ツイッターなどのSNSでは、観光に来られた方々が自ら撮影した画像にこのハッシュタグを添えて、元気な美観地区の様子を発信しています。
発案者は、美観地区にあるゲストハウス&カフェ「有鄰庵」のオーナー、犬養拓さん。
先月の豪雨で同じ倉敷市の真備地区が大きな被害を受けましたが、倉敷美観地区はほとんど被害がなかったにも関わらず、宿泊のキャンセルが相次いだと言います。
そんな中で生まれたのが、このハッシュタグです。
今回は犬養さんに、「#美観地区は元気だったよ」に込められた想いを伺うとともに、夏の美観地区の楽しみ方をアドバイスしていただき、私自身が観光してきました!
今だからこそ、美観地区に遊びに来てください。美観地区は元気だったよ!
「#美観地区は元気だったよ」に込められた想い
カフェでは、かわいい笑顔が特徴の「しあわせプリン」が評判で、普段から行列ができる人気ぶりです。
また、岡山県産の食材にこだわっており、例えば看板メニューの「たまごかけごはん」は自然栽培の岡山産「朝日米」を使用し、倉敷の老舗のお醤油屋さん「とら醤油」と開発した黄ニラしょうゆを使います。卵は倉敷玉島産の上質なもの。
地元との結びつきをとても大切にされており、私たちが有鄰庵で食事をすることが、岡山の元気に繋がっています。
犬養さんは「美観地区は、岡山を代表する観光地。その中で有鄰庵は、岡山県内の食材を使い、岡山のいいところを知っていただく場として貢献しています。
これからも岡山・倉敷を背負ってがんばっていかないといけない。だからこそ、以前のように美観地区に観光客の方が戻ってきてほしい」と話されます。
有鄰庵のブログやSNSでは、長い雨がやんだ7/8(日)から、美観地区がいつも通り観光客を迎え入れられる状態だと発信しています。
しかし、岡山-倉敷間の在来線が復旧した7/10(火)以降も、宿泊のキャンセルが相次ぎ、美観地区を歩く観光客の数は見た目にわかるほど減ったといいます。
「美観地区が元気であることを知ってほしい、観光をやめないでほしい。ただ、自分たちだけの発信では限界があると感じました。
観光に来てくださった方が一番、美観地区の現状を知ってくださっています。そこで、来て下さった方々の力を借りられないかと考えました」
観光に来た私たちみんながそれぞれ、美観地区で過ごす様子を発信すれば、それだけ多くの方に伝わります。
それが私たちの何よりの力になります。もしSNSで投稿していただく際には『#美観地区は元気だったよ』というハッシュタグをお使いいただけると嬉しいです」と書かれています。
▼倉敷美観地区に風評被害が広まらないでほしい。「#美観地区は元気だったよ」ハッシュタグを作った経緯|有鄰庵(ブログ記事)
ゲストハウス&カフェ「有鄰庵」ボランティアさん向け宿泊プラン
犬養さん自身、過去に被災地でボランティアをされた経験から、「ボランティアという行為の敷居を低くしたい」という想いからできたプランで、通常の半額近くで宿泊ができます。
ブログでは「【初心者さん向け】水害のボランティアをする際の服装や装備」といった情報も発信されています。 そして、この宿泊プランには「ボランティアに来られた方にもぜひ美観地区を観光してほしい」という想いも込められており、「滞在中に1日でもボランティアを行えば他の日も特別料金を適用」という仕組みになっています。
「災害ボランティアもしたいけど、観光もしたいしなぁ。でもさすがに両方は…自粛したほうがいいかな?」と思われている方は、けっこういらっしゃると思うのですが、自粛せずにぜひいらっしゃってください。
被災地でのボランティアも募金も観光も、岡山の未来に繋がっています。
美観堂
まずは、有鄰庵のお隣、2017年6月にオープンした姉妹店「美観堂」。岡山県内で生まれた商品を取り扱うお土産屋さんです。
畳縁を使った小物入れや、いぐさを使ったアクセサリー、白桃ネクター、黄ニラしょうゆなどなど、岡山で丁寧に作り上げられた商品が並びます。
店員さんが商品にまつわるお話をしてくださいました。生産者さんの想いが伝わってくる、素敵なお店です。
くらしき桃子 中央店「まるごと桃パフェ」
すごい、まるごと乗ってる! メニューの写真に驚きながら「まるごと桃パフェ」を注文。
「桃まるごと、食べにくそう」という心配は無用です、パフェと共に切り分ける取り皿とフォークとナイフもやって来ます。
桃は大きく切り分けて頬張るのがおすすめ! 種はくり抜かれて、中に若桃の甘露煮、生クリームが入っていました。
アイスクリームやヨーグルトの下にも桃が入っていて、食べるととっても幸せな気分になります。 美観地区には「くらしき桃子」は2店舗あり、「本店」で食べられる「桃パフェ」はまた違うそう。今度また食べてみたいと思います。
「まるごと桃パフェ」も「桃パフェ」も、お値段は1,404円(税込)、期間限定6月中旬~9月下旬でいただけます。
新渓園
大原美術館の本館と分館の間にあるのですが、無料で開放されています。
倉敷紡績の初代社長・大原孝四郎氏の別荘として建築された建物だそうです。
広い和室から見る日本庭園が美しく、畳のいい香りに癒されます。
「大原美術館」は、美術史に疎い私でも教科書で見たことがある作品が並んでいて見入ってしまいました。
本館・分館・工芸館・東洋館から成り、かなり広いスペースですが、ゆったりとした造りで休憩スペースもあるのでじっくり楽しめます。
倉敷の発展に寄与した大原家の偉業を、モダンなビジュアルとともに知ることができます。
如竹堂
マスキングテープが大好きな私に犬養さんが教えてくださったお店「如竹堂」へ行ってみると、たくさんのマスキングテープが!
お値段も手ごろでかさばらず、柄が選べて楽しいので、お土産にぴったりだと思います。
ほかにも便せんや紙風船など、かわいらしい紙製品が並んでいます。
TANE
壁面とずらりと、700種類ものマスキングテープが並ぶ「TANE」、絶版となったmtマスキングテープの取り扱いまであるそうです。
壁面の棚は、にこやかな店主・種ヶ嶋さんの手作り。
アイアンスツールを作る体験もできます(要予約)。
浴衣姿で美観地区を歩こう
ただでさえ浴衣姿の女性は美しいですが、美観地区の町並みが背景となると、「日本に生まれてよかったなぁ」とうっとりしてしまいます。
素敵なお二人に声をかけ、写真を撮らせていただきました。
美観地区にはほかにも浴衣のレンタルと着付けをしてくださるお店がありますので、ぜひ和の世界観に浸ってまち歩きをしてみてください。
この日の写真や思い出は、きっと一生の宝物ですね!