カフェ併設でリニューアル!赤磐市出身の詩人・永瀬清子の生家へ行ってみた

NPO法人永瀬清子生家保存会が運営する赤磐市の「永瀬清子生家」が、2024年2月にリニューアル。改修されてカフェを併設、月2回だった開館日も週5回に大幅拡大されています。岡山県赤磐市出身の詩人・永瀬清子の生家とは、どんな所なのか訪ねてみました。
                                         
掲載日:2024年10月28日
  • ライター:松原宏美
  • 1054 ビュー

永瀬清子とは?

「現代詩の母」といわれる永瀬清子(ながせきよこ)は、明治39年に赤磐郡豊田村熊山(現赤磐市)に生まれ、2歳で金沢へ。その後、国内を転々とし17才の時に父の転任先の名古屋で「上田敏詩集」を読み詩人になることを決意。39歳の時に赤磐の生家へ戻り、初めての農業をしながら二男二女を育て、多くの優れた詩を世の中に生み出しました。89歳でこの世を去るまで生涯詩人だった女性です。
※写真は永瀬清子二十四節気絵葉書

詩人・永瀬清子の生家

写真は駐車場側から見た永瀬清子の生家です。向かって右側が母屋で、1階にはギャラリー「八十八草」や売店、2階にはギャラリー「さっき清子がいた」があり、左側はカフェ「グレンデルの釜屋」です。母屋は国登録有形文化財に登録されてます。
母屋の1階は開館時間中なら自由に見学できますが、2階のギャラリーは入場料が必要です。
 

隠し部屋が貸会議室に!

出入り口は母屋とカフェの間にあり、まずは母屋の方へ。
入ってすぐの和室の天井にははしごがあり、どこで使うのかと思えば天井がひらき、隠し部屋につながります。この隠し部屋は、江戸時代に禁教の僧たちをかくまうためにもうけられたものだそうです。現在この隠し部屋は、貸会議室として利用(3人まで)できます。利用しなくても見せてもらえるので、是非あがってみてください!ビックリしますよ~!

ここでしか買えない商品もある売店

母屋1階の売店「清子の家書房」では、永瀬清子の詩集や関連本、ここでしか買えない商品などが売られています。
私が一番気に入ったのは、永瀬清子の二十四節気の絵葉書で、この絵葉書は数年前、宇野バスがお客様に季節の移ろいを感じていただけるよう、二十四節気を詩と写真とデザインで表現したポスターを作成し、運転席の後部に掲示していたものを絵葉書にしたもの。写真と詩のバランスがすごく綺麗で見入ってしまいました。
他にも面白いと思ったのが、“言葉の処方箋”というおみくじみたいに、今の自分に必要な言葉の薬がもらえるもの。水に溶ける紙でできているので、その言葉が必要でなくなった時には水に流すことが出来ます。

ギャラリー「さっき清子がいた」

2階のギャラリー「さっき清子がいた」は、入場料500円(17歳未満無料)。
永瀬清子の資料や写真、詩集などがあり、生前の映像を見ることもできます。ソファもあり、併設のカフェから飲み物の出前も出来るので、じっくり永瀬清子の世界に入り込めます。

特別な五衛門風呂体験

五衛門風呂体験も出来ます。入るだけなのかと思っていたら、なんと準備をするところからの体験!
まず、井戸水をバケツリレーのようにして浴槽まで何度か運び、水をため、薪をくべて湯を沸かし、やっと入れます(入浴出来るまで早くて20分くらい)。ただ入るだけでなく、入るまでの準備の大変さを感じながら入るお風呂は、いつもより特別でとても良い体験になります。

五衛門風呂は2日前までの要予約。公式サイトの予約フォームまたは電話で受け付けています。
2時間利用で1組1,500円。準備はスタッフの方が手伝ってくれるので安心してください。
 

お風呂用の水を汲む井戸

出入り口から少し離れた場所に井戸があり、バケツと滑車を組み合わせたもので水を汲み上げます。こちらの建屋は、国登録有形文化財です。

カフェ「グレンデルの釜屋」

カフェは建築家であり、永瀬清子保存会理事長でもある横田さんが運営されています。2023年まで岡山市内で飲食店をされていた方です。店名は永瀬清子の詩『グレンデルの母親は』が由来。元々は納屋だった場所を改修し、カフェ、シェアキッチンとして営業されています。自然ゆたかな場所で、田園を眺めながらのごはんは最高でした。
改修の様子をまとめた写真集を見ると、同じ場所とは思えないくらい素敵に変化しています。
ランチは日替わりで、1週間分が公式Instagramに投稿されています。土曜日は天丼定食、日曜日はピザで固定です。

【グレンデルの釜屋】
営業時間:10:00~15:30(L.O. 15:00)
※ランチタイム は11:00~13:30
※日曜日は夜明け~9:30は「喫茶あけがた」、10:00~はシェアキッチンで「ナショナル・ピザ」が営業。
定休日:水・木曜日
駐車場:あり

カフェの奥には貸しスペースも

カフェの奥には貸しスペースもありました。大人数でランチをする場合にも使用できます。

カフェのみの利用も可能ですが、是非生家の方も覗いてみてください。岡山出身の詩人のことを知る、いいきっかけになりました。私は今回初めて永瀬清子を知ったと思ってましたが、岡山県内に永瀬清子が作詞・補作・校閲した校歌をもつ学校が33校34曲もあり、実は清子作詩の校歌を聞いたことがありました。気づいてなかっただけで、身近に清子の詩が存在していたという方もいるかもしれません。気になる方は調べてみてくださいね!

【永瀬清子生家】
所在地:岡山県赤磐市松木691
TEL:070-3783-0217
営業時間:10:00~16:00(最終入場15:30)
定休日:水曜日・木曜日(8月・年末年始)
駐車場:あり
マップを見る

同じテーマの記事

このライターの記事