牧場直営レストランで「千屋花見牛」を堪能! 牛・人・地域に優しいお肉が生まれた背景とは
「千屋花見牛」が放牧されているのは、新見市法曽にある「くまのファーム」。のどかに牛たちが歩いている光景を見ることができます。そのままドライブを楽しみ、直営レストラン「キッチン神代」で千屋花見牛のグルメを味わってきました。
- ライター
- こばん(小林美希)
- 掲載日
- 2021年7月30日
くまのファーム
地域課題を解決しながら挑戦 「千屋花見牛」とは
岡山を代表する和牛ブランド「千屋牛」は、日本最古の蔓牛の血統を受け継ぐ黒毛和種。丈夫で繁殖能力が高いため、新見から全国に広がり各地の和牛のルーツとなりました。「新見といえば千屋牛」と知名度がある一方、後継者不足による廃業などで畜産事業者は減っているそう。
そんな危機の中、「新見の地域産業の再生と新たな価値創造に挑戦できないか」と畜産業にチャレンジするのが、株式会社いろりカンパニーです。新見市に本社を置き、ガスなどの販売を行なう田中実業グループの農業部門を担う会社として2016年に設立されました。
今回は井石和美社長にお話を聞きました。
いろりカンパニーが親子の牛を放牧で育てながらブランド化したのが「千屋花見牛」。新見市法曽にある「くまのファーム」と、新見市千屋花見にある「花見公共牧場」であわせて約130頭が放牧されています。
千屋牛と千屋花見牛は何が違うのでしょう。「千屋牛」の定義は、血統を受け継いだ黒毛和種で、新見市内で繁殖、肥育一貫生産された牛。そのほか様々な条件がある中のひとつに、出産を経験していない「未経産牛」であることも含まれているそう。「千屋花見牛」は経産牛。母牛なのです。ルーツとされる「竹の谷蔓牛」の血を引くところは千屋牛と変わらず、肉質としては香り高く脂肪分が少ない赤身肉が特徴です。
畜産業は利幅が少ないことが後継者不足の大きな一因となっています。「割に合わない」というイメージを覆して若者に畜産に興味を持ってもらおうと、できるだけ人手とコストをかけずにできる放牧という方法に挑戦しています。
従来の畜産では牛舎に牛がいて、えさやりも糞の片づけも子牛への乳やりも、人がしていることが多いそう。牛の成長を促し、販売の回転率を上げ、多くの牛を出荷したいからです。ただ、人手とコストがかかるというデメリットがあります。放牧にすると、牛は自分で草を食べ、糞は土に還り、人が介入する機会が大幅に減ります。くまのファームの子牛は自分で母牛の乳を飲んでいました。また、放牧により牛たちが草を食み、耕作放棄地の活用にもつながっています。
「うちは牛ができることは牛にやってもらうスタイルです。昔は牛が好きに歩いていたそうなので、昔ながらの方法でもあります」と井石社長。地域の課題を解決しながら、新たな畜産業の形を模索しています。
キッチン神代
千屋花見牛のボロネーゼ(税込1,200円)もおすすめです。お肉が主役のソースは食感もしっかりとしていて食べごたえがあります。
土日祝日はサイコロステーキランチ(税込1,680円)とお子様ランチ(税込800円)もあります。
くまのファームからキッチン神代 ドライブコースにぴったり!
放牧繁殖された牛を地域で肥育する畜産産業から、卸売りや飲食事業へと一連で取り組むいろりカンパニー。自分が食べるお肉がどんなふうに育ったのか気になる方も多いと思います。ぜひくまのファームからキッチン神代までドライブしてみてください。
車で30分ほどの道のりは気持ちのいい山道で、ドライブコースにぴったりです。
地図
- くまのファーム
- キッチン神代
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