手に取った人が幸せに♪岡山の特産「烏城彫」は、進化を続ける工芸品!!

岡山の特産工芸品のひとつに挙げられる「烏城彫(うじょうぼり)」。県外へのお土産や海外への贈り物としても注目されています。全工程手作業の中に込められた、温もりやおもてなしの心をご紹介します。
掲載日:2019年10月21日
  • ライター:  
  • 8263 ビュー

烏城彫、もうすぐ100年!

岡山のシンボルとも言える岡山城。その別名「烏城」を冠して「烏城彫」と名付けられたのは1927(昭和2)年のこと。90年以上の歴史があります。

心を込めて一点一点丁寧に。

天然木の一枚板から削り出された器や盆。その木目を生かしながら、職人が丁寧に模様を彫り、国産漆を何度も塗って仕上げます。 烏城彫の詳しい歴史や製作工程は、公式サイトをご覧ください。

(株)烏城彫協会
所在地:岡山市北区天神町5-1
TEL:086-225-4561
営業時間:月~金曜日9:00~18:00/土曜日9:00~17:00
定休日:日曜日、祝日

「あ、この模様のお盆見たことある!」

岡山では、多くの家庭で気軽に使われていた烏城彫のお盆。以前は、引き出物として使われることが多かったといいます。 野菜や果物のデザインは、生活に馴染みがあり飽きもこないため、昔から現在まで続いている定番の図柄です。

烏城彫の今

現在では、引き出物や記念品だけではなく、お土産や県外への贈り物としても重宝されています。繊細な彫りと手になじむ木のぬくもりは、海外からも注目されています。

図柄に込めた思い

「図柄には、手に取った人が幸せになるように、との思いがこもっているんよ」と、烏城彫協会の藤原達さんは話します。 例えば、中国の瓦の図柄は風水に基づき家内安全の願いを込めて。鳳凰は飛躍、龍は繁栄を表すなど、彫られる図柄で思いを伝えます。
そのほか、冠婚葬祭での気持ちを表すために、家紋や名前などのオリジナルオーダーの依頼もあるそうです。 写真のお盆は、岡山市内の高校から依頼を受け制作したものです。

思いをお盆にのせて

様々な思いがこめられた図柄。 烏城彫協会では、その図柄をお盆に彫り、「オカヤマスタイル」と名付け使い方を発信しています。お盆は、人をもてなすときの必需品。お盆一枚でおもてなしの心が伝わります。

おもてなしの心を後楽園で

岡山後楽園内にある茶店のひとつ「福田茶屋」では、烏城彫のお盆で和のスイーツや飲み物が提供されます。 何が彫られているかはお楽しみ!図柄に込められた思いも、料理とともに味わってくださいね。

烏城彫のこれから

「郷土伝統的工芸品(100年以上の歴史を有する工芸品)」への登録に向けて、進化を続ける烏城彫。岡山市で開催された「G20岡山保健大臣会合(2019年10月)」に参加した各国大臣への贈答品になりました。写真の品が、実際に贈られたものです。

進化を続ける烏城彫。
ぜひ手に取って、ぬくもりを確かめてみてくださいね。
 
マップを見る

同じテーマの記事

このライターの記事