西大寺鐵道記念館 〜岡山市街地と西大寺を結んだ「けえべん」を紹介するミュージアムがオープン!
かつて岡山市街地から西大寺(岡山市東区)のあいだを結んでいた「西大寺鐵道」。地元では「けえべん」と呼ばれていたこの鉄道は、1962年の国鉄赤穂線開通により姿を消しました。
2026年2月、当時の西大寺市駅の跡地に造られた「西大寺バスセンター」の一角に、その歴史と歩みを知ることができる「西大寺鐵道記念館」がオープン。現在の両備グループの源流となった知られざる岡山市の鉄道を、貴重な資料とともに紹介します。
- ライター
- toru.
- 掲載日
- 2026年4月21日
西大寺鐵道記念館とは
「西大寺鐵道記念館」は、かつて岡山市街地(後楽園駅)から西大寺市駅までの11.5kmを結んでいた軽便鉄道「西大寺鐵道」の歴史と歩みを伝えるミュージアムです。「西大寺バスセンター」に隣接した旧本社屋を活用し、2026年2月20日(金)に開館しました。
西大寺バスセンターはかつての西大寺市駅跡地に建てられた両備バスのターミナルで、建物は倉敷アイビースクエアや倉敷市庁舎を設計した「浦辺鎮太郎」により設計されました。バスターミナルの2階には、西大寺会陽に合わせて年に3日間だけ開館する「范曽美術館」、西大寺鐵道から名付けられた「西鉄ホール」がそれぞれあります。
見学は事前予約制です。開館日や予約方法についての詳細は、以下ならびに公式サイトを参照ください。
【西大寺鐵道記念館】
所在地:岡山県岡山市東区西大寺上1-1-50(両備バス 西大寺営業所敷地内)
TEL:086-943-3854
見学可能な時間:10:00~17:00(昼休憩12:00~13:00)
※最終入館は閉館の30分前
※毎年2月第3土曜の「西大寺観音院会陽」の行事にあわせて、3日間特別開館
休館日:日曜日、祝日
※夏季休業(8月13日~15日)年末年始休業(12月29日~1月3日)※その他臨時休業あり
入館料:無料
駐車場:あり(2台)
駐輪場:あり(バスセンターの駐輪場を利用)
注意事項:車いすでのご利用はできません。ペットの同伴はご遠慮ください(補助犬は可)
軽便鉄道とは
日本における鉄道の線路幅は、新幹線や一部の私鉄に採用されている標準軌(1435mm)、在来線に採用されている狭軌(1067mm)の2種類が多数を占めています。狭軌よりも線路幅が狭いものを「軽便鉄道」と呼んでおり、国内では黒部峡谷鉄道(富山県)がよく知られています。岡山県内では1990年に廃線となった「下津井電鉄」も軽便鉄道のひとつでした。
予約方法について
予約方法はWEB予約と電話予約の2種類が利用可能です。
1.Web予約(3営業日前まで)
西大寺鐵道記念館 予約フォームにアクセスし、必要事項を入力
2.電話予約(直前の予約も可)
TEL:086-943-3854(両備バス 西大寺営業所内)
受付時間:平日10:00 ~ 16:00(昼休憩12:00 ~13:00)
※夏季休業(8月13日~15日)、年末年始休業(12月29日~1月3日)を除く
アクセス方法
西大寺バスセンター直結のため、バスでのアクセスが便利です。この路線はかつての西大寺鐵道の後継路線ですので、往時に想いを馳せながら乗車してみてはいかがでしょうか。
<バスによるアクセス>
JR岡山駅東口(後楽園口)バスターミナル(10番乗り場)より両備バス「西大寺」行き乗車。「西大寺バスセンター」下車(所要時間約40分)。
※日中は約10~12分おきにバスが出ています。
<JRによるアクセス>
JR岡山駅から赤穂線に乗車、JR西大寺駅下車(所要時間約20分)。
JR西大寺駅から徒歩約15分。または、バス・タクシーをご利用ください。
館内のようす
かつての本社屋を改装した館内には、西大寺鐵道にまつわるさまざまな資料が展示されています。
こちらはタブレット。タブレットといえば現代では情報端末をイメージされるかたがほとんどかと思いますが、こちらは鉄道運行上の「通行手形」として使用されていたものです。当時は日本各地の鉄道で使用されていましたが、やがて信号機に取って代わられました。
また、訪れた日は一般公開2日目ということもあり、多くの来館者で賑わっておりました。
オープンから3日間は、当時の貴重な映像がエンドレスで再生されていました。
閉業式典や「さよなら列車」、沿線風景などを記録した作品「風雪五十二年」は、YouTubeで公開中です。
ミニジオラマ
館内奥のスペースに配置されていて目をひいたのは、西大寺鐵道沿線の風景をデフォルメして作られた「ミニジオラマ」。
後ろに貼られている当時の写真とともに、後楽園駅から西大寺市駅までのあいだにあった駅のようすなどをうかがい知ることができます。
社長室
館内左奥には、社長室を再現したスペースもあり、自由に立ち入ることができます。また、社長席は記念撮影スポットとしてもおすすめ。
社長室内には、当時使用されていた金庫や、後の両備グループが西大寺会陽の祝い主をしたときの記念品などが飾られています。
屋外には実際の車両も展示!
西大寺バスセンターの南側には、実際に使用されていた車両「キハ7号」が展示されています。こちらの車両は1936年に製造された気動車(ディーゼルカー)で、当時のトレンドであった丸みを帯びた流線型の形状が特徴的です。
前後には荷物台があり、乗客だけでなく自転車や荷物も載せて走っていたそうです。
なお、このコンセプトは両備バスのレトロバスSAIBUS(サイバス)に引き継がれています。
廃線跡に今も残るけえべんの残像
終点であった後楽園駅跡は、両備文化振興財団により「夢二郷土美術館本館」として利用されています。こちらでは郷土が生んだ大正ロマンを代表する画家「竹久夢二」の生い立ちや作品の数々に触れることができます。
風見鶏と赤煉瓦が特徴的な美術館の建物は、西大寺バスセンターと同じく「浦辺鎮太郎」による設計です。
また、路線跡のウォーキングマップも発行されています。こちらは「西大寺鐵道記念館」などで配布していますので、ご興味のあるかたは訪ねてみてはいかがでしょうか。
かつての駅名標が再現されているスポットや、駅舎を再利用しているスポットなどが所々に残っていて、当時に思いを馳せながら散策が楽しめます。
おわりに
以前より西大寺バスセンターの前に展示されている車両から、ここに鉄道があったことは存じ上げていましたが、詳しいことは知りませんでした。記念館にて熱心に展示を見ている多くのかたの姿からも、「けえべん」が西大寺の人々にとっての思い出の風景であることを改めて実感しました。また路線跡も探訪できたらと思っています。
紹介したスポットの場所(地図)
- 西大寺鐵道記念館
- 夢二郷土美術館本館
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