中高松駅から出発!

オレンジ色の桃太郎線(吉備線)の列車が、朱色の灯ろうの並ぶホームに到着!
ここJR備中高松駅が、最上稲荷からイチバン近い駅です。最上稲荷へは「車がないから参拝はできない…」「歩くには遠すぎる…」と思っていましたが、それって実際どうなのか!?己の足で確かめる旅へ出かけてみました。

【JR備中高松駅】
所在地:岡山県岡山市北区高松136

蓮福寺地蔵院

駅前の旧道(旧松山往来)沿いにはひっそりと佇むお寺があります。閻魔さま率いる地獄の十王たちが祀られた十王(閻魔)堂。唐破風の降り棟の装飾が独特な雰囲気を感じさせる本堂。そして並んだお地蔵さま。この風格の寺院、なかなか他では見られませんよ。ぜひ薬医門から中へ入ってみましょう。

【蓮福寺地蔵院】
所在地:岡山県岡山市北区原古才275

最上稲荷の大鳥居

最上稲荷交差点から線路を渡ると、住宅地の中から突如巨大な建造物が姿をあらわします。高さ27.5m。ゆっくりと近づいてくるベンガラ色の大鳥居。くぐる時に真下から見上げる光景は、徒歩参拝ならではの臨場感ですよ。最上稲荷までの道中で、振り返るたびに見守ってくれているでっかい相棒です。

【大鳥居】
所在地:岡山県岡山市北区高松8

蛙ヶ鼻(かわずがはな)築堤跡

大鳥居からわずか400m。豊臣秀吉が天下の奇策・水攻めの際に築いた堤防の一部が、唯一残っている史跡です。石井山のふもとに発掘調査の跡が復元・保存されていました。蛙ヶ鼻から今の足守川上流まで、なんと約3㎞にわたって造られたという堤防。ここに寄らずしてどうするか、という歴史の舞台です。

【蛙ヶ鼻築堤跡】(高松城水攻め史跡公園)
所在地:岡山県岡山市北区立田806

清水宗治公自刃の跡(妙玄寺)

備中高松城址のすぐ手前には、城主・清水宗治公が潔く切腹したという最期の地があります。備中高松城への籠城。城兵5千人への思い。そして己の命と引きかえに選んだ道。顕彰碑や立派な供養塔がたてられた妙玄寺には、今もなお多くの人々が訪れているんだとか。

【清水宗治自刃の地跡】
所在地:岡山県岡山市北区高松691

ごうやぶ遺跡

妙玄寺そばの田んぼの中に一本の木が。切腹した城主・宗治公の後を追って、家臣たちが差し違えた地だそうです。柵で囲われて大切に遺されているのがわかります。自刃の地とあわせて訪れてみると、水攻めという歴史上の出来事がより身近な事実として感じられてきますよ。

【ごうやぶ遺跡】
所在地:岡山県岡山市北区高松658

備中高松城址

京都、神戸、愛媛、福岡…。駐車されている車のナンバーを見てびっくり!平日の午前中にも関わらず、各地から観光客が訪れているのがわかります。当日の来館者の記入用紙では、県内と県外ほぼ五分五分。激しい攻防が繰り広げられていました!?写真を撮ったり資料館の中で解説動画をじっくり見たり。みなさん感慨深げに散策を楽しまれていました。

【備中高松城址】
所在地:岡山県岡山市北区高松
TEL:086-287-5554(高松城址公園資料館)
※資料館の開館時間は10:00~15:00、休館日は月曜・年末年始
 

清鏡庵

清水宗治公の首塚の、真正面にある和菓子屋さんへも参じましょう。レトロ渋すぎるお店の中へ入ると、出ました「水攻饅頭」!さらりとした喉ごし。さっぱりとした甘さ。岡山の薄皮饅頭文化にここで会えるとは、思いもよりませんでした。高松城址の木の下で食す水攻饅頭。おいしい奇策です。

【清鏡庵】
所在地:岡山県岡山市北区高松511-1

ロードオブザ最上稲荷

水攻めの歴史ドラマがおもしろすぎて、本来目指すべき場所を見失ってしまうところでした。レッツ最上稲荷!八幡神社のある山裾の川に沿って北上して行きます。シンプルに山がきれい。路傍の石。お地蔵さん。平坦な道なので、どこまでも歩けそうです。

三代目満寿屋

最上稲荷の本殿が見えてきました。もうゴール確約と思ったら、県道241号線沿いにパン屋さんが。これはきっとご褒美。ためらうことなく入店しましょう。え、エビフライパン?しっぽ出るんですけど。え、焼き鳥パン?串ささってるんですけど。でも人気はあんこ系なんですって。過去には吉備津から徒歩で来た猛者もいたそうです。

【三代目満寿屋】
所在地:岡山県岡山市北区高松稲荷415-5
TEL:086-287-2104

最上稲荷参道

おみやげセンターから仁王門までの門前町は、もはや奇跡のような存在です。お店で使われていた湯呑とかお皿までも売られていたり。通り丸ごとレトロ遺産として、保存地区化されませんかね。

【最上稲荷参道商店街】
所在地:岡山県岡山市北区高松稲荷

最上稲荷

最上稲荷へ無事到着しました!かなり寄り道をしてしまったので、2時間近くかかってしまいましたが「最上稲荷は徒歩でも楽しくいける距離」ということが分かり大収穫です。縁結びと、縁切りの社がなんと両隣でならんでいる最上稲荷。すっきりとした気持ちで2024年を迎えられるよう、心して参拝いたしましょう。
 
岡山県内で一番の参拝者数を誇る最上稲荷。ちょうどエレベーターの設置工事の真っ最中でした。年末年始に向けての参拝・初詣の準備にぬかりがありません。結界廊から御水舎へむかうところには、布袋様でしょうか。「よう歩いてきよったなあ」と、満面の笑みでお出迎えです。
2024年節分豆まき式は2月3日(土)開催予定。

【最上稲荷(妙教寺)】
所在地:岡山県岡山市北区高松稲荷712
TEL:086-287-3700

中国鉄道稲荷山線廃線跡の「遊歩道」

「むかしは最上稲荷まで鉄道が走っていたんですよ」と、パン屋さんに教えてもらった遊歩道。なるほど、中国鉄道稲荷山線の廃線跡のようです。寄り道せずに向かいたい方は、こちらの道がわかりやすくて安心かもしれません。〈JR備中高松駅⇒大鳥居⇒180号線沿い〉のルートで目指してみてくださいね!
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