久米南町「誕生寺」と瀬戸内市「弘法寺」。日本三大練供養が見られるお寺が岡山に2つも!
奈良県の「當麻寺」とともに、日本三大練供養を見ることが出来るお寺が岡山県には2つあります。久米南町にある「誕生寺」と、瀬戸内市にある「弘法寺」です。平安時代に迎講という極楽浄土に向かう予行練習として始まった儀式で、現在は練供養(「弘法寺」は踟供養)と呼ばれています。この記事ではそれぞれの見どころや違いについてご紹介します。(画像提供:誕生寺)
- ライター
- 大岩主弥
- 掲載日
- 2026年4月7日
練供養(ねりくよう)とは
平安時代には現在でいうところの"終活”が盛んだったと言われています。極楽浄土行くことは簡単ではなく、いざその時に困らないように、確実に極楽浄土に行くための予行練習として「練供養」が行われていたそうです。本来、迎講(むかえこう)という法会の中で行う行列の俗称が練供養なのだそうですが、現在は練供養という名前の方が一般に知られているかもしれません。
日本の練供養発祥の地と言われているのは、奈良県の「當麻寺(たいまでら)」。起源は平安時代に遡ります。浄土信仰の背景に生まれた行事で、1005年(寛弘2年)に恵心僧都・源信が始めたといわれています。その年、源信はまず比叡山で練供養会式を行い、その後故郷の「當麻寺」に戻り、こちらで継続的な法要を始めたと伝承されています。そこから千年を超える伝統が受け継がれています。
練供養会式は極楽に見立てた本堂(曼荼羅堂)から現れる二十五菩薩が天童を先頭に練り歩き、来迎橋をわたり娑婆(人間界)に降り立ちます。そこで、娑婆の人間(多くの場合は中将姫の化身)を連れて、極楽浄土である本堂に戻っていき、極楽往生を遂げるという流れになっています。お寺ごとに多少の違いはありますが、基本的な流れは同じです。練供養は午後から夕暮れ時に行われます。極楽浄土に辿り着くときに本堂の後ろ側にちょうど夕日があり、そこに行列が向かって行くように考えられているのです。
誕生寺について
浄土宗の開祖である法然上人。久米南町にある「誕生寺」は、法然上人の弟子である熊谷直実(蓮生法師)が1193年に法然上人の生家を寺院に改め開基したのがはじまり。800年を越える歴史を持つ由緒正しきお寺です。現存する御影堂・山門は国重要文化財に指定されています。山門をくぐると広々とした境内。入り口近くの逆木の公孫樹(さかきのいちょう)をはじめとした“誕生寺七不思議”など見どころも沢山あります。練供養を見る前に是非境内散歩もしてみてくださいね。
【誕生寺】
所在地:岡山県久米郡久米南町里方808
TEL:086-728-2102
駐車場:普通車80台、大型車20台
アクセス:電車の場合/津山線でJR岡山駅から約1時間、誕生寺駅下車。徒歩約15分。
車の場合/中国自動車道院庄ICから約20分。
誕生寺の練供養
「誕生寺」の練供養の正式名称は、「法然上人御両親御追恩二十五菩薩天童迎接練供養会式大法要」。室町時代より始まり、現在岡山県の無形文化財に指定されています。法然上人のご両親を供養する浄土宗唯一の大法要で、日本三大練供養の1つに数えられています。毎年4月の第3日曜日に開催されます(2026年は4月19日開催予定)。
特筆すべきは先述のとおり法然上人のご両親を浄土へお迎えする唯一の法要となっていること。年ごとに、父・時国公、母・秦氏を交互に供養するもので、2026年は時国公の御輪番供養となっています。誕生寺本堂を極楽浄土にたとえ、山門手前300メートルほどに位置する六地蔵の祀られている娑婆堂を現世にたとえ、浄土門主御代理導師のもと二十五菩薩の来迎によってお浄土へお迎えするという儀式です。2026年は11:00から法話や法要が行われます。練供養に興味がある方は、御影堂で13:30から始まる追恩大法要からご参加くださいとのことでした。
弘法寺について
瀬戸内市にある「弘法寺」は、662年に天智天皇の勅命により建立され、平安時代初期の807年に空海が方三丈の堂を建立し千手観音を安置。それ以降「千手山(せんずさん)弘法寺」と称するようになったと言われています。1967年の失火により主要な建造物が焼失し、常行堂・御影堂・一切経蔵・鎮守社など一部の建物が現存するのみ。焼失前は境内を使い踟供養が行われていましたが、現在は塔頭(たっちゅう)のひとつである遍明院で行われています。焼失を免れたご本尊の千手観音も遍明院が管理しているそうです。弘法寺常行堂は、天明元年(1781年)に再建されたもので、瀬戸内市指定重要文化財。本尊の尊顔を礼拝できるよう、上層部の正面中央部に窓が設けられています。踟供養の日には窓を開き、尊顔を拝見出来るそうです。
【弘法寺】
所在地:岡山県瀬戸内市牛窓町千手239(遍明院)、牛窓町千手196(東壽院)
TEL:0869-34-2050(遍明院)
駐車場:普通車40台
アクセス:電車の場合/JR西大寺駅から牛窓行きバス約20分「千手弘法寺前」下車、徒歩約5分。
車の場合/岡山ブルーライン西大寺ICから約20分。
踟供養(ねりくよう)が行われる遍明院
千手山弘法寺踟供養
稚児行列には参加可能
誕生寺練供養、弘法寺踟供養ともに稚児行列のお稚児さんを募集しているとの事でした。お稚児さんは仏に近い無垢なる存在として、行列の先触れを務めます。また参加することで、子どもの健やかな成長や身の安全を願う意味があります。 子どもが仏さまと出会う大切な機会。参加希望の方はお寺に直接連絡してみてください。
<誕生寺練供養>
TEL:086-728-2102(誕生寺会式法要奉賛会/誕生寺内)
冥加料:3,500円(貸衣装代含む)
<弘法寺踟供養>
TEL:090-6843-9333(東森)※お稚児さん担当
※詳細はお問い合わせください。
まとめ
数百年前の時を越え今も受け継がれている練供養。年に一度しか見られないこの機会に足をお運びください。また、「誕生寺」も「弘法寺」もここでは紹介しきれないほどに多くの見どころがありますので、是非自分の目で見に行ってみてくださいね。
紹介したスポットの場所(地図)
- 誕生寺
- 弘法寺
- 遍明院
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