瀬戸内海と鳥居が織りなす岡山県の絶景スポット3選

瀬戸内海に面した岡山ならではの穴場的な絶景スポットを紹介します。海と鳥居の組み合わせは自然と伝統が織りなす至高の景観です。今回ご紹介する場所はメジャーな観光地からも比較的近いので、その付近を訪れた際にはぜひ足を運んでみてください。
掲載日:2025年09月16日
  • ライター:田中シンペイ
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1.穴石神社(瀬戸内市)

まずは私の地元である瀬戸内市からご紹介します。神社のある場所は市内南東部の静かな海岸で、一般の観光客はまず訪れることのない穴場的なスポットです。木々の合間からのぞく小さな入り江に、よく見ると古い鳥居があることに気が付きます。
神社へ向かう道は大きな車が通れそうにない狭路なので、軽自動車かオートバイ、電動アシスト自転車などで行くことをおすすめします(軽自動車でもギリギリです…)。そして、最後は徒歩で海岸まで降りていくことになります。車道の脇に現れる小さな歩道(写真の左端)を見落とさないようにしてください。
つづら折りの坂を下っていくと海岸に出られます。このルート以外に神社まで行く方法がないので、おそらくこの浜辺が参道なのだと思います。とても静かで、心が洗われるような自然のままの海岸です。
植生が南国っぽいためでしょうか、南西諸島の海岸のような雰囲気があります。また、浜に流れ着いている石もカラフルで何か不思議な感じです。
漂着物が多いのは、おそらく地理的な要因で物が流れ着きやすい場所なのだと思います。
あくまで他の地方で聞いた話ですが、日本では古来より、海からの珍しい漂着物を神として祀る信仰形態があるため、物が流れ着きやすい海岸には神社やお寺が建っていることが多いのだとか。
この浜からのぞむ播磨灘は風情があって、それでいて雄大です。沖にうっすらと浮かぶ家島諸島はまるで蜃気楼のようでした。
たどり着くのに少し苦労する立地ではありますが、牛窓からの距離はそれほどありません。ぜひ、牛窓観光に合わせてトライしてみてください。

2.穴場稲荷(倉敷市)

次にご紹介するのは、その名も「穴場稲荷」。赤い鳥居がいくつも連なる厳かな光景と、瀬戸内海を見渡せる絶景が展開されます。場所は倉敷市の下津井で、鷲羽山スカイラインからのアクセスが良好なので、瀬戸大橋観光で訪れた際にはぜひ立ち寄ってみてください。
参道はそこそこハードな登り坂です。動きやすい服装とスニーカーなど、少なくともハイキングができる程度の服装で行ってください。この写真で伝わるか分かりませんが、下の海岸まで垂直に感じられるほど急峻な斜面になっているので、高所恐怖症の人には少し厳しいかもしれません…。
3つの鳥居がそれぞれ異なる方向を向いていて、まるで異世界に迷い込んだような感覚になります。私のお気に入りのスポットで、「おか旅」ライターのプロフィール写真にも使わせてもらっています。
瀬戸大橋の展望スポットは、橋を下から見上げるか、あるいは上から見下ろす場合が多いので、橋を走行する自動車や鉄道を同じ高さから見られるスポットは珍しいと思います。
拝殿までは比較的すぐに到着するのですが、奥の院までは長くてキツい登りが続きます。それでも頑張って登れば、後ろを振り向いたときに苦労が報われるような絶景が広がっています。
ちなみに、下に見えている広場と駐車場は「田土浦公園(たづちのうらこうえん)」で、巨大な瀬戸大橋を真下から見上げることができる絶景スポットです。
登り切った先にある「穴場稲荷」奥の院です。磐座(いわくら)と思われる巨大な石組みの中には、何ともかわいらしいお稲荷様が鎮座しています。

3.田土浦坐神社(倉敷市)

「田土浦坐神社」は「たつちのうらにましますじんじゃ」と読みます。この名前を聞いただけでも、どんな神社なのか行ってみたくなりますね。場所は倉敷市の下津井で、「穴場稲荷」とは瀬戸大橋を挟んで反対側に位置しています。ここからも瀬戸内海の多島美と大迫力の瀬戸大橋がのぞめます。
2017年公開のアニメーション映画『ひるね姫~知らないワタシの物語~』では、主人公たちが下津井に住んでいる設定で、このあたりの風景が劇中に何度も登場します。映画の内容は、2020年を舞台にして自動運転が主なテーマとなっているほか、生成AIやウイルスの蔓延を髣髴とさせるような描写もあり、今こそ見るべき映画かなと個人的には思います。動画配信サイト等で見られるので、興味のある方はぜひ。
鳥居の先には古い港町らしい景観が広がっています。劇中では、バス停に向かう主人公がこの階段を駆け下りて、家々の狭い路地をすり抜けていく様子が活き活きと描かれていました。主人公の声を演じる高畑充希さんの岡山弁が非常~にカワイイので、それだけでも見る価値があると思います(笑)。

まとめ

旅先で海と鳥居が織りなす光景に出会うと、思わず足を止めて見とれてしまいますよね。単に風景として美しいだけではなく、その土地の人々が連綿と自然や伝統を大切に守ってきたこと、そこに心が揺さぶられるのだと思います。

最後に、番外編として岡山市南区にある「高島神社」をご紹介してこの記事を終わりたいと思います。初代の天皇である神武天皇が8年間住んだとされる「吉備高島宮」の最有力候補地「高島」に鎮座する神社で、そこは児島湾に浮かぶ離島です。定期船もなく、神社は海の方を向いているので、個人で船をチャーターするか、あるいは児島湾の対岸にある遥拝所からのぞむしか参拝する方法がありません。しかし、ひとつだけ裏ワザがあります。それは新岡山港から出ている小豆島行きのフェリーに乗ることで、上の写真のように船上から鳥居や社殿を正面にのぞむことができるのです。新岡山港から小豆島を訪れる際には「高島神社」もぜひおさえておいてください。
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