知っていれば岡山通?岡山県の難読地名10選
地元住民なら読めて当たり前だけど、他の地域の人が初見で読むのは難しい…。今回はそんな岡山県内の難読地名の中から、難しい漢字が使われているわけではないのに意外と読めない地名10選と、それぞれのおすすめ観光スポットをご紹介したいと思います。
- ライター
- 田中シンペイ
- 掲載日
- 2026年2月27日
目次
1.伊部(備前市)
備前市の「伊部」は「いんべ」と読みます。古代に祭祀の道具を製作していた部民「忌部(いんべ)」が住んでいたことに由来するそうです。おそらく祭祀用の土器を朝廷に納めていて、それが備前焼の発展へとつながったのだと思います。
部民(べみん)とは
古代の日本で特定の職種を担当した技能集団のこと。人名や地名の由来になることが多く、よく知られている例としては「服部(はっとり)」があります。もとは機織りを担当する「機織部(はたおりべ)」と呼ばれ、やがて漢字や発音が省略されて「服部」と書いて「はっとり」と読むようになったと言われています。
【周辺のみどころ】
「伊部」といえば備前焼の里!JR伊部駅から徒歩圏内に魅力的なスポットがたくさんあります。駅の目の前にある「備前市美術館」と、駅から徒歩5分ほどの位置にある「伊部南大窯跡」が特におすすめです。
2.宇甘(岡山市)
岡山市北区の「宇甘」は「うかい」と読み、地名のほかに河川の名称にもなっています。古代に「鵜飼い」を担当していた部民「鵜飼部(うかいべ)」が住んでいたことに由来すると言われています。現在では、慣例的に「うかん」とも読むそうです。これは余談ですが、岡山市東区には「宍甘(しじかい)」という難読地名もあり、こちらは猪や鹿(シシ)を飼っていた部民に由来するそうです。
【周辺のみどころ】
「宇甘川」が「旭川」に合流する地点の上流側の堤防に桜が植えられていて、春には見事な桜並木が見られます。(開花時の写真は以前に撮影したものです)
3.邑久(瀬戸内市)
瀬戸内市の「邑久」は「おく」と読みます。古代には「大伯」と書いて「おおく」と読み、さまざまな文献に出てくる歴史のある地名ですが、由来についてはよくわかりません。『万葉集』でその名を知られる「大伯皇女(おおくのひめみこ)」は、船で畿内から九州へ向かう途中に大伯の海域で生まれたことから名付けられたそうです。
【周辺のみどころ】
邑久といえば、岡山が誇る大正ロマンを代表する画家・竹久夢二の出身地!生家と郷土美術館などがあります。
4.鹿忍(瀬戸内市)
瀬戸内市の「鹿忍」は「かしの」と読みます。牛窓のとなり町的な感じで、ペンションや別荘が多いエリアになります。この地に古くから鎮座する「鹿忍神社」は奈良県の「春日大社」と深いゆかりがあるようで、“神が鹿に乗って忍んで来た”という伝承にもとづいた名称なのだそうです。
【周辺のみどころ】
「鹿忍神社」は古式ゆかしいだけではなく、瀬戸内海を一望できる素敵なロケーションなので、ぜひ一度訪れてみてください。鎮座する山は「鹿歩山(かぶやま)」と呼ばれていて、境内の裏手には「鹿歩山古墳」という大きな前方後円墳もあります。
5.神庭(真庭市)
真庭市の「神庭」は「かんば」と読みます。“カンバ”は崖のことを意味するそうで、漢字としては「甘波」「神場」などさまざまな字があてられ、最終的に「神庭」になったようです。
【周辺のみどころ】
「神庭の滝」はダイナミックかつ神秘的で、神の庭という漢字のチョイスにも納得です。
6.首部(岡山市)
岡山市北区にある「首部」は「こうべ」と読み、温羅(うら)伝説にゆかりのある地名です。吉備津彦命に討ち取られた温羅の首が埋められたのはこの場所だとされていて、首がいつまでも唸り続けるので吉備津神社に移されたのだそうです。近くには源平合戦の古戦場もあり、首塚はそちらに由来するという伝承もあります。
【周辺のみどころ】
「白山神社(はくさんじんじゃ)」の境内には首塚とされる小さな塚が残され、五穀豊穣の神様として祀られています。狛犬の姿勢にも注目してみてください。
7.周匝(赤磐市)
赤磐市の「周匝」は「すさい」と読みますが、由来は諸説あってはっきりしません。「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」に由来するという説や、「サイ」は鉄にまつわる言葉なのでタタラ製鉄に由来する説などがあります。余談ですが、「匝」といえば千葉県にある「匝瑳(そうさ)市」も難読で有名ですね。
【周辺のみどころ】
「周匝」を見下ろす山の上に築かれた「周匝茶臼山城」は中世の城跡が歴史公園「吉井城山公園」として整備されていて、竪堀(たてぼり)などの防御施設をわかりやすく見学することができます。桜の名所でもあるので、春に訪れるのがおすすめです。
8.美袋(総社市)
総社市の「美袋」は「みなぎ」と読みます。詳しい由来はわかりませんが、高梁川の水がはげしく流れる様子から「みなぎ」という地名が生まれ、時代とともに表記に使用される漢字が変化した結果ではないかと考えられます。
【周辺のみどころ】
「JR美袋駅」には登録有形文化財にも指定された大正時代のレトロな駅舎が残され、CMの撮影などに使用されています。
9.柵原(美咲町)
美咲町の「柵原」は「やなはら」と読み、かつては硫化鉄鉱の鉱山として非常に栄えた地域でした。地名の由来はわかりませんが、「柵」には「やらい」という読みがあるので「やらいはら」などが変化したのかもしれません。
【周辺のみどころ】
「柵原ふれあい鉱山公園」では廃線となった片上鉄道の「吉ヶ原(きちがはら)駅」に車両が展示保存されているほか、鉱山に関する資料館も併設されています。
10.飯岡(美咲町)
美咲町の「飯岡」は「ゆうか」と読みます。由来には諸説ありますが、集落の背後の山にある大きな古墳が飯を盛ったような姿をしていることから「飯岡(いいおか)」となり、音便の変化で「ゆうか」となったようです。
【周辺のみどころ】
「飯岡」の集落からしばらく山道を登った先に「月の輪古墳」という直径約60メートルの大きな円墳が残されています。ここではかつて、学者、学生、飯岡の住民が一体となって発掘調査が行なわれ、考古学の世界では「月の輪式発掘」として広く知られているそうです。
紹介したスポットの場所(地図)
- 備前市美術館
- 伊部南大窯跡
- 宇甘川の桜並木
- 夢二郷土美術館 ほか
- 鹿忍神社
- 神庭の滝
- 白山神社(首部)
- 吉井城山公園(周匝茶臼山城)
- JR美袋駅
- 柵原ふれあい鉱山公園/柵原鉱山資料館
- 月の輪古墳
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