充実の展示内容で入館無料!「赤磐市山陽郷土資料館」が誇る古墳時代の至宝5選
赤磐市山陽周辺エリアの出土品などを展示する「赤磐市山陽郷土資料館」は、考古学的に貴重な遺物が豊富に展示されていて、なんと入館無料!それらの展示品のなかから、今回は個人的に選んだ古墳時代の見どころ5選をご紹介します。
- ライター
- 田中シンペイ
- 掲載日
- 2026年1月28日
目次
赤磐市山陽郷土資料館とは
「赤磐市山陽郷土資料館」は1978(昭和53)年に設立された考古資料を収蔵・展示する施設で、現在は赤磐市教育委員会によって管理運営がなされています。場所は赤磐市役所にほど近く、わかりやすい市内の中心部にあって駐車場も完備されています。
館内には縄文時代から室町時代まで、この地域にまつわる多彩な文化財がわかりやすい解説パネルや模型などをまじえて紹介されています。
1.環頭大刀「岩田14号墳」
環頭大刀「岩田14号墳」
「環頭大刀(かんとうたち)」とは、柄頭(つかがしら:刀剣を握る部分の下端)に環状の飾りを付けた「装飾付き大刀」の一種で、おもに古墳時代に作られました。「岩田14号墳」から出土した「単龍環頭大刀(たんりゅうかんとうたち)」は、龍の頭部を環の中に立体的に表現したものです。
岩田14号墳とは
山陽団地の造成工事中に、墳丘の上部が失われて埋もれていたところを偶然発見されました。6世紀中頃に築かれた横穴式石室を持つ円墳で、未盗掘だったため700点にも及ぶ膨大な副葬品が出土しました。現在は墳丘や石室が復元され、元の場所で現状保存されています。

環頭大刀「岩田14号墳」
素材は銅地に金張り、柄には銀の線が巻かれるという荘厳なつくりとなっています。「岩田14号墳」からは「単龍環頭大刀」が二振も出土しました。
2.雁木玉「岩田14号墳」
管玉・勾玉・ガラス玉「岩田3号墳」
山陽エリア各地の古墳からは豊富な装飾品も見つかっていて、上の写真はかつて「岩田14号墳」と同じ山陽団地内の丘陵にあった「岩田3号墳」から出土したものです。勾玉(まがたま)や管玉(くだたま)は歴史の授業にも出てくるので皆さんもご存じですよね。ところが、「岩田14号墳」からは「雁木玉(がんぎだま)」という聞き慣れない非常に珍しいものが出土しました。
雁木玉「岩田14号墳」
「雁木玉(がんぎだま)」とは、縞模様のある小さなガラス玉のことです。「岩田14号墳」の出土品は白、緑、黄、赤の4色の縞模様が斜めに配された見事なもので、とても高度な技術を要するガラス製品です。
雁木玉「岩田14号墳」
「雁木玉」は西アジア・中東あたりから海を越えて伝わってきたものと考えられていて、日本国内では20点ほどしか見つかっていないそうです。もちろん岡山県で「雁木玉」の現物を見られるのはここだけです。
3.甲冑「正崎2号墳」
甲冑「正崎2号墳」
こちらは「正崎2号墳」から出土した甲冑です。胴を守る「短甲(たんこう)」や首まわりを守る「頸甲(あかべよろい)」、頭部を守る「冑(かぶと)」など複数の部位で構成されていて、肩を守る「肩甲(かたよろい)」に特徴があります。(展示では肩甲の部分のみレプリカです)
正崎(しょうざき)2号墳とは
現在「山陽ふれあい公園」がある丘陵には、かつて6基からなる正崎古墳群が存在していました。1、3、5、6号墳は公園内に現状保存されましたが、2号墳と4号墳は「記録保存」とされ、詳細な発掘調査の後に消滅しました。正崎2号墳は5世紀後半頃に築かれた円墳で、この地域の首長クラスが埋葬されていたと考えられ、武具や馬具など豊富な副葬品が出土しました。すでに盗掘されていた正崎4号墳の箱式石棺は同公園内に復元保存されています。
甲冑についての詳細がパネルで解説されています。肩の部分は「小札肩甲(こざねかたよろい)」と呼ばれるそうです。大きさの異なる「小札(こざね)」という小さな鉄の板を革ひもでつないだ複雑なつくりで、このタイプのものは国内では「正崎2号墳」の一例しか見つかっていないそうです。
甲冑の脇に整理して展示されているのが出土した「小札」です。古墳時代にここまで精巧なつくりの甲冑が存在したことに驚かされます。
4.画像鏡「用木1号墳」「正崎2号墳」
画像鏡「用木1号墳」
「画像鏡」とは、「乳(にゅう)」という丸い突起が配置されたスペースに神や動物などをレリーフで表現した青銅製の鏡のことです。ここでの「画像」は一般的に使われている意味とは異なり、中国の漢の時代に墓地を装飾していた「画像石(がぞうせき)」という石のレリーフに由来しています。上の写真は山陽団地の造成工事にあたって発掘調査された「用木1号墳」から出土したものです。
画像鏡「正崎2号墳」
中国の後漢~三国時代のものが日本に伝わり、それをもとに日本でも製作されたそうです。「正崎2号墳」から出土した「画像鏡」は国内で製作されたものと考えられています。
5.陶棺「小枝2号墳」「吉原3号墳」
陶棺「小枝2号墳」
「陶棺」は文字通り焼き物で作られた棺(ひつぎ)で、おもに岡山県や近畿地方などで出土します。これまでに国内で確認された陶棺のうち7割以上が岡山県で出土したものだそうです。古代から岡山では窯業が発達していたんですね。
陶棺「吉原3号墳」
圧倒的な出土数を誇る岡山県内でも、とくに美作と備前エリアが多いそうです。館内には実物の「陶棺」がいくつも展示されていて、ガラス越しではなく間近に見ることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回ご紹介したのは展示品のほんの一部です。古墳時代以外にも縄文時代から室町時代まで、多種多様な出土品が展示されていて、入館無料というところが本当にすごいと思います。館内では、上の写真のように小さなお子様にも興味を持ってもらえるような工夫があったり、多くの方に歴史に触れてもらうことを目指していることがよく分かります。歴史に少しでも興味のある方なら、行かない手はありません。
月曜日と祝日がお休みなので気を付けてくださいね。
【赤磐市山陽郷土資料館】
所在地:岡山県赤磐市下市337
TEL:086-955-0710
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料:無料
休館日:月曜日、祝日、年末年始
駐車場:あり
ちなみに、「御墳印ラリー」の「両宮山古墳(りょうぐうざんこふん)」と「牟佐大塚古墳(むさおおつかこふん)」の御墳印スタンプはこの館内に設置されています。
地図
- 赤磐市山陽郷土資料館
Google Mapの読み込みが1日の上限を超えた場合、正しく表示されない場合がございますので、ご了承ください。














































