岡山県の隈研吾建築スポット4選(真庭市・倉敷市・吉備中央町・岡山市)
- ライター
- 大岩主弥
- 掲載日
- 2025年11月18日
目次
隈研吾氏について
皆さんは隈研吾氏の名前を聞いたことありますか?私もどこかで聞いたなと思っていたのですが、それもそのはず、2021年の東京オリンピックの時に新しい国立競技場を設計した人だったのです。そんな凄い方の建築が岡山県内になぜ沢山あるのだろう。私の今回の記事への興味はそこから始まりました。隈研吾氏についての詳細なプロフィールは公式ページを読んでいただいたらわかるかと思いますので、この記事を書くにあたって私が書籍を読んだり、現地に赴いたりしながら考えたことをまとめます。
なぜ岡山なのか?私なりに考えた理由は3つ。
1つ目は『隈研吾 異端の建築』(高橋福生著・写真/三才ブックス/2024年)に書かれています。現在隈氏は地方と様々な形でコラボしてのクリエイションを考えられていて、地方に事務所のサテライトを幾つか作られているそうです。その一つが岡山にあるそうです。
2つ目は、真庭市の「GREENable HIRUZEN」にはCLTという板材が使用されていて、その材料に日本一の檜の産地である岡山の檜が使われていること。以降の建築でも使用されていて、その素材との出会いがあったこと。
3つ目は、日本各所で地域と街づくりを長年進めている実績があること。高知県梼原町や茨城県境町では町の中に多数の隈建築があります。それが今、岡山県という広い地域で行われているのではないかということ。
特に3つ目は大事だと思っていて、隈氏の建築はそこに住む人たちのオーダーに合わせ、ご当地の素材を使って建てられたものがとても多いのです。これについては記事で触れていきます。では、岡山にある隈研吾氏の建築を見ていきましょう。
1.GREENable HIRUZEN(真庭市)
まずは真庭市蒜山高原にある「GREENable HIRUZEN」。CLTの板材と鉄骨で組み上げられた建築です。初めは東京の晴海に移設が容易な仮設パビリオンとして建てられていましたが、イベント終了後に解体して真庭市に移送され、現在の場所に建て直されました。メインの建物は「風の葉」というニックネームをつけられ恒久施設として開放されています。「風の葉」は内部にも入れますので、是非入ってみてくださいね。
「GREENable HIRUZEN」は敷地全体が隈氏のデザイン
「GREENable HIRUZEN」の広い敷地もすべて隈氏の設計という事で、敷地内には「風の葉」以外にも、サイクルセンターや観光案内所、そしてミュージアムなど色々な建物があります。
真庭市蒜山ミュージアム
敷地内にある「真庭市蒜山ミュージアム」も隈氏の設計。ショップと併設されたミュージアムは500円で入れます。ミュージアム内の階段や壁にも隈氏のこだわりが感じられるので、是非入ってみてほしいです。建物に入ると木材のかすかな香り、木材の温かみが感じられます。中には隈氏の建築についてのコーナーもあり面白いですよ。
【真庭市蒜山ミュージアム】
所在地:岡山県真庭市蒜山上福田1205-220(GREENable HIRUZEN内)
TEL:0867-42-1178(真庭市生活環境部スポーツ・文化振興課)
営業時間:9:00~17:00(入館は16:45まで)
休業日:水曜日(祝日の場合営業、翌平日休館)
料金:一般500円、中学生以下無料
駐車場:7台(ヒルゼン高原センター駐車場も利用可)
2.まびふれあい公園(倉敷市)
平成30年7月の豪雨により甚大な被害を受けた真備町。「まびふれあい公園」は決壊した堤防の上に、市民と市、国と一体となって、復興と防災と地域交流の拠点となる復興防災公園として、隈研吾氏がデザインした公園です。公園のパンフレットにはこう書かれています。「平常時と災害時の両面で活用でき、地域の発展にもつながる公園」。
公園の真ん中に立ちひときわ目立つ竹のゲート。真備の山並みに調和した大屋根と特産品である竹で作られたものです。ゲートの左右の建物はそれぞれコミュニティ施設の「まなびのへや」と防災備蓄倉庫になっています。そこに住む人たちの思いと素材を大事に作り上げる隈建築。素晴らしいです。
「まなびのへや」には被災・復興の展示もあります。ここで起こったことを、訪れた際にぜひ知ってください。中に入ると真新しい竹の香りに包まれ心地良い空間でした。
3.吉備高原Nスクエア(吉備中央町)
岡山県のほぼ中央にある高原の町「吉備中央町」にあるコワーキングとカフェを中心とする地域交流・創生施設である「Nスクエア」。ここでも「GREENable HIRUZEN」の「風の葉」同様、岡山が日本一の生産量を誇るCLTパネルが使われています。
cafeブラドで休憩
「Nスクエア」の1階にある「カフェブラド」は2025年6月2日、新しくベーグルカフェとしてオープン。訪れたのが午後だったので、私はベーグルではなくケーキで休憩。吉備中央町産のブルーベリーNYチーズケーキとコーヒーセット(990円)。クリームチーズと生クリームが濃厚で美味しい!店内には隈研吾氏のサインや建築の模型、ブックコーナーもあります。お気に入りの本を見つけてゆっくりするのもおススメ。
【cafeブラド】
所在地:岡山県加賀郡吉備中央町吉川4469-126 吉備高原Nスクエア1階
TEL:090-3376-6969
営業時間:7:30~15:00
定休日:なし
※臨時休業などは公式サイトの「cafeブラド営業日のお知らせ」に掲示
駐車場:あり
4.岡山大学「共育共創コモンズ」(岡山市)
岡山大学構内の「共育共創コモンズ」は、木造を学ぶ学生達の原寸大の教材となる建築をめざしデザインされた木の教室。使用されている木材はCLT材。地元の素材にこだわる隈建築。ここでも一貫しています。
中には入れませんが外観を見るのはOKとのことで行ってきました。木材建築は何だか温かみを感じるから好きです。木材で作られた看板が可愛い。これからは受験シーズンという事でご配慮をという事でしたので、見たい方は日程を確認の上、足をお運びください。
まとめ
岡山県内で見られる隈研吾氏の建築、いかがでしたか。今回の記事を書くにあたり、幾つかの隈研吾氏の建築についての書籍を読みました。本当に多様な建築を手掛けられていて、最初は何でこんなに色々なアイデアがわいてくるのだろうと疑問に感じていましたが、知るにつれて分かったことがあります。隈氏の建築は相手に寄り添う気持ちがあるからこそ多様な表現になるのだと。今回ご紹介した建築は、岡山の素材を使った、そこに必要とされている建築でした。そういった思いが伝わってくるからこそ、隈氏の建築には温かみがあるのかもしれません。私は今回の取材を通して隈氏の建築が大好きになりました。また岡山県内に新しい建築が生まれたら、是非足を運びたいと思います。
紹介したスポットの場所(地図)
- GREENable HIRUZEN
- まびふれあい公園
- 吉備高原Nスクエア
- 共育共創コモンズ
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