「クワイ河に虹をかけた男」永瀬隆さんゆかりの場所を訪ねて(倉敷市・総社市)
永瀬隆さんという方を知っていますか?現在の岡山市南区福田地域に生まれた永瀬隆さんは、第二次世界大戦で陸軍通訳として従軍。戦後、自身の経験からタイをはじめとした各国の戦争被害にあわれた方やご遺族の方と友好の橋を架けるために、一生涯をかけて尽力された方です。そんな永瀬さんの、ゆかりの場所を訪ねてみました。
- ライター
- 大岩主弥
- 掲載日
- 2026年3月26日
永瀬隆さんについて
永瀬隆さんは、陸軍憲兵隊の通訳として泰緬(たいめん)鉄道建設に関係し、戦後その贖罪(しょくざい)と和解の活動に一生をささげた人物。泰緬鉄道はタイとビルマ(現ミャンマー)を結ぶ全長415キロの軍事鉄道で、日本軍がインパール作戦に向けて物資輸送の手段を確保するために建設を計画したものです。1942年6月に着工し、わずか1年半足らずで完成させました。この驚異的な突貫工事を遂行するために、日本軍は連合国捕虜約6万人や、周辺国の25万人以上の労務者を動員。劣悪な環境の下で虐待も伴う過酷な労働を強い、多くの死者を出しました。その数捕虜約1万3000人、アジア人労務者は推定数万人とされています。永瀬さんは終戦後、連合国軍が行った墓地捜索隊に同行したことをきっかけに、日本軍が捕虜に強いた行為と向き合いました。そして日本人が戦時中に行ったことを悔い、犠牲者を慰霊するためタイへの巡礼を始め、それを一生涯続く活動とされました。妻の佳子さんと二人三脚で続けた活動は着実に実を結び、1976年には建設現場の一つであるクワイ河鉄橋で元捕虜と旧日本軍関係者が再会する事業を実現しました。
ドキュメンタリー映画『クワイ河に虹をかけた男』(満田康弘監督)を見ると、永瀬さんの生涯にわたる活動が詳しくわかるので、ご興味ある方は是非。この記事の表題も映画の題名をお借りしました。この段落も映画の記事をもとに紹介しています。
奥様と通われていた倉敷の「小田珈琲館」
永瀬さんが奥様と通われていた「小田珈琲館」。
倉敷市鶴形の本店がなくなった後は、JR山陽本線倉敷駅より徒歩約3分のところにある、天満屋4階の店舗にもよく通われていたそうです。雰囲気よく、ゆったり出来る店内。私はモーニングセット(850円)をいただきました。トーストは絶妙な焼き加減。卵もサラダもついて満足感が高いです。コーヒーは、ソフト(まろやかな苦みとコク)、マイルド(軽い苦み)、フレンチ(苦みをきかせた重厚な味)から選べます。好みに合わせて味が選べるのは珈琲専門店ならではですね。雑談ですが、私の接客をしてくださったのは小田さんでした。ご家族で末永く続けてもらいたいお店です。
【小田珈琲館 天満屋倉敷店】
TEL:086-426-2444
営業時間:10:00~18:30
定休日:元日のみ
駐車場:あり(天満屋契約駐車場)
太陽の道が通る総社市「備中国分寺」
遺跡や聖地といったパワースポットが、地理的に一直線上に並ぶ太陽の道(レイライン)。
永瀬さんは太陽の道に興味を持たれていたそうで、そのうちの1つが総社市の「備中国分寺」を通るという話から、この近くにも家を持っていたそうです。JR桃太郎線の総社駅からタクシーで約15分、またはレンタサイクル約40分。 確かに総社市は古代遺跡が沢山存在するパワースポットです。「備中国分寺」の五重塔はこの辺りのシンボルとして聳え立っているので、見たことある方も多いかもしれません。まだ行ったことのない方は、是非その姿を眺めに行ってみてください。
【備中国分寺】
TEL:0866-94-3155(国分寺観光案内所)
料金:無料
駐車場:普通車200台、大型車15台
永瀬さんのご自宅を改装した「ひょん」
現在、就労継続支援B型事業所として運営されている「ひょん」は、JR山陽本線西阿知駅から徒歩約10分のところにある永瀬さんのご自宅を改装したお店です。
名前の由来は「ひょんなことから」の「ひょん」。たまたまを大切に、偶然起こる出来事や思わぬ出会いを楽しめるような場を目指しているそうです。実はこの永瀬さんの旧宅に出会ったのもひょんな出会いからだそう。、お店にするための古民家の下見をしてていた際に、トップの写真にある「タイ国クワイ河開発協力隊編成本部」をたまたま見かけて気になったことが始まり。その出会いが、「ひょん」での映画『クワイ河に虹をかけた男』の上映会にもつながりました。
そんな感じに「ひょん」では古民家を活用したいろいろな事業をされていますが、基本コンセプトは「発酵」をテーマに「おいしいもの、いい匂いのするもの」を扱う事。おむすびやお味噌汁、自家焙煎コーヒーの提供、調味料や食品、本の販売、また張子や型染などの手工芸創作活動も無理のない範囲で行っているそうで、私が足を運んだ際は店内にある作業スペースで、皆様が元気に作業されていました。今回、私はぜんざい(500円)をいただきました。優しい甘さで美味しかったです。
【ひょん】
所在地:岡山県倉敷市西阿知町528
TEL:090-2861-7132
営業時間:月〜金曜日 、第1土曜日10:30〜16:00
定休日:土・日曜日、第1月曜日
駐車場:あり
「ひょん」な出会いがあるかも知れない展示スペース
お店の中は入り口からは想像できないほど広いです。奥にある離れは現在「なんでそんなん博物館」と題された展示スペースになっています。人気のため会期を延長して展示しているとの事でした。横須賀市明浜小学校ことばの教室の教諭・高松智行さんと協働し、同教室の取り組みを通して、学校教育の新たな可能性を探った企画で、子どもの「違い」を「課題」として矯正するのではなく、ポジティブに解釈し、その中に個性や魅力を見出す「なんでそんなん!?」の視点を大切にして生まれた作品の数々が展示されています。くすっと笑えるものから、考えさせられるものまで、子ども達の視点が素晴らしいのでこの機会に是非。人への愛が詰まった企画で、永瀬さんの旧宅で行われるのにぴったりな企画だと思いました。会期終了日は決まっていないようですので、気になる方はお店にお問い合わせください。先述した「タイ国クワイ河開発協力隊編成本部」の看板はこの離れの裏口にあります。
まとめ
最後に「ひょん」の近くにある永瀬ご夫妻のお墓にお参りさせていただきました。お墓には永瀬さんの生前の活動について詳しく書かれています。戦後80年を過ぎ、戦争の記憶が薄れゆく今、平和の大切さや永瀬隆さんのような方がいたという過去に思いを馳せることも大切な時間かもしれませんね。岡山を訪れた際には、是非足をお運びください。
今回訪れた場所(地図)
- 小田珈琲館 天満屋倉敷店
- 備中国分寺
- ひょん
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