天空の山寺「養東院」で枯山水の庭を眺めながらお灸体験(岡山市)

岡山市と吉備中央町の境近くに、枯山水庭園の代表的作庭師・重森三玲さんの最後の弟子、岩本俊男さんが作られた庭があるお寺「養東院」があります。ここからは遠く瀬戸内海や四国まで見渡せ、その立地はまさに天空の山寺です!澄んだ空気の中、枯山水のお庭を眺めながら、「ほうろく灸」体験をさせて頂き、心も身体もリフレッシュしてきました。
掲載日:2025年04月15日
  • ライター:高杉郁子
  • 1150 ビュー

養東院への道

岡山市北区、見晴らしの良い間倉山に位置する真言宗三室派「養東院」。県道429号からスマートフォンのマップ案内で山を登って行っていきました。途中狭い道もありましたが、普通車でも大丈夫な道でした。お寺の入り口には石塔もあり、迷わずたどり着けました。
 
岡山県南の市街地ではすでに散っていましたが、標高の高い場所にある「養東院」では河津桜が満開を迎えとてもきれいでした。(2025年4月3日撮影)
車を駐車場に置き、山門からおじゃましました。空気が澄んでいて、山門からの景色も絶景でした。

絶景が見られる天空の山寺

この日は春霞が出ていましたが、霞がなければ遠く瀬戸内海まで見渡せるそうです。まさに「天空の山寺」の絶景が目の前に広がっていました。冬場には雲海も見れるそうです。ウグイスの声も聞こえ、大自然の中にいる感じがしました。

枯山水の庭園

境内の枯山水の庭は、重森三玲さんの最後のお弟子である岩本俊男さんによって平成元年頃に造られました。重森三玲さんは岡山市の隣・吉備中央町出身で、昭和期の日本庭園の作庭家であり、日本庭園史の研究家です。機械加工そない手割りの石は、表面に凹凸があるので苔が付きやすく、年数と共に深みが生まれます。
写真左側の2つの島が此岸(しがん)と彼岸(ひがん)を表し、左側の島のそばの石の船で、彼岸に渡るそうです。一般的には三途の川を渡ると考えられていますが、海という説もあるそうです。この庭は大海原を航海し蓬莱山を目指す様子が表現されていて、右側の木のそばの立石があるところが蓬莱山です。
境内から参道を登ると空海の銅像があり、さらに登っていくと本堂があります。鳥の声が聞こえ、木々に囲まれた心地よい空気感が流れていました。
参道を登り切ったところにお寺の本堂があります。

通常非公開のご本尊様

普段は公開されていませんが、特別にご本尊様を見せて頂きました。

ほうろく皿でお灸体験

古来より封じものは原因不明の病気や酒乱などを胡瓜や竹、卵などに封じ込める呪術として行われています。その中で悪霊を封じる壺封じという呪術があり、そこで使用されていたのが焙烙(ほうろく)、つまり土鍋です。現在では、ほうろく皿を使ったお灸に至っています。お灸はよもぎの繊維で、ほのかに香りがしました。

百会のツボを温める

お灸は空海が中国から持ち帰ったという説があり、このお灸をほうろく皿にのせて頭にかぶり、百会(ひゃくえ)という頭頂部のツボを温めます。百会は神経及び血管が集まるツボで、ここを刺激することにより自律神経が整えられるといわれています。
頭に乗せたほうろく皿を落とさないか不安でしたが、約15分の瞑想と共に自分と向き合うのは心地よい時間です。お灸が始まってもすぐに熱くなるわけではありません。正座をしましたが、楽なスタイルでも大丈夫です。煙と共にほのかによもぎの香りがしました。
しばらくすると百会が熱くなってきました。手で持ち上げて熱さを和らげてもよいのですが、せっかくツボを温めているので、タオルハンカチを挟んで続けました。タオルハンカチを挟んだほうがお皿が安定しました(頭の形によります)。

終わりに

ほうろく皿が熱くなってから、温度が下がっていく間、じんわりと身体に熱が伝わってきました。最初は寒かったので室内で体験していましたが、暖かくなってきて縁側に移ってみると、眺めもいいし空気も澄んでいて、おすすめでした。気持ちまでリフレッシュできます!日々のパソコンなどでの目の疲れ感がすっきりし、ぱっちり開いた気がします。首や肩もかなり凝っていましたが、和らいだように思います。ご要望があれば座禅体験との組み合わせも可能ですので相談してみてください。※ほうろく灸体験、座禅、祈祷などは要予約(500円~)

【養東院】
所在地:岡山県岡山市北区間倉921
TEL:086-299-0015(通話しやすい時間帯/18:00~20:00)
メール:ysk.temples@gmail.com
駐車場:あり
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