伝統的な庄屋のお屋敷!岡山市の「河原邸」に行ってみよう
岡山市にある庄屋屋敷「河原邸」は、江戸時代後期の生活様式を今に伝える貴重な歴史建築です。今回はその魅力を深く掘り下げていきたいと思います。
- ライター
- 田中シンペイ
- 掲載日
- 2026年4月21日
河原邸とは
「河原邸」は、岡山市北区御津の「紙工(しとり)」という場所に所在しています。ここは織物をつくる「倭文部(しとりべ)」が住んでいたことに由来する地名で、いつの頃からか製紙を行なうようになり、漢字の表記が「紙工」となったのだそうです。
河原氏は代々この地の庄屋を務めた家柄で、お屋敷は周辺よりも一段高い場所に建てられています。山裾に立派な石垣を築いて、集落を見渡せる高台に敷地を確保する様式は各地で見られるもので、高梁市にある著名な庄屋のお屋敷「広兼邸」と同様の構成になっています。
庄屋とは
江戸時代の農村には、集落をとりまとめる村長のような役割として「庄屋(しょうや)」が存在しました。東日本などで用いられる「名主(なぬし)」や「肝煎(きもいり)」という名称も同じ意味で、年貢の徴収や領主からの指示伝達などを担当し、農民と武士の関係を仲立ちしていました。読み書きや算術などの教養に加えて、高い信頼性が必要とされたそうです。そのため地元の名家が務めることが多く、武士から帰農することもあったようです。
長屋門
建物の正面には立派な長屋門が構えられていて、脇に高い石垣と漆喰の土塀が続く様子は武家屋敷を思わせます。
母屋
お屋敷の中心的な建物となる母屋は、「入母屋造り(いりもやづくり)」と呼ばれる格式のある建築様式でつくられています。部位によって使用する木材の品種を使い分けるなど、当地の風土に適したつくりとなっているそうです。そのおかげなのでしょうか、1839年に完成して以降、大きな修理などは行なわれていないのだとか。
八畳の座敷が3つも連なる様子は、さすが庄屋さま!という感じがしますね。座敷は全部で9つもあり、大きな土間や炊事場など、室内では当時の庄屋の生活様式をリアルに感じ取ることができます。
離れ座敷
2階建ての「離れ座敷」は明治時代に増築されたもので、母屋とは渡り廊下でつながっています。2階からの眺望が非常にすばらしく、ちょっとしたお殿様気分が味わえます。
土蔵群
屋敷の背後には立派な土蔵が何棟も建ち並んでいます。質実剛健な雰囲気でありながら、なかなか洒落たデザインだと思いませんか?
民俗資料展示室
長屋門の横に続く建物は納屋になっていて、現在は民俗資料の展示室として使用されています。展示品は武具から農具まで幅広く、江戸時代における庄屋という存在の特別な立ち位置をうかがわせます。
河原氏は、この地から少し北西に位置する「鍋谷城」(吉備中央町)を拠点としていた武将の家系で、主君の滅亡などを経て帰農し、江戸時代に庄屋となったそうです。お屋敷にどこか武家のような雰囲気が漂っているのも納得です。
まとめ
「河原邸」は地元の方々によって大切に管理されていて、私が取材している間もずっと剪定や草刈りの音が周囲に響いていました。植木や芝はきれいに刈られ、敷地内にはチリひとつ落ちていません。こうした地道な維持管理によって貴重な文化遺産が守られているのですね。しかも入館は無料なので、これは行かない手はありません。現在は母屋の一部を利用した「茶房 河原邸」も営業されています。
【河原邸】
所在地:岡山県岡山市北区御津紙工2248
TEL:086-726-0010(承芳交流館)
営業時間:9:00~16:30
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、12月28日~1月4日
駐車場:あり
【茶房 河原邸】
TEL:090-2996-0452
営業時間:金~日曜日11:00~15:00
定休日:月~木曜日、年末年始
内容:軽食等の提供、ワークショップなど
地図
- 河原邸
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