【岡山の古墳】岡山市内で石棺が気軽に見られる場所3選!
石棺といえば、普通は古墳の中に置かれているか、博物館の中に展示されているものだと思いますよね。しかし古墳の宝庫である岡山県では「え、こんなところに?」という意外な場所に石棺があります。今回は比較的気軽に見学できる岡山市内のスポット3ヶ所をご紹介します。
- ライター
- 田中シンペイ
- 掲載日
- 2025年6月17日
1.JR備前一宮駅
まずは、駅のホームに半分に割られた石棺の蓋が置いてあるという、なかなかクセの強いスポットをご紹介します。
ちなみに、石棺の下半分を「身(み)」、上半分を「蓋(ふた)」と言います。
参考解説:「備前一宮」とは
「吉備の中山」は、桃太郎の原型とされる「吉備津彦命(きびつひこのみこと)」の生涯にゆかりの深い場所で、古来から山全体が信仰の場であり、史跡の宝庫となっています。その山の麓に2つの大きな神社があります。
・今回取り上げた「備前一宮駅」から徒歩約3分ほどの場所にあるのが「吉備津彦神社」です。駅名のとおり備前国で最も格式の高い「一宮」で、「吉備津彦命」をご祭神としています。
・もうひとつ、JR桃太郎線の隣の駅「吉備津駅」の近くには「吉備津神社」(彦が付かない)があり、同じく「吉備津彦命」をご祭神とする備中国の「一宮」です。
このふたつの神社はルーツは同じですが、飛鳥時代に吉備の国が分割された際に「吉備の中山」に国の境界線が設定され、備前国と備中国の双方に「一宮」として存在することになったのだそうです。
2.青陵神社
板状の岩を組み合わせて作られた「箱式石棺」です。意図は不明ですが岩の隙間をモルタルか何かで埋めてあるようです。しかしながら、地元の方から大切にされていることがよくわかります。
「温羅」のお墓や首が埋められたとされる場所は岡山には複数あって少し混乱しますが、それだけこの地域の人々にとって重要な存在だったのだと思います。
3.岡山後楽園 正門前(岡山県立博物館)
まとめ
この写真は「造山古墳」(岡山市)の前方部に鎮座する「荒神社」の境内に残された石棺の蓋の破片です。部分的に赤い顔料が残っているのがお分かりいただけるでしょうか。境内には巨大な石棺の身も残されています。これらが造山古墳のものであるのか、他の古墳から運ばれてきたものなのか詳細は謎ですが、石材が熊本県産であることだけが分かっています。遠く熊本から巨石を運搬してくるなんて、古代の吉備と九州はどのような関係だったのでしょうか。
このように、ひとくちに「石棺」と言ってもいろんな特徴があり、さまざまな来歴や謎を秘めています。「石棺」それ自体が、とてもディープな世界を持っているのです。普段は特に興味のない人でも、思いがけず石棺を見かけたことで意外な伝承を知ったり、失われた史跡があることを知ったり、歴史に興味を持つきっかけになるとしたら素敵なことだと思います。物は試し、今回ご紹介した石棺を見学して、ぜひディープな世界に足を踏み入れてみてください。
地図
- JR備前一宮駅
- 青陵神社
- 岡山後楽園 正門前(岡山県立博物館)
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