有名観光地周辺にある穴場スポット!近くを訪れたら立ち寄ってみたい岡山県の不思議な光景5選
岡山県で有名な観光地を巡っていると、ふいに不思議な光景と出会うことがあります。ガイドブックには載っていないけれど思わず惹かれてしまう、そんな場所を5つご紹介します。
- ライター
- 田中シンペイ
- 掲載日
- 2026年10月21日
目次
1.別荘の密集する島「鴻島」(備前市)
美しい瀬戸内海の風景と新鮮な海の幸を楽しめる「日生(ひなせ)」。このあたりを観光していると目に入ってくる不思議な島があります。緑が映える島の斜面に無数の家が建ち並んでいるのです。上の写真は日生の「みなとの見える丘公園」からの眺望で、遠目にもたくさんの建物がある島の存在を確認できます。そのほか、日生諸島や長島(瀬戸内市)などから見ることができます。これが“別荘の島”として知られる「鴻島(こうじま)」です。本土と橋などでつながっていない完全な離島で、日生港から就航している日生諸島をめぐる定期船を利用して行くことができます。
「鴻島」は日本が好景気に沸いていた頃にリゾート地として開発された島です。平地がほとんどなく、多くの家屋は急峻な斜面に「懸造り(かけづくり)」という骨組みを組んだ上に建っていて、まるで京都の清水寺のような感じになっています。それぞれの建物をよく見ると、小さなバンガローくらいのものから鉄筋コンクリート製のビルみたいに豪壮なものまで、実にバラエティに富んでいます。
ここで私事なのですが、関東から故郷の岡山へUターンした際に「海の見える場所で暮らしたい!」と県内各所で物件を探し、「鴻島」も候補地のひとつとして考えていました。実際に物件を見に行ったこともあって、その時の印象は「とにかく海がきれい!」という一語に尽きます。島内にはプライベートビーチのような小さな入り江がいくつもあって、どれも夢のように美しいのです。この島がリゾート地として人気になった理由がよく分かりました。
同時に、厳しい現実も…。数日のリゾートではなく長期で滞在するとなれば「離島」というハードルは多くの困難を伴うことが想像できました。仕事はリモートで何とかできたとしても、日常の買い物をどうするのか、家電の取り付けや家屋のメンテナンスで業者さんを島へ呼ぶのもひと苦労だと思います。そして、定期船はフェリーではないので、港から自分の家まで長い山道を徒歩で移動しなければならない点は大きな課題だと感じました。
島で暮らすとしたら何らかの動力を持つ移動手段を用意する必要があり、島内の各所で古ぼけたゴルフカートを見かけたとき「なるほど」と思いました。もっとも、自分のボートを持っているほど富裕な人なら、島内の各所にある最寄りの船着き場(個人専用に備えている邸宅も!)を利用すれば解決する問題ではあります(笑)。
というわけで、私は断念して生まれ故郷の瀬戸内市に落ち着いたのですが、今でも離島での暮らしには憧れがあります。「鴻島」の別荘物件は内容の割には比較的安く手に入ることもあるので、覚悟さえ決めれば都会の喧騒を離れた美しい島での暮らしがあなたを待っています。もちろん、普通の宿泊施設もありますので、ぜひ一度訪れてその素晴らしさを実感してみてください。
2.県道300号の不思議なトンネル(高梁市)
「羽山第二隧道」には、「穴小屋」と呼ばれる背の低い鍾乳洞が続いていて、洞窟内を巡ることが可能だそうです。それなりの装備と勇気は必要なので、もちろん私は入っていません(笑)。また、トンネル外側の断崖はロッククライミングの名所としても知られていて、周辺には小さな駐車場や休憩所などもあります。
道路のすぐ脇には、幽玄な雰囲気が漂う深い渓谷「羽山渓」が展開しています。県道300号が非常に険しい地形のなかを通っていることがわかります。
「県道」ならぬ、険しい道と書いて「険道」というスラングがあります。県道300号はまさにそれで、狭小で曲がりくねった道が続くため自動車の離合には困難がともないます。軽自動車でも微妙なところだと思います。もちろん大きな車で行くことは絶対におすすめできませんが、バイクのツーリングコースとしては良いと思います。ちなみに、現在は同じ区間を代替の大きな道が並走しているので、無理にこの道を通らなくても周辺の観光地への移動は可能となっています。
3.塩田跡のメガソーラー(瀬戸内市)
日本のエーゲ海として知られる瀬戸内市のリゾート地「牛窓」。その周辺を観光していると、一瞬「海かな?いや、何か違う…」と戸惑う不思議な光景が目に入ります。それが見渡す限りのソーラーパネルであることに気付くまでには、ほんの少し時間がかかります。正式には「瀬戸内Kirei太陽光発電所」と呼ばれ、「牛窓オリーブ園」や「道の駅 一本松展望園」など、周辺の高台からその全容を俯瞰することができます。遠くから眺めると大量のパネルが太陽光を反射して、まるで海面のように見えるのです。
実際に、かつてこの地は「錦海湾」と呼ばれた海で、その名が示すように美しい入り江だったそうです。古来から牛窓は製塩が盛んな土地でしたが、昭和30年頃には塩田にするため湾の大部分が締切堤防によって干拓され、その規模は東京ディズニーランドが10個もおさまるほどの大きさだったそうです。
東洋一とも言われた巨大な塩田は国の政策転換によって廃止となり、時期をおいて事業者が経営破綻した際には自治体がやむなくこの土地を取得することになりました。干拓地は堤防の維持管理のほか、常にポンプで排水しないと水に浸かってしまうので、周辺住民の安全確保のための措置だったそうです。
その管理費をまかなうために当地にメガソーラーが誘致されて現在に至ります。この風景には、ひとことでは語れない牛窓の歴史が秘められているのです。
4.カーブする鉄橋(総社市・倉敷市)
井原鉄道の高梁川橋梁(たかはしがわきょうりょう)は、総社市の「清音駅」と倉敷市の「川辺宿駅」の間に架かる全長約700mのトラス橋です。橋自体がカーブしながら川を渡るという全国的にも珍しい構造をしていて、平成5年度「土木学会技術賞奨励賞」を受賞しています。
知る人ぞ知るフォトスポットで、独特のトラス橋、高梁川、列車、時に夕陽(総社側から)が織りなす絶景を収めることができます。
私のおすすめは倉敷側の野球場付近からの光景です(上の写真)。鉄橋が総社の方へ向けてカーブすることで、まるで途中から線路が消えてなくなったように見えませんか?
鉄骨の表面に生じる錆自体で腐食を防ぐ技術によって無塗装なので、橋そのものに独特の風合いが感じられる点もグッドですね。
「川辺宿駅」「清音駅」の周辺は『金田一耕助シリーズ』の作者「横溝正史」が疎開先として住んでいたエリアで、「横溝正史疎開宅」など作品にゆかりのあるスポットがたくさんあります。ぜひ、金田一耕助の世界観と合わせて楽しんでみてください。
ちなみに映画『八つ墓村』にもこの鉄橋が出てきます!
5.海岸に建つ不思議な小屋(岡山市)
ここでクイズです。この不思議な構造物は何でしょうか?
↓↓↓
答え:「四つ手網小屋」
これだけでは何のことだか分かりませんよね。以下にご説明します。
四つ手網(よつであみ)とは
四角い網の四隅に竹などで支柱をつけて、四角い形状のまま上下に動かせるようにした漁具です。
その大型のものを岸壁などに設けた小屋に設置して、暗闇の中で明かりに誘われて寄ってきた魚介類を一気にすくい上げるという漁に用いられます。岡山県のほか鳥取県などで見られる漁法です。
岡山県南部(とくに児島湾周辺)ではこのような小屋が夜に煌々と明かりをつけて四つ手網の漁を行なう様子が風物詩となっていたそうですが、年々その数を減らしています。以前は小屋をレンタルして一般の方が漁をすることもできたのですが、現在は条例により漁業者以外による四つ手網の操作はできなくなっています。近年の瀬戸内海は漁獲量も減ってきているみたいなので、いずれは見られなくなる光景かもしれません。
上の写真に写っている非常に年季の入った小屋は、私が学生の頃に県南部をツーリングしている際に見かけて、あまりに不思議で印象的な光景だったので思わず写真に収めたものです。今もどこかにあるのでしょうか…。
まとめ
いかがでしたでしょうか。“不思議な光景”は複雑な経緯のもとに成り立っていることが多いので、いつまでも同じとは限りません。今しか見られない岡山をぜひ体感しに来てください。
紹介したスポットの場所(地図)
- 鴻島
- 羽山渓
- 瀬戸内 Kirei 太陽光発電所
- 井原線 高梁川橋梁
- 四つ手網
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