引退カウントダウン!復刻カラーの国鉄色 特急やくも【岡山ー新見】間乗ってみた

日本で唯一。50周年記念。勇退まで1年半。【岡山ー出雲市】を結ぶ貴重な国鉄型特急「やくも」に乗れるのもあとわずか!しびれるレトロさ&重力を感じる傾く車体。懐メロ鉄道唱歌などなど。ローカルな魅力をココロに刻む鉄道旅へ、出かけてみませんか?廃レールで出来た柱や、かわいい姫新線といった、新見駅の見どころもご紹介。
掲載日:2022年08月23日
  • ライター:おもとまちこ
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国鉄色やくも入線(岡山市/JR岡山駅)

ツヤピカの車両がついに目のまえに!乗る前からすでに最高潮。発車時刻まで鉄道ファンのみなさんに混じって、撮影タイムです。赤×クリームに塗り替えられて、蘇った国鉄色やくも。1972年の運転開始から50周年を記念して。そして、2024年春に予定されている新車両導入までの期間限定として。貴重すぎるこの勇姿を、しかと目に焼き付けて出発です!

車窓から水島臨海鉄道の駅

撮るだけじゃなく、乗れるよろこび!ああ何てシアワセな時間。と窓の外を眺めていると、1人、2人、3人・・。河原や田園風景の中に、やくもの姿を収めようとカメラを構える人たちが!何だか胸アツな気分で、気が付いたら倉敷駅に。なまこ壁デザインのJR倉敷駅ホームの向こうは、水島臨海鉄道の倉敷市駅です。クラファンで蘇ったキハ車両にも、乗りたいな。

岡山3大河川を上れ

井原鉄道線が走る高梁川橋梁あたりから、一級河川・高梁川とともに岡山を駆け上ります!「豪渓」かあ。これから紅葉がキレイだろうな。と、ぼんやり景色を眺めていると、少しづつ揺れが感じられるように。どうどうと流れる川と、そびえ立つ山々。お構いなしに速度を上げて行くやくも。現役としてのプライドを感じる走りっぷりです。

名所を見逃すな

JR備中高梁駅を発車すると、右手に高い石積みの立派なお寺が!耳の大きなおキツネさんの最上稲荷殿がある巨福寺です。ここまで、ループ橋や、総社の宝福寺などなど。沿線の名所も見られましたよ。ひじ掛けのミニテーブルや、洗面所のエチケット袋など、レトロな車内ももれなく楽しんだら。さあ新見まであと30分程。どんな景色に出会えるでしょうか。

懐かしのメロディ

速い速い!備中高梁からはさらに加速度が増していきますよ。車体を傾けることで速さを実現した、やくも381系ならではの「揺れ」。重力を感じるこの乗り心地。余すところなく体感いたしましょう。カルスト地形特有の岩肌がワイルドな井倉を過ぎると、タンタタンタ~♪と復刻オルゴールの「鉄道唱歌」が。もっと乗っていたいけど、降車の時間です。

乗せてくれてありがとう(新見市/JR新見駅)

新見まで1時間の電車旅。こうして50年、みんなを運び続けてきたんですね。全国で唯一残る国鉄型車両やくも。センチメンタルな心持で、後ろ姿にお別れを。立体的な特急のシンボルマークが付いた、ヒーローのような先頭車両も。貫通扉タイプの最後尾も。つくづく温もりを感じるお顔です。終点・出雲市駅まで、いってらっしゃい!

新旧そろい踏み

ちょうど向かいに到着していたのは、なんと現行の「ゆったりやくも」!嬉しすぎるすれ違いです。ヘッドマークの左上にある「L」(特急)のマーク。実はこのマークが残るのも、今では”やくも”だけなんだとか。知りませんでした。8つの雲(八雲)のデザインと合わせて、じっくりご鑑賞を。

乗っておきたい姫新線

いざ改札へ!と歩きだすと、カワイイ1両編成の姫新線を発見!これからの在り方について問われている、ローカル線の1つです。3つの路線が乗り入れるターミナル駅・新見から、姫新線で美作千代のレトロな駅舎を見にいったり。芸備線で秘境駅に降り立ってみたり。時刻表とにらめっこしながらの鉄道旅。チャレンジし甲斐ありますよ。

柱がレール

姫新線も見送って、ホームに1人。青い空、緑の木々に映える、ずらりと並んだ黒い柱・・・!?実は新見駅では、古いレールが柱として使用されているんですよ。鉄の味わい深い質感。心地よい曲がり具合に見惚れて、すっかり長居してしまいました。今度こそ、地下道を通って改札へ。

ナツテツ入場券ください

忘れてはいけません!懐かしの列車がデザインされた入場券「西日本懐鉄(ナツテツ)入場券」。鉄道開業150年記念で2023年末まで絶賛販売中です(県内では新見駅・津山駅・岡山駅の3か所のみ!)。そして今回特急券は、e5489ネット予約限定「トク得チケットレス」を利用しました。指定席で、チケットレスで、お得に!やくもに乗れておすすめですよ。

レトロはここから(新見市/御殿町界隈)

新見駅から高梁川沿いを下流(東)に歩いて、レトロ風情の宝庫・御殿町界隈(旧市街地)へ。陣屋町の、赤褐色が美しい石州瓦の瓦屋根。町がまるごと編み物のような、やさしい色やカタチに溢れていますよ。三味線横丁など、迷い込みたい路地もたくさん。ノスタルジックな旅のしめくくりにぴったりな、歴史ある町並み。いざなってくれた”やくも”に感謝です!

「おか鉄フェス2022」もチェック!

「岡山デスティネーションキャンペーン」に合わせて開催されている【おか鉄フェス2022】では、鉄道旅を楽しめる様々な企画やイベントが展開されているので、お見逃しなく。
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