塩と牛窓
製塩の歴史
塩を作る際には、海水をそのまま煮詰めるより塩分濃度を高めておいてから煮詰めたほうが効率が良いため、海水を太陽光で蒸発させて塩分濃度を高めておくための施設が「塩田」です。内海に面し、晴天率が高くて温暖な岡山県は塩を作るには最適の場所でした。
私の過去の記事で牛窓には古墳が多いというお話をしたことがありますが、古来より塩は重要な交易品であり、牛窓の人々が製塩で大きな富を得ていたことも牛窓に古墳が多い理由のひとつと考えられています。(写真は阿弥陀山古墳群)
師楽
この地で発見されたことから命名された「師楽式土器」という特殊な土器があります。海水を煮詰めて塩を作るための製塩土器の一種で、古墳時代にこのあたりで大量に製作され、後世の「備前焼」の発展にも関係していると考えられています。牛窓エリアは海上交通の要衝であると同時に、塩や土器の特産地でもあったのです。