【岡山の古墳】少し不思議な「古墳のある風景」5選
古墳は時として、そのロケーションと相まって不思議な情景を生み出すことがあります。今回は、古墳の宝庫である岡山ならではの不思議な風景が見られるスポットを5つご紹介します。
- ライター
- 田中シンペイ
- 掲載日
- 2026年2月16日
1.峠古墳群(総社市)
このかわいらしい古墳たちは、峠古墳群の「峠1号墳」「峠2号墳」「峠3号墳」です。3つの古墳が同じ向きで仲良く並んで、まるで妖精でも住んでそうな不思議な情景をつくり出しています。
これらの古墳は道路整備のため発掘調査の後に移築され、現在は「歴史広場」という公園内で保存されています。移築が理由で狭い場所にひしめきあっているわけではなく、もともとこれくらい密集して築かれていました。峠古墳群は全部で67基からなる大規模な群集墳で、その多くは道路から東側の山腹に点在しています。
峠1~3号墳はいずれも直径10メートルほどの小さな円墳で、横穴式石室をそなえています。中に入ってみると外から想像するよりも奥行きと高さがあって驚きます。移築の際に確認のために付けたと思われる数字が石の表面に残っているので、訪れた際はそちらにも注目してみてください。
古墳の「石室」とは
「竪穴式石室」…地面にくぼみを作って棺を納め、石や粘土で覆ったものです。一度埋葬すると二度と開けることはなく、原則として埋葬されるのはひとりです。
「横穴式石室」…棺を納める地下空間「玄室」に、真横から通じるトンネル状の通路「羨道(せんどう)」を設けて外部との出入りを容易にした石室です。埋葬された後、その親族が亡くなった場合などに追葬できるようにしたと考えられます。

これらの古墳は小さいながらも周濠(墳丘を取り囲む堀)をそなえていました。「峠3号墳」は周濠に別の石室が設けられている珍しい事例です。
答えはこちらです。「戸瀬池(とぜいけ)古墳」は後世になって目の前に溜池がつくられ、現在は水際ギリギリに立地しています。横穴式石室を持つ古墳ですが、羨道は失われ、玄室の「まぐさ石」と「袖石」が見えている状態です。
水面に映る姿は周囲の植生と相まって非常に美しく、まるで一幅の絵画のようです。
3.摩利支天古墳(倉敷市)
竹林の中にたたずむ「摩利支天(まりしてん)古墳」は、非常に厳かな雰囲気に包まれています。
墳丘の盛土が失われ、残された横穴式石室の上には樹木が育って、何とも言えない不思議な情景をつくり出しています。
語彙力が貧弱な私には、「なんかジブリっぽい…」という形容くらいしか思い浮かびませんが、とにかく独特です。
羨道も失われていて、石室の内部には崩壊を防ぐための補強が入っています。手前の大きな石は、まぐさ石か天井石が落下したものだと思われます。まさに満身創痍といった状況で、今日まで残っていること自体が不思議な気がします。
「摩利支天古墳」は、所在する丘陵の東側から坂を上って、竹林の中をしばらく歩いた先にあります。距離は短いですが少し困難な行程になりますので、訪れる場合はしっかりとした準備が必要です。
4.東庄塚古墳(岡山市)
住宅地の中に突如現れる不思議な構造物…。その正体は墳丘の盛土を完全に失った「東庄塚(とうしょうづか)古墳」の横穴式石室です。奈良県にある有名な「石舞台古墳」のミニサイズ版といった感じですね。
手前が横穴式石室の奥側なので、奥壁を外側から見ていることになります。
奥壁にこんな薄い石が使われているなんて意外です!これは盛土に覆われていたら絶対にわからないことなので、横穴式石室の構造をつぶさに観察できる貴重な遺構だと思います。
※私有地には立ち入らないようにくれぐれもご注意ください
5.阿弥陀山56号墳(瀬戸内市)
再びクイズです。この写真のなかに古墳があります。さてどこでしょう?
答え:ローマ風の石柱のそばにある木立が「阿弥陀山(あみだやま)56号墳」です。ちなみに、この石柱も岡山空襲で被災した旧三井銀行岡山支店のファサードに使用されていたという歴史を持っています。
墳丘の盛土がほぼ失われて石室の上部が露出しており、こちらも石室の構造を観察できる貴重な遺構だと思います。場所は「牛窓オリーブ園」なので、訪れた際にはぜひ立ち寄ってみてください。
まとめ
いよいよ古墳散策に最適のシーズンがやってきました。少しマイナーな古墳は、夏季には草に覆われて見学が困難になることがありますので、今から初夏くらいまでがベストな時季だと思います。今回の取材で峠古墳群の「歴史広場」を訪れた際には、公園内にたくさん植えられている梅が開花を始めていました。今行けば、きっと満開の梅のもとで古墳見学ができると思いますよ。
紹介したスポットの場所(地図)
- 峠古墳群・歴史広場
- 戸瀬池古墳
- 摩利支天古墳
- 東庄塚古墳
- 阿弥陀山56号墳
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