2025年の干支は巳(へび)!蛇神信仰で知られる笠岡市の「道通神社」へ行ってみた
岡山県笠岡市の「道通神社(どうつうじんじゃ)」は、瀬戸内海地方各地にある蛇神信仰「道通様」の総本宮的神社。巳(へび)年である2025年の関連スポットとして、年男の私が訪ねてみました。
- ライター
- 大岩主弥
- 掲載日
- 2025年4月1日
目次
「道通神社」とは?
「道開きの神」「導きの神」として世に神徳高き神として尊ばれている猿田彦大神を御主神と仰ぐ西日本一の由緒深き神社。明治45年応神天皇を合せ奉斎せる社。起源は永禄年間(1558年~1580年)に遡り、笠岡村道通谷にご神霊を祭った近隣住民の崇敬社として栄える。時は戦国時代、神事を行うものがなく神祠が荒廃。さらに、この近郷一帯に悪病蔓延し災害も続き、占師を呼び占ったところ「道通さまの祟だ」と。そこで、当時より信仰の島であった横島の地にご神体を奉じ、社殿を作り、大いに祭事を行い崇敬。それからは災害悪疫も後を絶ち、此れは「道通様」の御加護に依るものと元和元年(1615年)に拝殿を造営。その後、暴風雨での拝殿倒壊などもあったが、昭和になり拝殿を新築し今に至る。御主神の猿田彦大神は商売繁盛、出世海運、交通安全の神として広く信仰を集める。また、中四国の瀬戸内海地方各地にある「道通様」という蛇神信仰の総本宮的な地位を占めている。
(道通神社のしおりより一部引用)
とても歴史のある神社なんですね。
神社の方にお話を聞くと、昔神社のある横島は島だったため船に乗らないといけない場所にあったそうですが、一手間かけてまで参拝する方がいるくらい、とても御利益があると言われていたそう。各地から祈祷師さんたちが集まっていたそうです。
道通神社までのアクセス①(JR岡山駅からJR笠岡駅)
「道通神社」への行き方を確認しておきましょう。
JR岡山駅から「道通神社」の最寄り駅であるJR笠岡駅までは、山陽本線で乗り換えなしです。片道770円。約45分。電車の本数は1時間に1~2本あります。
道通神社までのアクセス②(JR笠岡駅から道通神社)
JR笠岡駅に着いた後は、いくつか行き方の選択肢があります。
時間を気にせず動けるという意味ではレンタサイクルがおススメ。JR笠岡駅改札口を出て左手に向かうと笠岡市観光協会(9:00~17:00)があり、自転車を借りられます(返却は16:30まで)。
普通自転車700円(3台)、電動アシスト付き自転車1,500円(2台)
バス利用の場合、観光に使えそうなパターンはJR笠岡駅④番のりば、平日9:40発の便。
笠岡駅~市民会館~外浦~寺間~笠岡線「道通下」下車後、徒歩約5分。片道300円、約20分。
「道通下」バス停からJR笠岡駅への戻りは、11:44発のバスがあります。
※土・日曜日、祝日は運行がないのでご注意ください。
※「道通神社」から徒歩約8分のところにある「カブトガニ博物館」のバス停利用も可能です。
詳細はカブトガニ博物館の公式サイト(https://www.city.kasaoka.okayama.jp/site/kabutogani/20197.html)をご覧ください。
参考までに、JR笠岡駅から徒歩で向かうと私の足で約50分かかりました。広めの駐車場もありますので、車での参拝も可能です。
拝殿
道通様とは?
拝殿内に「道通様」について分かりやすく学生さんがまとめてくださったポスターがありました。それを引用させていただきながら「道通様」についてご紹介いたします。
蛇神であり憑き物である。
特徴:蛇の姿、30cmの大きさ、黄色い体、首を一周する黄色い輪っか模様
【神島史誌に記載されている道通様の伝承】
天正年間(1573年~1592年)横島の磯兵衛という漁師がある日、村の沖合に投網に出かけたが、三度が三度網を投じても同じ石ころがのってくる。さらにその翌日出かけてもまた網にのってくるので、これは不思議なことだと、この一塊の石ころを笠岡、大磯の道通谷にまつった。しかし、戦国時代、神事・祭事を誰もかえりみる者がなく、神祠は荒れるにまかせていた。また、災害が続いて穀物が実らず、農民は苦しみ疲れ切っていた。そこで卜師をよんで、その故をうらなってもらったところ、まさしく道通さんのたたりだという。そのためご神体を横島へ奉じてきて社殿を造り、大いに祭典を行った。それから災害もあとを絶った。
この伝承は神社の沿革にも書かれていましたね。以上は学生さんがまとめてくださった話ですが、もうちょっとだけ深堀りします。
岡山県ではトウビョウの祟りを鎮めるために「道通様」の名で祀られているとの記述も見かけます。
トウビョウはヘビの憑きものといわれ、その姿は10~20cmほどの長さのヘビで体色は全体的に淡い黒。首の部分に金色の輪。また「沖田神社の末社道通宮」(岡山県岡山市中区沖元411)など、岡山県の幾つかの神社では白蛇との伝承。
トウビョウの憑いている家はトウビョウ持ちといわれ、金が入って裕福になるといわれているそうです。また飼い主の意思に従ってトウビョウが人に災いをもたらしたり、怨みを抱いた相手に憑いて体の節々に激しい痛みをもたらしますが、飼い主がトウビョウを粗末に扱えば、逆に飼い主に襲いかかるそうです。
「道通神社」はこの道通様の神社としての側面があり、信者から奉納された道通様の小さな家があり、ヘビの好物として卵などが供えられています。それらの家の中に祀られた蛇の置物は擬宝珠に巻き付いてそれぞれ阿吽の口の形をした二匹の白蛇の姿をしています。
神社の方に聞いた話では、猿田彦大神の神使は「巳様(みーさま)」で、「道通様」とは別の存在として扱われているようでした。そのあたり、長い時間の中で混ざり合っている部分もあるようでした。
「神使」については次の項で説明します。
神使の山
小さな蛇の家
こうした小さな蛇の家が沢山並んでいます。どの蛇も愛嬌があって可愛いです。他のお家はぜひ神社にご参拝の折に見てみてください。
神社の方に聞いたところ、神の言葉を伝えるものとして、神使である蛇が巻物をくわえているそうです。そういえば、稲荷神社では狐が巻物をくわえていますね。
蛇神様の像
沢山の神様に会える神社
絆の宮(猿田彦大御神と天鈿女命)
芸能に携わる人間には、猿田彦大神は馴染みの深い神様です。芸能の神様ですからね。その妻である天鈿女命(あめのうずめのみこと)も技芸上達の神様。
ここではこの二柱の神様に絆の宮と言われる場所でお参りできます。可愛らしい像も素敵です。
お守りや御朱印なども充実!
「道通神社」では多くの種類のお守りが。白蛇のお守りはもちろん、二見興玉神社で猿田彦大神の神使と言われている蛙のお守りもありました。いろいろあって目移りしますが、私は一目惚れでこちらの切り絵御朱印を。初穂料は1,000円。猿田彦大神、双頭の白蛇、そして笠岡のカブトガニと豪華なメンバー。御朱印は手書きもしてくださるそうですので、御朱印帳をお持ちの方は是非。
【道通神社】
所在地:岡山県笠岡市横島1389
TEL:0865-67-0007
交通アクセス(車):山陽自動車道笠岡ICより約20分
駐車場:あり
岡山のもうひとつの道通様「沖田神社・道通宮」
岡山県内で道通様を祀っている、もうひとつの場所である岡山市の「沖田神社・道通宮」。笠岡市の「道通神社」と合わせて、こちらにもお参りしてはいかがでしょうか。
JR岡山駅から西大寺行きバスで約25分。「沖元」下車、徒歩約3分です。岡山ブルーライン君津ICから約10分で向かう事も可能です。
【沖田神社・道通宮】
所在地:岡山県岡山市中区沖元411
TEL:086-277-0196(沖田神社・道通宮)
駐車場:あり
おわりに
写真は「沖田神社・道通宮」お岩場です。蛇の姿が見えますか?
蛇には「繁栄」「成長」「知恵」「富」などの御利益があるとされています。巳年の2025年、蛇に関係したスポットへ足をお運びください。
地図
- 道通神社
- 沖田神社・道通宮
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