気になる2つの神社!パワースポット「星神社」、決断の場所「鼓神社」(岡山市)
岡山市北区にある、パワースポットとして注目されている「星神社」と、備中國二宮で"決断の神社”とも呼ばれている「鼓神社」。どちらも同じ宮司が預っておられますが、それぞれ趣のちがう神社です。
両方参詣して興味を持ったライターが、宮司にうかがった話と共に2つの神社を紹介します。
- ライター
- イマオカ マコト
- 掲載日
- 2026年1月30日
目次
2つの神社をつなぐ宮司
今回、この二社の話をうかがったのが、星神社と鼓神社の両方を預かる宮司の山田智仁さんです。
神職としての知識が豊富なのはもちろん、博学で多面的な考えをお持ちです。とても分かりやすい言葉で、こちらの感覚に寄り添って話してくださり、柔和な笑顔が印象的な方でした。
本記事では、宮司の話を交えながら神社の紹介をしていきます。
星神社
まず訪れたのが星神社。近年「パワースポット」として知られるようになり、視界が開けた開放感と共に空に近い感覚を得られる場所として人気を集めています。
案内看板に従って木々に囲まれた細い道を進むと、突然、箱庭のような空間が現れます。石段と山門が周囲の景観と相まって、日常とは少し違う場所だと感じます。
ここから先は、別の場所
石段の途中にある山門は、境界としてとても分かりやすい存在です。
宮司曰く「山門は、神社側が“ここから先は別の場所ですよ”って伝えるためのもの」とのこと。
星神社の山門は周りが開けた石段の中腹にあり、異空間のゲートのようにも感じます。山門をくぐり石段を上りきり振り返ると、思わず足を止めて見惚れてしまう景色。
取材時は雨上がりでどんどん視界が開けていく様を見ることができました。空気が澄んだ青天時には香川県まで見えることもあり、車の音なども聞こえないこともあり、「星」の名の通り、空に近い神社だという感覚になります。
事実も理由も大事
奈良時代、星神社のある星神山(ほしかみやま)に三つの星が降ったという降星伝説。星神社のできるきっかけとなり「真星(まなぼし)」という地名としても残っています。
宮司は「本当に星が降ったとしても、そうじゃなくても“そう語り継がれた理由”が大事なんです」と話します。
「星が降ったと言いたくなるほどの体験を、人々がこの場所で重ねてきた。その記憶の積み重ねこそが現在を作り続けていくという考えがあってもいいのかな」と。
星神社に関わる人たちはそんな思いのつながりを大切にしているのかもしれないと感じました。
自分を確かめる大磐座(おおいわくら)
星神社の御祭神、稜威雄走神(いづのおばしりのかみ)、甕速日神(みかはやひのかみ)は、天より落ちた三つの星、三つの磐座(いわくら)から御降臨されたとあります。
その磐座は現在「大磐座(おおいわくら)」として本殿と融合するように鎮座しています。
「ここはお願いを並べるというより、自分の状態を確認する場所ですね」と宮司。
社殿にてご利益を願い、大磐蔵と向き合って今の自分を見つめ直す、というのはいかがでしょうか。ちなみにこの大磐座、上から見ると北斗七星の配置になっているそうですよ。
星神社は「道を示す神社」
星神社は、場所としても信仰としても「空に近い」神社だと感じました。それは場所や由緒はもちろん、視界の開け方や空気の抜け方も大きいかもしれません。
宮司の話にあるように、星(大磐座)と向き合い自分の状態を確認することで、進む道が示されるかもしれませんよ。
こちらにはお守りもあり、星をモチーフにした「星守」は人気とのことで、多くの方が同封の木札に願い事を書いて奉納しています。
星神社の御朱印は、宮司が常駐していないこともあり、鼓神社でいただけます。
【星神社】
所在地:岡山県岡山市北区真星1615
TEL:086-295-2298(鼓神社社務所)
鼓神社
鼓神社は、特別な体験をしに行く神社というより日々と共にある神社という印象です。
備中國二宮として長く氏子に慕われており、佇まいやその場所から「暮らしの中にずっと存在してきた」ことが、今の鼓神社の空気を形づくっているように感じられました。
日常を整えるための山門
鼓神社の山門は、星神社とは少し意味合いが違うようです。
「ここは非日常に飛ぶ場所じゃなくて、日常を整える場所ですね」と宮司。境目ではあるけれど、異空間への入り口ではない。
石段を上ると梵鐘があり、宮司曰く「お参り前に鳴らしてくださいね。お参り後だと故人を送る鐘になるので」とのこと。
参拝の際にはお気をつけください。
暮らしに寄り添う神様
鼓神社の主祭神は高田姫命(たかたひめのみこと)。吉備津彦命の后神とされ、英雄の物語と共に、土地と暮らしを支えてきた存在です。家内安全や子孫繁栄といったご利益が中心なのも、鼓神社が日々の判断や節目に寄り添ってきた証のように感じられます。
また桃太郎伝説への縁も深く、祭神の楽々森彦命(ささもりひこのみこと)」は猿、「遣霊彦命(やりたまひこのみこと)」は雉のモデルとされています。
備中國二宮
鼓神社は『延喜式神名帳』に記された備中國二宮、かつては5つの社殿が並ぶ「鼓五社大明神」と呼ばれる壮大な神社でした。現存する高さ4mの石造宝塔(1346年造立・重要文化財)には大日如来が彫られており、神仏習合時代の名残を色濃く伝える貴重なものです。
「格式も大事ですが、使われ続けてきた時間のほうが大事です」と宮司。山門、梵鐘なども含め、鼓神社がずっと氏子に慕われてきている事実を大事にしている、支え続けられているという価値を大切にしていることが伝わってきます。
鼓神社は「決断の神社」
神社の名前の由来は、大吉備津彦命が軍鼓を納めたという伝承から。
宮司曰く「実は軍鼓は戦を煽る道具じゃないんです」、「軍鼓を叩くのは、進むか、退くか、その判断を皆で共有するための合図で、音で煽るのではなく決断を揃えるためのものなんです」とのこと。
桃太郎伝説で吉備津彦命が温羅を討つ際、この地で布陣を整え最終的な決断を下したことから「決断の神社」と呼ばれていますが、軍鼓自体の意味あいも含んでいるんですね。
こちらには、人生の大きな転機や、覚悟が必要な場面で多くの人が参拝しています。
【鼓神社】
所在地:岡山県岡山市北区上高田3628
TEL:086-295-2298
御朱印について
両神社の御朱印は鼓神社でいただけます。鼓神社のお守りやおみくじ、お札もありますよ。
宮司からのお土産
話を聞く中で強く印象に残ったのは、宮司がロマンや理想を語るよりも、現実にどう続けていくかを一貫して重視していたことです。
宮司は「来られた人に、お土産を持って帰ってもらいたいんです」と。お土産とは物ではなく、言葉や視点、考え方などのこと。質問されれば話し、一人ひとりの参拝者と向き合う。その距離感が、この2つの神社の空気をつくっているように感じました。
「寂しいからですよ、普段の話し相手はカラスです」と冗談めかして笑う宮司からのお土産、いただきたいですね。
記事を読んで興味を持った方は、道を示す星神社から、決断する鼓神社へ、順番に参拝してみてはいかがですか。
紹介したスポットの場所(地図)
- 星神社
- 鼓神社
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