暮らすように旅する。倉敷市郊外にある一棟貸しの宿4選
倉敷といえば柳並木や白壁の蔵屋敷が並ぶ「倉敷美観地区」が有名ですが、足をのばせば観光地とは一味違う日本の日常が息づくエリアが広がっています。
今回は、そんな倉敷市の郊外で「暮らすように旅する」をテーマに、個性豊かな一棟貸しの宿を4軒ご紹介します。
その土地それぞれの空気を感じながら、家族や友人とゆったりとした時間を過ごしてみませんか。
- ライター
- こばん(小林美希)
- 掲載日
- 2025年12月11日
目次
1. 倉敷の宿 Retreat KOBAYASHI(倉敷市水島)
住宅街にひっそりと佇む外観からは想像もつかないほど広い空間が広がっています。
築100年を超える古民家を改装した「倉敷の宿 Retreat KOBAYASHI」は、床面積520㎡、部屋数は11LLDDKという圧巻のスケール。最大10名まで宿泊可能です。
2024年7月にオープンしました。
襖を開けるたびに個性的な部屋が広がっており、まるで迷路のよう。
豪華絢爛な打ち掛けや五月人形が飾られていたり、ベンガラで彩られた壁があったり、葛飾北斎の浮世絵や天に昇る龍が描かれた襖があったりと、部屋ごとに異なる趣向が凝らされています。
探検気分をさらに盛り上げてくれるのが、オーナーの小林英夫さんの遊び心。広い宿のどこかに7つのガラス玉(龍にまつわる伝説のボール)が隠されており、子どもも大人も一緒になって宝探し気分を味わえます。
広々としたキッチンダイニングには調理家電がひと通り揃っており、好きな食材を持ち寄り、食卓をみんなで囲むのも楽しみ方のひとつ。
プロジェクターを備えた憩いの間には、これまで訪れた世界中のゲストの写真や国を示す世界地図が飾られ、世界各国からゲストが来ていることがわかります。
グループ旅行でも三世代家族でも、誰もが気兼ねなく、自分たちのペースで最高の思い出を作れるでしょう。
所在地:岡山県倉敷市福田町古新田1075
TEL:090-6404-927
駐車場:あり(3台)
2. 旧吉田彦七家住宅(倉敷市水島)
「文化財に泊まる」という、ロマンあふれる非日常体験を叶えてくれるのが「旧吉田彦七家住宅」。
1943年、三菱重工業水島航空機製作所の工員用社宅として建てられた木造平屋です。戦中期の日本の暮らしを今に伝える貴重な建築として、国の登録有形文化財に指定されています。
戦時下という特別な時代背景の中、わずか1年ほどの突貫工事で建てられました。今ではこの一軒だけが残りますが、かつては同じ建物が2~3kmにわたって建ち並んでいたそうです。
少し傾きながらも当時の面影を残す柱や梁、懐かしいガラス戸からは、木の温もりと人々の暮らしが想像できます。
2017年に市民有志の手で改修され、集いの場として親しまれてきましたが、その後は活用されない状態が続いていました。そして2025年7月、一棟貸しの宿として生まれ変わった形です。
歴史的価値はそのままに、現代の旅行者が快適に過ごせるよう、水回りや設備は使い勝手よくリノベーションされているのが嬉しいポイントです。
調理器具の揃ったキッチンや洗濯乾燥機、高速Wi-Fiを完備。
夜には120インチのプロジェクターで、壁一面に広がる映像を楽しむことができます。
オーナーは「倉敷の宿 Retreat KOBAYASHI」も手掛ける小林英夫さん。自身も改修プロジェクトに参加したということで、この建物に深い愛着を持ち「建物は、人が使うことで生き続ける。この貴重な文化財を良い状態で未来に残したい」との想いから、宿としての運営に名乗りを上げました。
日本の時代背景に思いを馳せながら、静かで豊かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
所在地:岡山県倉敷市水島西栄町1-23
TEL:090-6404-927
駐車場:あり(1台)
3. DENIM HOUSE BON(倉敷市児島)
国産ジーンズ発祥の地として、世界中のデニム愛好家が憧れる街、倉敷市児島。
坂の上の住宅街に溶け込むように佇むのが、築90年以上の古民家を改装した「DENIM HOUSE BON」です。最大6名まで宿泊可能です。
気の置けない仲間との時間を大切にしており、人と人との温かい繋がりを生む仕掛けが随所に施されています。
陽光が差し込む開放的な土間、自然と会話が弾む円卓のダイニングは、この宿の象徴的な空間。
趣のある日本庭園を眺めることができ、開放感があります。
2023年3月にオープンしたこの宿を運営するのは、児島で活動するデニムブランド「ITONAMI」です。
宿の中にある蔵はギャラリー兼ショールームとなっており、デニムアイテムの試着や購入も可能。デニムの新たな可能性に触れることができます。
アメニティのパジャマやスリッパもデニム製品。まさに全身で児島の文化を体感できる場所です。
地域の恵みをふんだんに使った「食」にも注目してください。夕食は、岡山県奈義町が誇るブランド豚「黒藪豚」のとろける脂の旨味が絶品のすき焼きや、創業125年以上の魚屋が目利きした瀬戸内の幸が詰まった海鮮鍋、ハレの日に食べる岡山の郷土料理「ばら寿司」、岡山県奈義町の黒毛和牛を使用したラザニアセットと、心躍る4つのメニューから選べます。
朝食は、瀬戸内のタコの旨味が凝縮された児島名物「たこめし」を炊き立てで。
ワインセラーには地元産のワインや日本酒も揃っており、食事に合わせて楽しめます(別途料金)。
内装にはデニムのほか、花ござなど倉敷の民芸品も取り入れられており、この土地で生まれたものに囲まれながら、デニムが暮らしに溶け込む感覚を味わえます。
地域の良品が彩る空間で、家族や仲間とテーブルを囲んで語り合う。そんな忘れられない時間が過ごせるでしょう。
所在地:岡山県倉敷市児島小川4丁目7−63
TEL:080-4646-5842
駐車場:あり(2台)
4. シモツイベース(倉敷市下津井)
静かな港町、倉敷市下津井。車の通り抜けができない細い道の先に、まるで大人の秘密基地のような一棟貸しの宿「シモツイベース」があります。
築110年以上の古民家を、オーナー自らが廃材なども活かしながら、一人でDIYリフォーム。唯一無二の空間となり、2025年3月に宿としてオープンしました。最大3名程度まで宿泊可能です。
かつて電気屋を営むご主人が暮らしていたという建物の歴史を物語るように、古いテレビやダイヤル式の黒電話などがレトロなインテリアとして息づいています。
壁や床、照明のひとつひとつにオーナーのセンスが光り、手が掛けられたからこその温かみが感じられます。「ピカピカの新築とは違う、古い建物の趣を楽しんでほしい」というオーナーの言葉通り、DIYや古いものが好きな人にはたまらない空間です。
そして、ガレージには2台の旧車が置かれています。「てんとう虫」の愛称で親しまれる「スバル360」と、丸みを帯びたフォルムが愛らしい「三菱500」です。
貴重な名車を眺めながら過ごす時間は、車好きでなくても心躍るはず。
キッチンは離れにあり、夜は仲間とBBQを楽しむのもおすすめです。
オーナーはDIYのほか、陶芸や旧車のレストアまでこなす多才な人物。そのライフスタイルがあちこちに反映されているおもしろい宿です。
日常を忘れて特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
所在地:岡山県倉敷市下津井2丁目8−26
TEL:090-3602-3600
駐車場:あり(3台)
地図
- 倉敷の宿 Retreat KOBAYASHI
- 旧吉田彦七家住宅
- DENIM HOUSE BON
- シモツイベース
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