岡山は文学者の宝庫! 読書の秋に巡りたい作家ゆかりの地や小説の舞台

実は岡山には縁ある文学者が多いのを知っていますか? 今回はその中から、明治から昭和にかけての作家と岡山県内の縁の場所をご紹介します。
掲載日:2017年10月23日
  • ライター:おか旅編集部
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薄田泣菫 生家(倉敷市)

明治10年生まれ。倉敷市出身の詩人・随筆家です。詩集『白洋宮』、随筆『茶話』などを出版。博識で話術も巧みだった泣菫は、多くの読者を魅了しました。また、芥川龍之介や菊池寛などの、当時の新進作家を積極的に発掘し、文学界の発展にも貢献しました。連島には今も品格のある構えの生家跡が残っており、家の中には芥川龍之介や与謝野晶子など、泣菫と交流のあった文人たちからの書簡も展示されています。

横溝正史 疎開先(倉敷市)

『犬神家の一族』等で知られる推理作家・横溝正史が戦時中疎開した家が、倉敷市真備町に当時の佇まいのまま保存されています。この時期に『本陣殺人事件』や『獄門島』といった、岡山県を舞台にした金田一シリーズが生まれました。疎開宅から井原鉄道川辺宿駅までの行程には、金田一シリーズの登場人物の銅像や小説にまつわる見どころがあちこちに点在する、名探偵金田一耕助ミステリー遊歩道が整備されています。

坪田譲治 生家跡(岡山市)

『風の中の子供』『子供の四季』などで知られる坪田譲治は、明治23年岡山市生まれの小説家・童話作家。小川未明・浜田広介と共に日本近代児童文学の三大作家のひとりに数えられています。『風の中の子供』の舞台となった現在の岡山市北区島田本町は坪田譲治の生家があった地で、生家跡には石碑が建てられています。

内田百閒 記念碑(岡山市)

岡山市出身の内田百閒は、明治22年岡山市生まれの小説家・随筆家。『阿房列車』シリーズや黒澤明監督の映画にもなった『まぁだだよ』で知られています。また、夏目漱石の門下生であったことも有名です。生家は昔の山陽道沿いにある古京郵便局の辺りの造り酒屋でした。生家からもほど近い相生橋の東詰めの堤防道路を約200m南下した場所には、現在「内田百閒記念碑園」と彫られた標石があります。

藤原審爾 「秋津温泉」の舞台(鏡野町)

山奥の温泉地を舞台にした恋愛小説『秋津温泉』の作者・藤原審爾は幼くして父母を亡くし、少年時代を父の郷里である岡山県で過ごしました。『秋津温泉』の主人公が何度も繰り返し訪れる山奥の温泉街や温泉宿、自然の情景は、架空の地でありながら、鏡野町の奥津温泉や大釣温泉を彷彿とさせます。映画化されたこの作品は、実際に鏡野町でロケが行われました。
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